老いた身体を脱ぎ捨てて、新しい肉体に着替えることが出来るとしたら…。『セルフレス 覚醒した記憶』 しゃベルシネマ【第62回】

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さぁ、開演のベルが鳴りました。
支配人の八雲ふみねです。
シネマアナリストの八雲ふみねが、観ると誰かにしゃベリたくなるような映画たちをご紹介する「しゃベルシネマ」。

毎月1日は「映画の日」、ファースト・デイ!
全国の主要映画館でお得に映画を観ることが出来るチャンスです。

そこで今回の「しゃベルシネマ」では、9月1日公開の話題作『セルフレス 覚醒した記憶』を掘り起こします。

大金と引き換えに得た“不死の力”には、トンデモナイ秘密が隠されていた!

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“NYを創った男”と讃えられ、政財界に強い影響力を持つ大富豪の建築家ダミアン・ヘイルは、ガンを患い余命半年と宣告される。
そんな彼に、天才科学者オルブライトはある秘策を提案。
それは遺伝子操作で新たに創造した肉体に、68歳のダミアンの頭脳を転送するというものだった。

莫大な費用やオルブライトの研究所に疑念があったものの、ダミアンはオルブライトの提案に乗り、新たな肉体を手に入れる。
エドワードという名前で新たにスタートを切った彼は若者の暮らしを謳歌するが、その肉体はマークという妻子ある特殊部隊の軍人のものだった。
真実を知ったダミアンとマークの妻は、 オルブライト率いる秘密組織に命を狙われることに…。

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“不老不死”や“永遠の命”は、古代からの人類の夢であり、小説や映画でも度々登場するテーマです。
本人の脳や記憶はそのままに、ヤドカリが殻を取り替えるように老いた肉体から若い肉体へ入れ替わることが出来るなら、あなたならどうしますか?

本作は、生きながらえるため新たな肉体に頭脳を転送された男が辿る数奇な運命を描くSFアクション。
『インモータルズ -神々の戦い-』のターセム・シン監督がメガホンを取り、頭脳の転送や頭の中に眠る他人の記憶など、なかなか想像しがたい設定を巧みに映像化しました。

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明晰な頭脳と高度な戦闘能力を持つハイブリッド男、若いダミアン/マーク(そしてエドワード)を演じるのは、『デッドプール』の大ヒットが記憶の新しいライアン・レイノルズ。
完璧なボディと生身のアクションで観客を魅了するだけでなく、自分のエゴで母娘から愛する人を奪ったことを知ったダミアンの苦悩と葛藤、疎遠になってしまった自身の娘への切ない想いを見事に演じきっています。

富も名誉も権力もすべてを手に入れた代わりに家族の愛を失ってしまったダミアンを演じるのは、『ガンジー』など数々の作品でその存在感を放つ名優、ベン・キングズレー。
さらに研究のためなら手段も選ばないマッドサイエンティスト、オルブライト役には『イミテーション・ゲーム/エニグマと天才数学者の秘密』のマシュー・グード。

持ち味がまったく違った、魅力的なキャストが顔を揃えています。

ダミアンのモデルは、あのお騒がせ不動産王?!

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王道のSFドラマとして楽しむのと同時に、リアルな本格アクションに息詰まる頭脳ゲームと、エンターテイメント的な見どころたっぷりな本作、ふとあるコトが気になってしまいました。

ベン・キングズレー演じるダミアンって、実在の誰かさんをモデルにしている???
その人物とは、もしやアメリカ大統領選の共和党候補者指名争いに名乗りをあげている不動産王、ドナルド・トランプ氏???
まぁ、これはあくまでも八雲の独り言であって、コトの真相は闇の中ですが…。

しかし本作は、あのトランプタワーでも撮影が行われたそう。
どのシーンかは映画を観れば、ここでヒントを出さなくてもきっと分かるハズ!

トランプ氏の今後の動向も気になるところではありますが、本作に登場する“NYを創った男”が富も名声も権力も、そして不滅の肉体も手に入れて選択する人生も、なかなか感慨深いものがありますよ。
映画ファースト・デイに是非、お楽しみ下さい!

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2016年9月1日からTOHOシネマズ シャンテほかにて全国ロードショー
監督:ターセム・シン
出演:ライアン・レイノルズ、ベン・キングズレー、マシュー・グード、ナタリー・マルティネス、ミシェル・ドッカリー、ヴィクター・ガーバー、デレク・ルーク ほか
©2015 Focus Features LLC, and Shedding Distribution, LLC.
公式サイト http://www.selfless.jp

連載情報

Tokyo cinema cloud X

シネマアナリストの八雲ふみねが、いま、観るべき映画を発信。

著者:八雲ふみね
映画コメンテーター・DJ・エッセイストとして、TV・ラジオ・雑誌など各種メディアで活躍中。機転の利いた分かりやすいトークで、アーティスト、俳優、タレントまでジャンルを問わず相手の魅力を最大限に引き出す話術が好評で、絶大な信頼を得ている。初日舞台挨拶・完成披露試写会・来日プレミア・トークショーなどの映画関連イベントの他にも、企業系イベントにて司会を務めることも多数。トークと執筆の両方をこなせる映画コメンテーター・パーソナリティ。
八雲ふみね 公式サイト http://yakumox.com/

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