森永卓郎がススめる「世の中と経済のことがわかる究極の3冊」

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「垣花正 あなたとハッピー!」(1月23日放送)に経済アナリストの森永卓郎が出演。世の中と経済がわかるというテーマでオススメの本3冊を紹介した。

※写真はAmazonより

(1)『プライベートバンカー』清武英利・著

著者は、ジャイアンツの球団代表で「清武の乱」と言われ、ナベツネさんを告発したあの清武さんです。スポーツの世界の人かと思って誤解していましたが、ジャーナリストとして素晴らしい方です。もともと、読売新聞の記者としてたたき上げて、出世して巨人の球団代表になった人です。

ここで書かれているのは「お金持ちはどういう行動をしているのか」ということを実名で書いています。通常、お金持ちには有能な弁護士がたくさんついているので、下手なことを書くとすぐに裁判を起こされるので避けるのですが、清武さんは実名で書いています。

「プライベートバンカー」は何かと言うと、大金持ちに寄り添って、その人たちが利回りを高く運用できるということと、いかに税金を払わないですむかということをサポートする人のことです。ここに出て来るお金持ちは何百億も持っているのに、びた一文払いたくない。そしてそれを減らさずに相続したい、というどうしようもない人たちです。
相続税を払いたくないためにシンガポールに移住してただ時間が過ぎるのを待つ元大手メーカー会長、若くして300億円を手にしたIT業界の寵児、伝説の相場師、脱税を逃すまいと潜伏する国税庁の美人調査官などが出て来ます。金の亡者の実態記録とも言える作品です。

※写真はAmazonより

(2)『日本が売られる』堤未果・著

これは、日本が次々にグローバル資本に市場を開放して、「これから酷いことが起こるぞ」という警告の書です。著者の堤さんはニューヨークの州立大学を卒業して、実際に国連とかアメリカの野村証券に勤めた経験がある国際経験豊かな方です。国際的な視点で見たときに、大好きな日本がアメリカや世界に次々に売り飛ばされている、という現状を描いています。

例えば改正水道法が成立しました。事実上の民営が可能になったわけです。何が起こるかと言うと、民間が水道を運営したらグローバル資本は儲けに走る。人間に必要なもの、無くては生きていけない水を商売の道具にするということです。

種が売られる、ミツバチの命が売られる、牛乳、農地、海、築地、労働者、ブラック企業対策、ギャンブル、学校、医療、老後、個人情報、これが全部世界中に売られている。
日本は世界一の対外債権国で、いちばんお金を持っている国なのです。その国が海外に次々に買われるのはおかしいと思い続けていましたが、なぜなのか…。ぜひ、読んでみてください。

※写真はAmazonより

(3)『お金のために働く必要が無くなったら、何をしますか?』エノ・シュミット、山森亮、堅田香緒里、山口純・著

もう世界で社会実験が始まっていますが、新しい社会保障制度で、ベーシックインカムという制度があります。性別や年齢や一切条件を問わず、一律にお金を支給する。金額は決まっていませんが、イメージとしては1人月額7万円。4人家族だと28万円、毎月政府がお金をくれるかわりに、年金も失業保険もない社会保障制度。この仕組みが普及すると、これから人工知能やロボットが雇用を奪うと言われていますが、その心配がなくなるわけです。

この本で私がいちばん感動したのは、社会実験でそういうことをすると誰も働かなくなると言われますが、いままでの社会実験でそれは全部否定されています。皆働くのです。なぜかと言うと、福沢諭吉先生が言った言葉で、「人間いちばん寂しいのは、する仕事の無いことです」。仕事のないことが人間はいちばん辛いのです。ただ、仕事の中身はガラッと変わる。長期的な視点に立った仕事、楽しい仕事に変わって行く。それが私は人類の発展のためにもなると思います。金のために働かなくて良くなったら、例えば童話作家になるとして、童話は残るわけです。そういう豊かで明るい未来があるのではないかと思うのです。

垣花正 あなたとハッピー!
FM93AM1242 ニッポン放送 月-金 8:00-11:30

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