須田慎一郎が選ぶ2018年を揺るがせた重大ニュース

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ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」(12月31日放送)にジャーナリストの須田慎一郎が出演。2018年を揺るがせた重大ニュースについて解説した。

須田慎一郎が選ぶ2018年を揺るがせた重大ニュース

 
国内の政局、外交、経済、社会事件。今年もめまぐるしく世間を騒がせたニュースの中から、須田慎一郎が重大だと感じたのはどの出来事だったのか、解説した。

 

 

飯田)早速須田さんが選ぶ2018年を揺るがせた重大ニュース、一つ目をお願いします。

須田)二つ選びました。まず一つ目は米中貿易戦争勃発。これはただ単純に貿易という狭い範囲に限定した話、関税を掛ける掛けないという話ではなく、そののちに連動する形で起きた5Gを巡るファーウェイの孟氏の逮捕に絡んでの話だと思います。ここ近年最先端技術に於いてもアメリカに追いつき追い越せということでドンドン進めてきたんですが、ただその実態はどうでしょう、中国側は否定するんでしょうけど、おそらく多くの人たちはアメリカから不当な、不正な形で技術であるとか先端技術をドンドン盗み取ったからだと言われている。ですからここ7年くらいの傾向を調べると、アメリカの政府機関が議会に上げたものによると、過去7年間に起こった産業スパイ事件のうち、8割が中国がらみだった、こういう報告書が上がっているんです。その辺から考えても、もう証拠は上がったと、アメリカは本気になって、ですからトランプさんがどうのこうのではなく、アメリカというひとつの国家組織が中国を敵とみなして仕掛けたというのが今年だったのではないかと思います。

飯田)外交関係者が指摘するのは、今まではスパイが得た情報は国家の中でやることはあっても、それを民間企業におろして作らせるなんてことはしてこなかった。でも中国という国はその辺も仁義なくやってくるんだ、許せねぇと怒っているひともいます。

須田)なおかつ、そういったトラブルが起こっても、トラブルを解消するための組織、ルールがないんです。ノールールの中でそういったことが行われているのがアメリカとすれば許しがたい状況になってしまっているんだと思います。先ほど飯田さんから、中国だって大量の米国債を持っているんだから、それが売りに出されればアメリカだって大きなダメージを被るのではないかという指摘がありました。ただこれは貿易黒字の結果としての米国債の保有なんです。米国債と言ってもお金を持っている、ドルを持っているんだと認識してもらっていいと思います。結果的にその米国債を売るということはドル売りになる。つまりドル安・人民元高になる。人民元高になって今の中国はもつんですか?いうのが1点。
もう1点は、じゃぁドルを売るのはいいよ、それを何に替えるの?次の通貨としては?という問題があります。ユーロだってそんなにキャパはないですから。売ったら何かに替えなきゃいけない。

飯田)確かにそうですね。代わるものがないわけですか。金でも買いますか?ということになる。

須田)そんなに大量の金があるのかどうかということにもなる。ですから国債を持っているからといって、それが中国にとって大きなアドバンテージになるかというと、必ずしもというか、全くそうではないということです。

飯田)保有している米国債を裏打ちにしてAIIB、アジアインフラ投資銀行を支えているという話もあります。そうすると米国債を売ると、そのあたりの信用力まで一緒に失ってしまう可能性も出てしまいますよね。

須田)なおかつAIIBというのは、ドルによる融資が基本ですから、ドルの調達のためには米国債も持っていなければならないというところもあるんです。

飯田)そうすると、結構基軸通貨を持っている旨味というのは、計り知れないものがあるんですね。

須田)大きいです。

飯田)二つ選んで頂いています。もうひとつは?

須田)日産ゴーン会長の逮捕ということですけど、これはどういうことかというと、日産がルノーがどうのこうのではないんです。日本最強の捜査機関と言われた東京地検特捜部が新しい元号になってもその役割を果たしていけるのかどうか、ということです。
取り調べの可視化ということを受けて、東京地検特捜部は捜査が厳しくなってきた。その見返りとして司法取引というのが出てきました。今回のことははっきり申し上げて、東京地検特捜部よ、日産の下請けをやってそんなに嬉しいか?それが正義なのか?
本来であるならば日産は日産独自でゴーン会長を解任して、それを受けて東京地検特捜部が捜査を開始するんだったら分かる。捜査を開始したことを受けての解任って、これは順序が逆転しているんじゃないの?
その特捜部の捜査手法に対して、来年以降信任が得られるのかどうか。
もう一つのポイントだと思います。

飯田)かつては巨悪を眠らせないと言われて、みんな拍手喝采だった東京地検特捜部も含めて検察ですけど、このところは証拠の改ざん等が発覚して、平成の終わりにかかって信頼が落ちかかっていたところです。

須田)落ちかかるというか、落ちちゃったのね。

飯田)あの郵便不正に関しては、相当「おいおい!」という話になっていました。二つのニュースを須田さんに選んで頂きました。米中貿易戦争がそのまま冷戦に突入するのか。そして日産カルロス・ゴーン会長逮捕というところでした。

 

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