人は不幸を味わうほど、人の痛みに敏感になれるもの 【瀬戸内寂聴「今日を生きるための言葉」】 第20回

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聖書のなかに「復習するはわれにあり」ということばがあります。

わたしはこのことばを「自業自得」とおきかえて、自分を納得させてきました。

自分で選んだことには自分で責任をとれ、という解釈です。

わたしが切羽つまったところに追いつめられ、身も世もない嘆きに投げこまれたとき、救い出してくれたものは、人の慰めでも同情でも励ましでもありません。

「自業自得」という、わたし流の御題目でした。

瀬戸内寂聴

瀬戸内寂聴プロフィール

撮影:斉藤ユーリ


出典:『生きる言葉 あなたへ』光文社文庫