株価下落の理由~トランプ大統領の発言は間違ってはいない?

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ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」(12月26日放送)に数量政策学者の高橋洋一が出演。日経平均株価暴落の背景について解説した。

ムニューシン パウエル 議長 解任 FRB トランプ 日経平均株価 2万円 割る

2万円を割り込んだ日経平均株価を示す株価ボード=2018年12月25日、東京都中央区 写真提供:産経新聞社

トランプ・リスクを警戒、日経平均株価が2万円割れ

連休明けとなった昨日の東京株式市場は日経平均株価が急落し、およそ1年3カ月ぶりに2万円を割り込んで、終値は1万9,155円74銭となった。トランプ大統領の不安定な政権運営を危惧するいわゆるトランプ・リスクが警戒されている。

飯田)先週末と比べて1,010円45銭安の1万9,155円74銭。アメリカの相場ですが、きょうはクリスマスでお休みです。為替の方は動いているのですが、1ドル110円30銭付近で取引されています。こちらも円高水準に少し行っているというところです。この動きですが、言われているようなトランプさんのリスクということでしょうか?

高橋)12月の下落率を見ると、日本は2万2,000円から1万9,000円ということで、15パーセントくらい下がっています。アメリカのダウも、ほとんど同じ率です。そういう意味では、アメリカに並行して下がっているということです。トランプさんの立場で言えば、FRBがヘマをしているからこうなるんだ、自分のせいにするな、といった言い方なのでしょう。

飯田)利上げなんてしやがって、と。

高橋)もともとは不動産屋ですからね。不動産屋の感覚からすると、「何で利上げしているんだ」と思うでしょう。一方でFRBの方からすると、放っておくとインフレ率が高くなるという言い分があるのでしょう。失業率はそれほど下がらないし、予防的にやると言うのですが、考え方によってはいままで予防的にやりすぎたとも言えます。FRBのステートメントではなくて将来のフォーキャストというものがあって、15~6人がどのように今後の金利を考えているかの予想があるのですよ。それを見ると、9月と12月では大分違っています。はっきり言うとトランプさんの言っている方が正しいのですよ。トランプさんの言う将来の見通しに合わせて動いている感じもします。

飯田)トランプさんからしたら、景気が良くて何が悪いんだ、という話になるわけですね。

高橋)見通しとしては、こんなに利上げをしたら酷いことになると言っていたのだから、正しいのですよ。

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ジェローム・パウエル – Wikipediaより

日本の報道の「FRB議長解任はできない」は誤り

飯田)その余波もあってか、FRB議長解任をほのめかすということがあって、これを日本のメディアなんかは「解任できない」と言っています。

高橋)それは間違いですね。法律を読めば、解任できます。任命権があるところに解任権があるのは当たり前なのですよ。その法律の解釈として、トランプさんの自由にはできない、正当な理由が必要だというそれだけなのですよ。他のアメリカの独立機関なんかでも、実は正当な理由があれば解任できる規定なので、トランプさんの言っていることは間違いではなくて、日本のメディアが「できない」と書いたのですが、どこを見ればそうなるのか分かりません。
日本は解任のやり方が少し難しいのですけれどね。病気とか、そういったことでしかできないのです。

飯田)例えば、日銀総裁を政府の意向として解任しようとすると。

高橋)そういう場合はちょっとやりにくいのですけれど、アメリカの方は正当な理由さえあればできます。あとは、自分から辞める場合には何だって良いのですよ。

飯田)プレッシャーをかけるわけですね。

高橋)本人が「自分で辞めた」と言えば何の問題もないわけです。

飯田)自己都合だから仕方がないですものね。

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スティーブン・ムニューシン – Wikipediaより

財務長官の行動が不安を煽った?

高橋)このパウエルさんとムニューシン財務長官2人をクビにしたら凄いですよね。トランプさんからすると、ムニューシンさんが変なことをやっている感じはするのではないでしょうか。

飯田)大手金融機関を集めて電話会談をして、結局そのニュースが駆け回ったら不安を煽っちゃったという。

高橋)リーマンショック級かもしれないと思いますよね。どこかの金融機関が悪くて、だから電話したとみんな深読みしてしまいますよね。

飯田)月曜のこの番組がやっている最中に速報が入って来て、須田慎一郎さんと「これは予防的な措置だろう」という話をしていて「これは不安を煽っちゃいませんか」と話していたのですが、まさにそんな感じですか。

高橋)本当にそうかもしれませんね。リーマンショック級のものがなかにあって、正直にやったのかもしれませんが。

飯田)見解で言われているのは、トランプさんがいろいろ無茶なことをしているから市場が不安だとなっていますが、ひょっとしたらそういった構造的な問題を孕んでいるのかもしれませんね。

高橋)どこかの金融機関に問題があるのかもしれないな、とは思いますよね。これが終わった後に日銀と金融庁と財務省が会ったでしょう。

飯田)夜に。痛くない腹を探られてしまうようなところありますよね。

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日本の市場も消費増税を先読みで動く

高橋)市場ってそういうものの裏読みをするのですけれどね。実際に日本を考えれば消費税増税もやるのだから、そんなに先行きが明るくはならないですよね。株価というものは半年くらい先の経済状況を先読みする確率ってけっこうあるのですよ。

飯田)そうすると、2019年の6~7月を見ると。

高橋)ちょっと危うい。10月かもしれません。

飯田)消費税増税のタイミング。

高橋)そういうものはもう織り込まれている話なので、日本の株価の上を抑えている気もします。

飯田)メールやTwitterでいろいろ頂くのが、「消費増税、いよいよこうなったらやめた方が良いんじゃないですか?」ということです。

高橋)私には経済の話より、いまの極東アジアを取り巻く安全保障上のリスクとか災害リスクの方が大きいから、経済のリスクに上乗せしていると思いますよ。例えば、南海トラフ地震と首都直下型地震は、今後30年間で8割なのですよ。5年間に置き直すと1割以上なのです。単純計算すると、どちらかが起こる確率は2割あるわけです。2割と言うと、プロ野球では規定打者の1番下のレベルの打率です。レギュラーです。けっこうヒットを打つわけですよ。そのくらいの確率で安倍さんの任期中にあると考えると、増税しなくても5年の財政破綻確率は1パーセント未満ですからね。

飯田)そこと対比すると。

高橋)他のリスクが大き過ぎると思います。

飯田浩司のOK! Cozy up!
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