一般教書演説~トランプ大統領が真に語るべきこと

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ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」(2月6日放送)に自由民主党参議院議員の青山繁晴が出演。トランプ氏の一般教書演説と米朝関係について解説した。

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選挙集会で演説する米国のトランプ大統領=2018年10月22日、アメリカ・ヒューストン 写真提供:時事通信

トランプ大統領、きょう一般教書演説

アメリカのトランプ大統領は日本時間のきょう午前11時から、一般教書演説に臨む。不法移民対策や外交政策について強く訴えるとみられ、2度目の米朝首脳会談の開催地と日程も公表する可能性がある。

飯田)厳密には違いますけれども、日本で言うと総理の施政方針演説に近いと言われております。

青山)米朝交渉に非常に懸念があってですね。去年12月、国会が終わってすぐワシントンD.C.に行って、国防総省や議会を回りました。それから年明け1月、今度はハワイ真珠湾のアメリカ太平洋艦隊司令部に行きました。僕の話はほとんど同じで、北朝鮮という相手とは話し合いだけしていると、話せば話すほど事態が悪くなる。「It is getting worse and worse」、どんどん悪くなるよと言ったら、ワシントンD.C.の国防総省あるいは議員の方々、艦隊司令部のアドミラル…日本語で敢えて言ったら提督、アメリカ海軍で海軍大将ですけれど。みんなハッとするような顔をなさったのです。拉致被害者の救出を中心に、日本は長年北朝鮮と交渉して来たので、我々は北朝鮮のことをアメリカよりはるかに知っているのですよ。でも外務省をはじめ、日本からそういう働きかけが非常に少ないので、自分で言ったわけですけれども。

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2019年1月18日、北朝鮮の金英哲朝鮮労働党副委員長(右から4人目)と面会するトランプ米大統領(左端)[ホワイトハウスのスカビノ・ソーシャルメディア部長のツイッターより]=写真提供:時事通信

改善されない日朝関係~評価できないトランプ大統領の北朝鮮との交渉

青山)一時期、一昨年の10月~11月にかけて、アメリカ軍は大統領の決断のもと攻撃を準備して、そのときは北朝鮮も真面目にやっていました。ところが、去年6月12日のシンガポールで行われた米朝首脳会談で、米軍は動かないと北朝鮮は見たら、その後は舐めきった交渉なのですよ。
拉致被害者の救出にも当然悪影響ですし、アメリカに届く核だけ諦めればそれで良いという方向になっているのは、僕は許せない。同盟国の日本に対する脅威はそのままというのが、日本の基地負担も考え沖縄のことも考え、許せないというきつい言い方も致しました。
一般教書演説で、北朝鮮もミサイルは撃たないし…という、いわば自慢話になるのだと思います。トランプ大統領の決断力や、中国に対するフェアで厳しい姿勢は高く評価していますが、北朝鮮との現在の交渉は本当にいただけない。日本は対等な同盟国なので、安倍総理をはじめ、もっと厳しく言うべきです。「日本も米朝交渉の進展を評価します」という話ばかりですから。
予算委員会でもこういった追求すべきことを追求するべきです。統計不正問題は置いておけということではなく。時間はあるのに、どうしてみんな同じ話になるのか。例によって、僕は森友・加計問題を予算委員会で質問したときも、NHKも含めてオールドメディアに無かったことにされたのですが、それと似たようなことをずっとやっているのですよね。

飯田)この統計問題の話は、バンバン紙面にも載るしテレビでも出ますけれど。他の質問はほとんど見たことがないですね。

青山)政治記者をやっていたので実態を知っていますが、与党質問になるとわざわざ音が立つようにペンを置く記者もいる。モラルからしてこれで記者と言えるのかと思います。ただし与党質問の方にも問題があったと思います。出来合いと言うか、持ちつ持たれつみたいな質問を繰り返して来たという歴史もあるのでしょうから。

飯田)青山さんは、そのなかでも少数でありながら良識派良心派な人は必ずいるのだ、という話をされますよね。これは国会でも一緒ですか?

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同盟国であるのならば、トランプ大統領は何を発信するべきなのか

青山)同じです。同じですが、自由民主党の部会という非公開の場では、かなり物をおっしゃっても、国会質問のような場ではそういう意見をご自分で封じ込めてしまう。自らの良心と有権者主権者に問うて、敢えて言うと「後のことは考えずに行動すべきだ」と思います。僕は「人のために死ぬのが国会議員の仕事だ」と言っています。自分はそのつもりです。
暗黒国会ということを僕が問題提起して、かなり日が経ちますが、本当に国会が暗黒だと子供たちに渡せないのですよ、祖国を渡すことができないですから。
トランプ大統領から話が逸れたようで逸れていないのは、アメリカ大統領選挙が来年に迫っていて、あっという間です。そこで、どうしても成果を誇る方向に行っている。しかし同盟国と言うからには、そこできちんと日本の国旗とアジアと世界の良き利益のために、発信すべきなのです。だからメディアだけ悪いのではなく、メディアも国会議員も、総理をはじめ政府側もそれが本当に足りないのですよ。

飯田)本来であれば国の一大事の部分、外交、あるいは北朝鮮相手ということは、まさにそこの部分です。すでに喉元にナイフの先を突きつけられているようなものです。そこを議論しなくてはいけない。ということは、結局は憲法の問題にまで行き着きますよね。

青山)憲法9条が変わらない限りは、どんな議論をしても実は根本は何も良くならないのです。103条もある長い憲法のなかで、私たち国民をどうやって守るかが1字も書いていないのですよ。つまり、9条ただ1箇所ですが、その9条は国民を守る手段として国際法が認めていることを、全部ことごとく否定してあります。では、全部否定してどうやって守るのですかということは、条文に全く無い。一生懸命探したら、条文ではない憲法前文に、「諸国民の公正と信義にお願いする」とある。憲法学者の方に「諸国民って誰ですか」と聞くと、いままで、まともに答えた人がいないのです。それは無理にひねって、人類全体だとかおかしなことを言う必要は無くて、愛するものは自分で守るということは人間の基本です。だからイデオロギーではないということは人間の基本、「愛する人々を他人の手に委ねるのですか」ということは主義主張を超えた話ですよね。生き方の問題です。
だから逆に、そこさえ直せば良い意味のドミノ倒しも起きるのです。トランプ大統領、アメリカとの関係も変わるのです。そんなに難しい話ではないのですが、国会で議論すらできないですからね。

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