それゆけ!ドーナツ盤万博

光GENJIはなぜローラースケートを履き、あのメンバーが選ばれたのか?

第24回 「それゆけ!“リアル”ドーナツ盤万博」その1〜光GENJI編〜  

最近、ますます加熱するアナログ盤ブーム。そしてシングル盤が「ドーナツ盤」でリリースされていた時代=昭和の楽曲に注目する平成世代も増えています。
子供の頃から歌謡曲にどっぷり浸かって育ち、部屋がドーナツ盤で溢れている構成作家・チャッピー加藤(昭和42年生)と、昭和の歌謡曲にインスパイアされた活動で注目のアーティスト・相澤瞬(昭和62年生)が、ターンテーブルでドーナツ盤を聴きながら、昭和の歌謡曲の妖しい魅力について語り合います。

今回は、昨年9月23日に神田「音STAGE」で行われた公開イベント「それゆけ!“リアル”ドーナツ盤万博」の模様をお届けします。


(2人、ステージに着席)

チャ)どうも〜! チャッピー加藤でーす!

相澤)こんばんは、相澤瞬でーす! チャッピーさん、ついにこの日が来ましたね!

チャ)連載始めたときから「いつか公開イベントをやろう!」って言ってたもんね。夢が叶ったじゃん!

相澤)しかも、こんなにたくさんの方に来ていただいて、嬉しい限りです! 

チャ)ホント、ありがたいよね〜。きょうはライヴと2部構成になってますんで、そちらがお目当てのお客さんも多いと思うんですが……「ドーナツ盤万博、読んでるよー」という方、ちょっと手を挙げてもらえますか?

(3、4人手挙げる)

相澤)え! そのイベントなのに…!?(笑)

チャ)……瞬くん、モノは考えようだよ(笑)。きょうのお客さんって「ご新規さん」ばかりってことでしょ? 読者増やすチャンスじゃん!

相澤)よーし! 前向きにいきましょう!(笑)

チャ)いつもは、このターンテーブルでドーナツ盤をバンバン聴きながら、2人で好き勝手しゃべってるんですけど、きょうも同じスタイルでいきますよ!……あれ? そういえばもう1人、ゲストが来るんじゃなかったっけ?

相澤)そうなんですよ! きょうは、僕が普段からいろいろとお世話になっているアーティストのタカハシヒョウリさんも加わって、3人でお送りするはずだったんですが……。

チャ)だよね?……まさか、オレだけ見えてないとか?

相澤)まだ来てないです(笑)。じつは先ほど、ヒョウリさんからLINEが来まして、諸事情あって入りが遅れるそうで、いま向かってるそうです!……スターは遅れて登場する、ってことですね!

チャ)了解! じゃ、それまで2人であっためときますか。


■ピュアな心が生んだ傑作

チャ)……で、瞬くん、きょうのテーマは?

相澤)「ドキッ! 昭和を彩った男性アイドルスペシャル」ということで、3組の男性アーティストについて、あれこれトークしていきたいと思います。まずは、連載の1回目でも取り上げたこのアーティストから!

チャ)「光GENJI」ね。最初に取り上げたら、当時のファンからけっこう反響があって、ビックリしたなあ。「私、かーくん(諸星和己)と結婚するつもりだったの!」って言う40代の女性、今もたくさんいるもんね。

相澤)ほんとに社会現象だったんですね!

チャ)そう、1988年のオリコン年間売り上げトップ3は、ぜんぶ光GENJIだから。しかし瞬くん、この『パラダイス銀河』、好きだよね〜。ライヴで必ず歌ってるじゃん?

相澤)そうなんですよ! この曲が出た88年3月って、僕はまだ生まれたばかりだったんですけど、メチャクチャ影響受けてます!

チャ)オレは大学生だったな〜。あらためて聴いてみよう。

(♪ターンテーブルで演奏)

チャ)いや〜、何度聴いても心洗われるわ〜。また汚れちまった心が清められたですよ。

相澤)僕は、昭和の歌謡曲というと、サウンドが整ってきてる70〜80年代の曲が好きなんですけど、この曲はカンペキです! 無条件で楽しくなりますよね! 

チャ)この曲が出た1988年(昭和63年)は、実質的に昭和最後の年。つまり昭和は光GENJIで終わり、平成は光GENJIで始まったんだよな〜。

相澤)僕は『速報!歌の大辞テン』(日テレ)のVTRで、初めて『パラダイス銀河』を聴いたんですけど、チャッピーさんはリアルタイムですよね? 初めて観たとき、どう思いました?

チャ)「ローラースケートを履いて歌うって、ナニごと?」ってひっくり返ったよ。さすがジャニーズ、向こうのミュージカルでは既にやってたことだけど、それを歌謡曲の分野でやっちゃうんだもんね。

相澤)それとこの曲、連載第1回でも言いましたけど、ネヴァーランド感が半端ないですよね。

チャ)それはやっぱり、この曲を書いた飛鳥涼さんの「純粋さ」に依るところが大きいよね。それを見抜いて発注したジャニーさんの勝利ですよ。

相澤)飛鳥さんが、自分が歌う曲ではなかなか前面に出せなかった「純粋さ」を、アイドルのフィルターを通して出したのがこの曲だと思います。それを、当時いちばんキラキラしてた光GENJIに歌ってもらうことで、ピュアな部分がより際立ったというか。

チャ)それ、同感だなぁ。……あ、そうだ! 話がカブるのもなんだから、連載第1回のときにしなかった話をしよう。……オレ、昔1回だけ飛鳥さんと仕事したことあって。

相澤)エッ! それいま、初めて聞きました!

