よみがえる青春!快速「ムーンライトながら」~浜松駅「遠州の夢の夢ポーク弁当」(930円) 【ライター望月の駅弁膝栗毛】

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深夜のホームに停車するグリーンストライプの185系電車。
東京~伊豆を結ぶ特急「踊り子」など、首都圏ではおなじみの車両です。
昭和56(1981)年のデビューで、今年で35周年を迎えてまだまだ活躍中。
ただ、この日は「臨時快速」と書かれたヘッドマークを掲げての運行。
さあ、この列車とは?

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臨時の夜行快速列車「ムーンライトながら」大垣行。
この夏も学生たちが夏休みを迎えた7/22から8/20過ぎにかけて運行されました。
元々は、平成8(1996)年まで運行されていた通称「大垣夜行」がルーツ。
東海道線沿線にお住まいの方の中には、帰りが遅くなって大垣行に当たり、寝過ごして名古屋のほうまで行ってしまったという人もいると思います。
20年前から全車指定の快速「ムーンライトながら」となり、平成21(2009)年からは春・夏・冬の長期休暇の時期を中心に運行される臨時列車となっています。

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快速「ムーンライトながら」は東京を23:10に出ると、品川・横浜・小田原・沼津・静岡・浜松・名古屋・岐阜に停まり、終点・大垣には翌朝5:50着。
途中の浜松では深夜2:46~3:16まで「30分間」停車し、多くの高速貨物列車を先に通します。

この「ムーンライトながら」に重宝な乗車券として知られるのが、JR線の普通・快速列車が乗り放題となる「青春18きっぷ」。
1枚のきっぷを5回(あるいは5人同一行程で1回などグループ利用も可)出来て11,850円、1回あたり「2,370円」相当、この夏は8/31まで発売、9/10まで利用可能。
1回1日限り有効、列車が日付をまたぐ場合は、日付が変わって最初に停まる駅まで有効。(大都市では終電まで有効)

「ムーンライトながら」は小田原で日付が変わりますので、東京~小田原間を通常の乗車券で乗り、小田原以遠で「青春18きっぷ」を使うのが一般的です。
大垣から西へ乗り継ぐと、その日のうちに熊本・八代辺りまで行けますので、小田原~熊本(八代)間が「2,370円」(+指定席券520円)で行ける計算となります。

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快速「ムーンライトながら」には、残念ながら車内販売はありません。
かつての「大垣夜行」は静岡駅で「東海軒」の幕の内弁当が売られていましたが、浜松駅弁の「自笑亭」もこの時間はお休み中。
乗車の際は事前に食事、入浴などを済ませ、車内には飲み物を持ち込んでおくのが賢明。
治安面などから車内の減光はされないので、最近はアイマスクなどを持参する人も多いようです。
座席はリクライニングしますが横にはなれないので、朝には体がアイタタタ・・・なんてことも。

でも、この朝の「気だるさ」こそ、夜行列車の醍醐味!
40代の体には堪えますが、気分は夢に満ち溢れていた”青春時代”が甦って来そうです。

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多くの人が”夢の中”にいる丑三つ時に「ムーンライトながら」は浜松駅に停車。
浜松&夢つながりでご紹介したい浜松「自笑亭」の駅弁は、牛じゃなくて豚の駅弁。
去年(2015年)から販売されている「遠州の夢の夢ポーク弁当」(930円)です。
「遠州夢の夢ポーク」は浜松市の畜産業者が手がけたブランド豚のこと。
脂が軽くて甘みがあり、もたれない肉質が特徴なんだそうです。

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焼き上げた豚肉なのに、冷めても豚しゃぶみたいに柔らかい!
その秘密は、どうやら「酒粕」にある様子。
浜松市浜北区にある「花の舞酒造」の酒粕をベースにした味噌だれを塗って焼き上げたとのこと。
これに自笑亭の「うなぎのタレ」を隠し味として使用、白いご飯にもタレをしみこませています。
とてもユニークな味わいの豚肉駅弁です。

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「ムーンライトながら」の終点・大垣では、3分の待ち合わせで普通列車・米原(まいばら)行が接続します。
以前は10両編成の列車から短い編成に乗り換えるため混み合ったのですが、今季はJR東海の311系電車・8両編成となり混雑も緩和。
米原でも2分待ちで敦賀始発の新快速に乗り継いで、京都に7:30前後、大阪にも8:00前後に着くことが出来ます。
宿代をケチって列車で夜を明かし、鈍行をひたすら乗り継いだ若き日の懐かしい旅。
残念ながらこの夏の運行は終わってしまいましたが、久しぶりに夢がいっぱい詰まった青春時代が甦ってきたような「ムーンライトながら」の一夜でありました。

(取材・文:望月崇史)

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