森永卓郎による2019年経済大予想~5月がピークであとは真っ逆さま

「垣花正 あなたとハッピー!」(1月16日放送)に経済アナリストの森永卓郎が出演。夏の参議院選挙、10月の消費税造成、そして来年には東京オリンピックを控える今年の経済予想について解説した。


米中貿易摩擦

今年の経済の行方を世界経済の動きということで、「米・中貿易摩擦」、そしてと国内の動きで「消費税10%」。この2つを軸に話を進めて行きます。

昨年の12月にファーウェイという中国の通信機器大手の孟晩舟(もうばんしゅう)副会長が、カナダで身柄を拘束されました。現在、身柄はカナダにありますが、トランプ大統領はアメリカへ引き渡せと圧力をかけています。一方、因果関係は明らかではないのですが、カナダ人が覚せい剤の密輸に関わったとして中国で逮捕されていました。高裁では懲役15年だったのですが、なんと死刑判決が出ています。中国の法制度を適用しただけだと言っていますが、なぜ懲役15年が死刑になるのかということはよくわかりません。
一説によると、この孟晩舟副会長を「アメリカに手渡すな」という遠回しの圧力ではないかということです
ファーウェイの副会長の拘束容疑、イランに通信機器を輸出した経済制裁に反したというのが表向きの理由ですが、このファーウェイの通信機器に秘密のプログラムがあって、通信機器を使っているとその情報が中国に全部送られているのではないか、また、このファーウェイは直接通信サービスはやっていませんが、世界各国で通信設備を作るときにそのコンサルティングが入っている。そこから情報を盗んでいるのではないかと、アメリカは非難しているのです。
アメリカ政府は否定していますが、アメリカもエシュロンというシステムで世界中の通信を傍受していると言われています。

ファーウェイ問題~5Gを制する企業が自動運転を制する

大国同士が情報戦をやっているのは間違いないことですが、ただ、なぜこのファーウェイをアメリカが目の敵にしているのか。いちばん大きな理由は5Gという通信技術があります。これは超高速通信ができる最新の通信方式です。この5Gがなぜ重要かと言うと、これから車が自動運転していきますが、自動運転モードになったときに、飛び出してくるとか、事故があったときにすぐに止めないといけない。高速で走っているので、すぐにブレーキをかけないと間に合わない。そのために通信速度が速くなくてはならない。5Gを制する企業が自動運転を支配するのです。

米中の貿易戦争の道連れになる日本

このファーウェイは通信端末の分野ではアップルを抜いて世界のシェア2位まで来ています。しかも破竹の勢いで成長しているので、世界トップが目に見えている。
トランプ大統領の本音は中国に対してそういう「最先端分野に出てくるんじゃねえ」「中国は家電製品とか家具とかおもちゃとか、日曜生活品を労働集約型で作る、そこに留まれ」「アメリカが得意とする先端産業に入って来るんじゃない」です。
一方中国は「メイド・イン・チャイナ2025」という計画を作っていて、これまでの労働集約産業はもうやめよう。ロボットとかAIを使って最先端分野で勝負をかけるんだというのが中国政府の基本方針です。
両国の思惑が思いっきりバッティングするわけです。事務方で交渉は続けられていますが、これが解決するはずがない。根っこのところで対立していますから。
アメリカは「もうファーウェイの端末を使うな」言って政府関係機関も含めて、使用中止しました。そこで中国は「だったらもうアップル使わない、iPhone使わない」と言って、iPhoneの売り上げが中国で一気に落ちています。焦った中国のアップルは売れないから、中国国内でiPhoneたたき売りセールを始め、3割引きくらいで売られています。その影響でアップルの利益見通しが大きく下方修正されて、昨年12月ドーンとアメリカの株価が落ちて日本も巻き込まれました。このまま交渉がまとまらないと、アメリカは4月から中国への制裁関税をさらに拡大する。そうするとアメリカの物価が上がってしまう。そして、アメリカ経済が減速するだろうということです。
日本がいちばん輸出している国は中国です。その次がアメリカです。この両国が喧嘩して両国が落ちると、日本が道連れになるということは明らかです。

10月消費税増税~5月のGWをピークに日本経済は落ちて行く

景気のピークが5月だと思うのは、4月末から5月に10連休があります。ここは昭和から平成になったときには天皇陛下が亡くなったので自粛ムードでした。ところが今回はそんなことないので、私の予想はこの10連休は国民はめちゃくちゃはしゃぐと思います。もうすでに海外旅行の予約は例年の3倍です。国内の飛行機・新幹線も観光地もとてつもない混雑になります。ここで大きくと消費が出る。ここが、ろうそくが消える前の燃え上がりです。この10連休が今年最後の盛り上がりになるのだと思います。

期待できるのは「新元号セール」のみ

昭和から平成に変ったときにはカレンダーを作り直すとか、情報システムのプログラムを直すという需要が発生したのですが、いまはカレンダーの擦り直しは西暦で印刷されているので、ほぼないと思います。コンピューターのプログラムも平成になったときに痛い目に逢ったので、私が知る限り、コンピューターの内部で元号で年次を管理しているプログラムはもうないと思います。ですので、新元号になってありうるのは、GWのときにあるであろう「新元号セール」にはみんな乗ると思います。ここでは盛り上がるでしょうけれど、そのセールの効果は先にはないので、5月からは真っ逆さまになると言うわけです。

消費税増税は延期されるか

そんななかで10月消費税を増税すると、私はデフレに戻ってしまうと思います。ただ、私は上がる可能性は3割くらいだと思います。直前でこれを延期することによって安倍総理の支持率が上がって、衆参同日選挙というのがいちばんありうるのではないでしょうか。10%に上げたとしても税収5兆円増えるわけです。だけど、教育の無償化等で2兆円使うわけです。それから軽減税率の導入で1兆円使い、さらにプレミアム商品券とかポイント還元とか景気対策で2兆円使うので合計5兆円使うことになります。プラスマイナス0で、なんの財政効果もない。…では上げて欲しくないという国民の世論が高まって来たところで「消費税凍結だ」というのがあり得るのかなと思います。

2021年、日本経済が奇跡の復活

景気循環の上でも今年は悪いのです。いろいろな要因があって、5月以降、よくなる要因は一つもないのです。ただ、暗い話では終わらせません。
私は2021年から日本経済は奇跡の復活を果たすと思っています。オリンピックの翌年から力強い景気回復になる。それはどういう根拠かというと、トランプ大統領ではなくなるからですね。誰と変わっても私はよくなると思います。再選の可能性はないわけではありませんが、そこまでアメリカ人はバカではないと私は思います。

 

垣花正 あなたとハッピー!
FM93AM1242 ニッポン放送 月-金 8:00-11:30

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