トランプ政権、今年3度目の政府機関閉鎖

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ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」(12月24日放送)に須田慎一郎(ジャーナリスト)が出演。アメリカの政府機関の一部閉鎖について解説した。

トランプ政権、今年3度目の政府機関閉鎖

日米のビジネスリーダーらを前にあいさつするトランプ米大統領 =6日、東京都港区の駐日米大使公邸  撮影日2017年11月06日 提供産経新聞

 

アメリカ議会は、トランプ大統領がメキシコとの国境に壁を建設する費用を盛り込むように強行に主張していることを受け、与野党が対立し、期限前に新たな予算案を可決できず、アメリカの政府機関の一部が閉鎖される事態となりました。閉鎖は6日以上続く見通しです。

飯田)今年3度目ということなんですが、今年2月以来ということですから、ある意味、今シーズンは初めての閉鎖ということになるのでしょうか?

須田)しかも記者団に対して、長期間の閉鎖にも備えているというようなことを言及しているということから考えて、今まででしたら政府機関閉鎖というのはあくまでショック療法でした。実際に閉鎖される、このままではいけないと、大統領府と議会、あるいは与野党が歩み寄るということが期待できたのですが、閉鎖というのを容認するというのもトランプさんらしいんですけど、これで本当に大丈夫なのか、心配です。

飯田)政府機能が停止してしまう、なんていうことは、日本では考えられないです。

須田)つまり予算が執行されないということですから、これから政府の機能不全がどんどん進んでいく、ということにつながりかねない。その影響が少ないところから閉鎖というところなんでしょうけど、果たして、歩み寄りが見えないところが一番怖い所なのではないかなと思います。
つまりトランプさんとしてはメキシコとの国境の壁を予算として認められなければ、ずーっと対立を続けるぞと。この主張はトランプさんにとって一丁目一番地みたいなものですから譲れません。しかしここは人権にもかかわって来るところですから、アメリカの民主党としても譲れないところ。解決の糸口が見えないところが一番怖い。

飯田)今回は本予算も揉めていますが、その前段のつなぎ予算ですらダメだったということになると、もうどうするつもり?って思います。

須田)今後、金融マーケットにどの程度影響を及ぼしてくるのかというところも注目なのかなと思います。

飯田)今回に関しては、市場も楽観視していて、あまりニュースにもならなかったのが、突然降ってわいたようになっていて、ショックのような形でダウも下がり続け、日経平均も下がっています。

須田)長期金利や米国債の価格がどうなっていくのかというのも注目です。現
時点での影響というのはさほど大きくないのかもしれませんが、間接的な影響を考えていくと見通しが立たないんです。これから一体何が起こるのか。何か大きな影響が出てくる可能性もあるし、まぁそれほど大きくない可能性もある。それが予見できないというところが一番大きなリスクではないかと思います。

飯田)これで年が明けると、この間の選挙の結果を反映して、議会の構成が変わります。下院は民主党が、上院は共和党。ねじれになります。

須田)移民の問題というのはアメリカ社会の根幹をなすところです。しかも人権に関して言うと、アメリカがこれまでこだわってきたところですから、これは安易に妥協はできない。オールオアナッシングという選択肢になってくるのかなぁと、そういった点でいうと、トランプさんはどう乗り切ることができるのか、その計算がついているのかどうかがひとつ大きなポイントではないかなと思います。

飯田)人権というところでいうと、年明けに下院のトップになる民主党のナンシー・ペロシさんというひとも厳しい意見で知られているので、トランプ政権とは組めるのではないかという話も一部ありました。でも国内問題でこれだけ揉めるか?と驚きです。

須田)アメリカの世論もどちらかというとトランプさんに対して批判的な数が多い。これが尾を引くことになると、次の大統領選挙に影響を及ぼしてくると思います。1年後には本格的な大統領選挙期間に入っていきますから、そのあたりにどう影響を及ぼすのか、そこも見通しがつかない。

飯田)それを睨んじゃうと、お互い引くことが出来ない。時間が経てば経つほど難しくなってきちゃう。

須田)そうですね、なおかつ次の大統領選挙の争点という事にもなるんじゃないかと思います。

 

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