災害対策の重要性~変わりゆく災害とどう闘うか

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ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」(12月27日放送)にジャーナリストの鈴木哲夫が出演。2018年発生した土砂災害について解説した。

災害対策の重要性~変わりゆく災害とどう闘うか

西日本豪雨から3ヶ月 小田川の支流、末政川の決壊箇所 提供産経新聞

 

これまでに最も多かった2018年の土砂災害

国土交通省は、2018年に発生した崖崩れや地滑りなどの土砂災害は、茨城、栃木、東京を除く44の道府県で3,451件に上ったと発表した。これは集計を始めた1982年以降で最も多い数字となる。

飯田)確かにこの土砂崩れや地滑り、2018年はこの見出しをよく目にしました。

鈴木)2018年の漢字は災害の「災」でしたよね。災害でも今年は質が変わってきているのだな、ということを感じました。いままでの災害は地震や台風で、これまでの経験則やイメージがありました。異常気象が原因と言われていますが、今年の豪雨は並みの降り方ではなかった。猛暑で40度を超えるなんて、誰が想像したでしょう。突風が吹いたり、台風の進路は普通西から東に来るものが、いきなり逆に行きました。これによって、風の吹き方などのいままでの考え方が全て変わるわけです。
土砂災害というのは基本的に雨の量ですよね。異常なくらい雨が多くなって、そうすると地盤が緩んできます。土砂災害に対しての政治は本当に遅れていると思います。2010年に広島で土砂災害がありました。あの災害はいろいろな教訓を残したのです。当時、広島では数百ヵ所が同じように危険だというデータが出ていました。でも人が住んでいるとかいろいろなことがあって手を打てない。お金もかかります。
そんなことをやっているうちに、結局被害が出て亡くなる人が出てきてしまった。
国土強靭化という公共事業があります。お金のかかる公共事業はどうなのか、という議論もありますが、こと災害に関してはペースを早めても良いくらいだと思うし、手を打たなくてはいけないと思います。

お金をかけて事前の災害対策を

飯田)備えられる部分がたくさんあり、砂防ダムの話も指摘されています。今年の豪雨で言うと、岡山県の川の合流地点が、合流した後で蛇行していてリスクが高いと言われていて、付け替える計画はあったのだけれど予算が付かなかったので実行に移されていませんでした。

鈴木)倉敷だけではないのです。国交省が調査していて、全国に同じような川はたくさんあって、しかも小規模で溢れてはいないけれど、大雨があれば同じようなことが起きているのです。

飯田)本流のかさが増したために、支流から流れ込めずに戻ってしまう現象です。

鈴木)既に起きているのだけれど、溢れて大騒ぎになっていません。これをしっかり統計を取って対応しようという動きになっていないものだから、今回のように一気に被害が出てしまうわけです。災害というのは有事と同じで、自然災害という敵が人命を奪いに来るわけだから、そういう気持ちで最大のテーマとして政治はやって欲しいのです。

飯田)起こってしまった後の被害が甚大だというのを、これほど目の当たりしたわけですよ。どれだけ経済的にも響くかがわかったわけです。備えておくことで当然お金はかかりますけれど、長い目で見たら結果コストカットになる可能性が高いわけですね。

鈴木)安全保障という考え方で取り組むべきでしょうね。

 

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