G20で日本は何をするべきか

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ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」(1月18日放送)に外交評論家・キヤノングローバル戦略研究所研究主幹の宮家邦彦が出演。6月に大阪で開催されるG20サミットについて解説した。

第3回G20首脳会合の出席者(G20 – Wikipediaより)

G20が始動

6月に大阪で開催されるのは日本が初の議長国を務めるG20の首脳会議。これが注目されているが、G20主要20ヶ国地域の財務相・中央銀行総裁代理会議が昨日都内で開かれ、経済分野の議論が実質的にスタートしている。

飯田)6月にG20サミットが頂点を迎えるのですが、それ以外にもいろいろな会議があるのですね。

宮家)各省庁で関係大臣の会合があって、外務大臣もあり、それで首脳会議という形になっています。日本中いろいろなところでやるわけです。それは地方も含めて脚光を浴びることができるので良いチャンスですよね。

飯田)今回は財務相・中央銀行総裁の代理会議。これは経済分野をやるということです。


「国際経済秩序や国際協調といった価値が危機に瀕している」ことを発信する

宮家)そうですね、代理があって次が蔵相会議ということになるのでしょうけれど。もともとはG7しかなかった。昔は全世界のGDPの相当部分をG7が占めていたのが、だんだん小さくなってしまった。それでいわゆるBRICsと言われる新興国が増えてきた。G8にしたけれどロシアが入ったらまた変になってしまったので、もう全部入れてしまえということで、別にG20を作った。初めは経済の構造が変化してしまったところを、どうやってバランスを取るかといろいろ知恵を絞ったものです。だけどいまは状況が随分変わってしまって、BRICsの勢いも昔ほどは無くなってきた。成熟してきたということでしょう。
もっと大事なことは、アメリカがそもそも自由貿易やらなくなりそうな、変な雰囲気になっているわけです。島国で、資源が無い日本は、加工で付加価値を付けて貿易をするしかないのですから、自由貿易がいちばん良いに決まっています。だけどその同盟国であるアメリカがどうも変なこと言っている。そうするとG20を議長としてやる場合にいちばん大事なことは、開かれた自由な貿易システム、もしくは開かれた国際システムというものを念頭に置いて、トランプさんが口が裂けても言わないようなことを堂々と言うことです。
麻生さんが言った「国際経済秩序や国際協調といった価値は危機に瀕している」、こういうことを発信するということは非常に大事なことだと思います。絶好のチャンスです。トランプさんに対しても、自由貿易の価値というものが再認識されなくてはいけないのだ、ということを伝える必要があるだろうと。それをやるのが日本だと思います。

飯田)確かに貿易だとか自由貿易について言うと、今年は局面が変わるところがあります。2月には日欧のEPAがいよいよ発行する。TPPもイレブンという形で動き出します。

宮家)もしかしたらイギリス入るか入らないかという議論すらあるぐらいですからね。

飯田)アメリカとの間もTAGと呼ばれる交渉が始まるのが今年です。ちょっと延びているようですが。

宮家)しかしそれもよく考えてみると、本来はWTOがあるわけです。WTOで世界共通のルールを作ってきたわけです。でも、中国が入って、途上国としての特権だとか言って例外を認めさせた上に、WTOというのは基本的に全会一致でないと物事が決まらないのだけれど、中国が全部反対するものだから機能しなくなってしまった。
それで、いろいろな自由貿易協定をやらざるを得ない。FTAをやらなくてはいけない。その一環として各地でいろいろな協定が出てきますが、それは本来あるべき姿では無いのです。かと言ってG20でWTOの本来の姿に戻すことまではできないのだけれども。
やはりWTOの基本的な考え方は、どこかで松明を維持していかないといけない。でないとバラバラになってしまいます。第二次大戦前の世界のようにブロック経済になってしまう。そうならないためにも、やるべきことをやるチャンスだろうと思います。

飯田浩司のOK! Cozy up!
FM93AM1242ニッポン放送 月-金 6:00-8:00

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