徴用工・レーダー照射問題~長引く背景には日韓のパイプの薄さ

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ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」(1月24日放送)にジャーナリストの鈴木哲夫が出演。自衛隊機へのレーダー照射や徴用工を巡る判決など、日韓間に生じている問題について解説した。

日韓外相会談、自衛隊を巡り応酬

河野外務大臣は昨日、日本時間の昨夜、韓国の康京和(カン・ギョンファ)外相とスイス・ダボスで会談し、いわゆる元徴用工訴訟の問題について、日韓請求権協定によって既に解決済みだとして政府間の協議の受け入れと韓国政府の適切な対応を要請した。また自衛隊の哨戒機が韓国海軍の艦艇に低空威嚇飛行をしたと韓国側が発表したことについては、韓国側が主張するような近距離の飛行はしていない、発表は遺憾だと反論、話し合いは平行線をたどっている。

飯田)この辺のことを、きょうの産経と読売は一面で報じています。矢継ぎ早にいろいろなことが韓国との間に出て来ます。

鈴木)日韓関係は日本にとって重要な外交です。徴用工の問題が起きて以来、4ヵ月ぶりに外相会談が行われました。こういうことを話し合う姿勢はお互いに持っているのだということです。だから中身は平行線と言われていますが、話し合いの機会を絶やさないということで、ここはお互い大人になって対応しているのでしょう。
問題は中身ですけれど、韓国が「かなり低空で迫って来た」と、また持ち出してきました。永田町は「またかよ」という気持ちになっています。けれど今回も安倍さん周辺の議員のなかには、粘り強くいくべきだという人もいます。今回は韓国に非があります。徴用工の問題に関しては個人の請求ですから、ここまで規制はできないけれど、日韓の合意によって、そういう問題は国内問題として、それぞれ自分の国のことを治めて行こうという約束があるわけです。その辺はどうしているの? と言うと、やっていないわけです。レーダー照射問題にしてもこれまでいろいろな人がいろいろな見方をして来ましたが、これは韓国の方が悪いなという話になっている。そういうことが分かった上で「あんたたちが悪いんだよ」と責めるのではなく、日本は構えておく。そういう姿勢がいいのかもしれないと言う人もいました。

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第7回日中韓サミット 韓国・文在寅大統領が帰国 =写真提供:産経新聞社

議員が世代交代していて日韓のパイプが薄くなっている

鈴木)ではいつまでこの問題をずるずるやるの? ということですが、文在寅大統領が国内の支持率を気にしながら進めていくでしょう。すると終わりが見えない。昨日、自民党の日韓議連のベテラン議員に会ったのですが、こういうときは二重外交と言うと言葉は悪いけれど、政府同士がやっている外交とはまた別に、議員外交などでうまく根回しするようなことを過去やっていました。僕が「日本にはそこを一生懸命やる人がいなくなったんでしょう」と言うと、日本以上に韓国にそういう議員が少なくなったということです。日韓双方、世代交代しています。日本も確かに韓国について強い議員は少なくなったけれども、それ以上に韓国側の方が少なくなって、そういうチャンネルやパイプが薄くなっている。そういう背景があるのだという話になりました。

飯田)官僚の方もそうみたいで、取材をすると韓国の知日派と呼ばれる人たちが公職から追われたりすることが多くなって、話し合いをしようにも原理主義で押し通す人しか出て来ないのだと言われました。

鈴木)原理主義というより、時代が変わったということでしょう。あの悲劇を当事者だから前向きに解決して行こうという人たちが韓国にもたくさんいたのだけれど、世代交代をしている。ただ日本の立場としては、韓国側に非がある以上、しっかり我慢してテーブルを作って行くことが大事ではないかと、安倍さんの側近からもそういう話が出ていました。

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