前ソフトバンク・五十嵐 失われていない自信を古巣ヤクルトで

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話題のアスリートの隠された物語を探る「スポーツアナザーストーリー」。本日は、ヤクルトが獲得に向け調査を開始した、前ソフトバンク・五十嵐亮太投手のエピソードを取り上げる。

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【プロ野球ソフトバンク対楽天】投球するソフトバンク・五十嵐亮太=ヤフオクドーム=2018年8月16日 写真提供:産経新聞社

ヤクルト時代、石井弘寿・現1軍投手コーチとともに、剛速球コンビ「ロケットボーイズ」として名を馳せた五十嵐亮太。2009年に海外FA権を行使して、憧れのメジャーに移籍。メッツ・ブルージェイズ・ヤンキースを渡り歩き、13年よりソフトバンクへ移籍。日本球界復帰を果たします。

ソフトバンクには6年間在籍。14年には、守護神サファテにつなぐセットアッパーとして活躍し、日本一に貢献しました。この年含め、6年間で4度の日本一を経験。

今季は椎間板ヘルニアの影響で出遅れ、23試合に登板しましたが0勝1敗、防御率4.50と低迷。若返りを図るチームの方針で、先月、戦力外通告を受けました。

来季は40歳を迎える五十嵐ですが、引退はせず、現役続行を希望。現在オファーを待っている状態ですが、25日、古巣・ヤクルトが獲得に向け調査を開始したことが判明。もし移籍が実現すれば、10年ぶりの古巣復帰となります。

今季、成績こそ振るいませんでしたが、最速150キロを記録するなどスピードは健在。ソフトバンクを戦力外になった際も、本人いわく、

「体は元気だし、僕自身投げたい。今年の悔しさや喜びを、来年に生かせる自信がある」

常に体のケアを怠らず、150キロ台の球速を維持している五十嵐。ソフトバンク時代も何度か故障や離脱を経験しましたが、その都度フォームの修正・改良に努めて来たことが、NPB通算777試合登板という鉄腕ぶりにつながっているのです。

「ある程度のリスクがあったとしても、リターンできるチャンスがあるのならトライすべき。失敗したとしても、次に取り返せばいい」

この柔軟性と、飽くなき探究心こそ、21年間プレーできている理由です。同級生でいまも現役を続けるピッチャーは、ヤクルトの石川雅規、阪神の能見篤史など、ごくわずかになって来ましたが、入念なケアのお陰で、まだまだ肉体は若い五十嵐。

現在、NPB時代も合わせると、通算860試合に登板しており、あと3シーズン、50試合以上に登板したら、今季引退した中日・岩瀬仁紀が樹立した偉大な記録・通算1002試合登板を上回る数字になります。

ヤクルトのリリーフ陣は若い投手が多く、また故障者が例年多いのが悩みのタネですが、五十嵐が加入すれば、調整法を含めて、若手のよき手本となることでしょう。今後の動向に注目です。

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