チャ)オレもいま思い出したから(笑)。ニッポン放送で、毎回1アーティストが出演して、自分が影響を受けた曲のリストと思い入れを語りながら、曲をかけてく番組があってね。

相澤)その番組の、飛鳥さんの回を、チャッピーさんが担当したと?

チャ)そう。独り喋りの番組なんで、思い入れをたっぷり語ってもらわないと大変なことになるんだけど、飛鳥さんって、こちらが想像してた以上に無口な方でねェ……。

相澤)わお……。そういうときって、どうするんですか?

チャ)どうもこうも、どうにかするんだよ(笑)。ディレクターとオレがスタジオに入って、2人がかりで飛鳥さんに質問を浴びせまくったんだけど、なんせ無駄口は一切叩かない人だから。……いや〜、いい冷汗かいた(笑)。

相澤)でも、なんとか番組にしたんですね。

チャ)ディレクターさんが頑張ってくれました。……これ、後日談があって、飛鳥さんがピンでラジオに出る話を聞いたチャゲさんが、「えー、アイツ、独りじゃ全然喋んないよ。よく呼んだね〜」って、先に言ってよ!(笑)

相澤)でも、僭越ながらそういうところにも、飛鳥さんの「純粋さ」を感じますね。ご自分の好きな曲に関して、余計なことは一切言いたくないっていう。

チャ)あー、そうかも。飛鳥さんの選んだ曲って、シニード・オコナーとか、純粋に音楽と向き合ってるUKのアーティストがリストに並んでて、そこはすごく納得したな。

相澤)『パラダイス銀河』って、そういう純なアーティストが好きな飛鳥さんが、自分の奥底にある「純な思い」を、純なままぶつけた曲なのかもしれないですね。


■光GENJI結成秘話

(♪ターンテーブルで『ガラスの十代』をプレイ)

チャ)ついでにもう一つ、前にしなかった話をしようか。これもラジオ絡みだけど、光GENJIってどうやって結成されたのか、っていうエピソードを、元メンバーに電話で伺ったことがあって。

相澤)へ〜! 結成にどんないきさつがあったんですか? 聞きたい!

チャ)ある日突然、ジャニーズJr.のメンバーが何十人か集められて、「後楽園にローラースケートの練習場があるから、毎日通うように」って言われたんだって。

相澤)それは、ローラースケートを履いて踊るグループを作る、と言われたんですか?

チャ)いや、ただ「練習しなさい」だけ。目的を告げないから、そのうちみんな嫌になってきて、どんどん脱落してくわけですよ。

相澤)当然、そうなりますよね。

チャ)で、メンバーが数人になったとき、ジャニーさんから「ユーたち、明日からGENJIね!」って言われたんだって。そこに「光」の2人(内海光司・大沢樹生)が合流して、光GENJIになったと。

相澤)へ〜! ローラースケートの練習、途中でやめちゃったメンバーはかなーり後悔したんじゃないですか……?

チャ)これね、デビュー直結の話だっていうのを伏せてたのが重要で、ジャニーさんは「芸事に純粋な気持ちで取り組めるかどうか?」を見たかったんじゃないかなぁ。キーワードは「ピュア」ですよ。

相澤)いや〜、チャッピーさん、今回も貴重な話をありがとうございます! あ、いま、ヒョウリさんから近くまで来たというLINEが来ました!(笑)……もうすぐ到着するようです!

チャ)どんと来い!(笑)……じゃ、次はジュリーの話に行こうか!

……次回も、昨年秋に行われた「それゆけ!ドーナツ盤万博」スペシャルイベントの模様の「沢田研二編」を掲載します。お楽しみに!

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■今回の会場「MUSIC BAR 音STAGE」
 JR神田駅西口から徒歩30秒
 ステージ開放形式のミュージックバー
 各種楽器も完備 弾き語り・バンド演奏も可能
〒101-0047 東京都千代田区内神田3-7-4 香文堂ビルB1
営業時間:18:00~23:30(L.O.23:00)
定休日:日・祝日   TEL:03-3527-1909

http://www.onstage-kanda.com

【チャッピー加藤/Chappy Kato】

昭和42年(1967)生まれ。名古屋市出身。歌謡曲をこよなく愛する構成作家。好きな曲を発売当時のドーナツ盤で聴こうとコツコツ買い集めているうちに、いつの間にか部屋が中古レコード店状態に。みんなにも聴いてもらおうと、本業のかたわら、ターンテーブル片手に出張。歌謡DJ活動にも勤しむ。
好きなものは、ドラゴンズ、バカ映画、プリン、つけ麺、キジトラ猫。

【相澤瞬/Shun Aizawa】

昭和62年(1987)生まれ。千葉県出身。懐かしさと新しさを兼ね備えた中毒性のある楽曲を、類い稀なる唄声で届けるシンガーソングライター。どこまでもポップなソロ活動、ニューウェーヴな歌謡曲を奏でる「プラグラムハッチ」、 昭和歌謡曲のカバーバンド「ニュー昭和万博」など幅広く活動。
好きなものは、昭和歌謡、特撮、温泉、うどん、ポメラニアン。

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