ソフトバンク東証一部上場も、株価は下落スタート~次の一手に関わるトランプ大統領との関係

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ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」(12月20日放送)に外交ジャーナリストの手嶋龍一が出演。ソフトバンクの上場と背景について解説した。

ソフトバンク 上場 ファーウェイ 孫正義 宮内謙 宮内社長 スマホ 携帯大手 トランプ

東証1部に上場し、セレモニーで記念撮影に臨むソフトバンクの宮内謙社長(中央左)ら同社関係者ら=2018年12月19日午前、東京都中央区の東京証券取引所 写真提供:産経新聞社

ソフトバンクが東証一部に上場

携帯電話大手のソフトバンクが昨日、東証一部に上場した。調達額はおよそ2兆6,000億円で、1987年のNTTの上場およそ2兆3,000億円を上回って国内最大となった。しかし、初値は一株あたり1,463円となり、売り出し価格の1,500円を2.5%下回った。

宮内ソフトバンク社長)残念ながら株価はですね、今回終わって少し下がりまして、このマーケットがどういう風に反応されたのかを本当に真摯に受け止めて、ここをスタート地点に、企業価値向上にどんどん取り組んでいきたいなという風に思っている次第であります。

飯田)ソフトバンクの宮内謙社長の言葉をお聴き頂きました。1,500円と言われていたのですが大分下がったということで、ここのところいろいろあって条件が良くなかったと言われています。

手嶋)久々の大型上場ですから、市場の関心も高かったと思います。孫さんとしては万全の態勢で臨んだのだと思いますが、意外な結果になりましたね。当然、株式市場の実況関係もあるのでしょうけれども、国際政局を見ているオブザーバーの立場から言うと、ソフトバンクをめぐる国際環境は厳しいものがあるなと改めて感じました。
このソフトバンクという巨大企業は、非常に短期間で企業価値を高めた代表的な日本の企業です。ソフトバンクがここまで大きくなった資金源はと言うと、つまるところ買収戦略によって大きくなった会社です。日本のヤフージャパンと中国のアリババ、共にサイバースペースによってビジネスをしているところになりますし、いま問題になっているファーウェイの機器も、アリババの場合は特に根幹のところにありますよね。
そういう点でも非常に面白いということになるのですが、このソフトバンクを率いる孫正義さんという大変ユニークな経営者は、実はアメリカのトランプ大統領と非常に親しい関係にあるのです。トランプさんが大統領に就任して、ホワイトハウスに入る前に会った世界の要人は2人だけなのですが、それが安倍総理と孫正義さんです。45分くらいの会談だと言われるのですけれど、トランプタワーから降りて来たときに、互いに肩を抱き合って「100年の友だ」と言いましたよね。それもそのはず、孫さんはこれからトランプ政権のアメリカに少なくとも5兆円の投資をするというカードを切りました。その主要な資金の1つがサウジアラビア系の政府ファンドです。アリババを1つの基礎にして、しかもサウジアラビアまでということになりましたけれども、いまそのサウジアラビアが大きく揺れている。しかも、中国とアメリカは米中衝突と言われるような関係になって来ている。いままで孫さんは大胆にアメリカに布石を打ち、中国にもサウジアラビアにも打ったのですが、その地合いがかなり厳しいものになっていると申し上げられると思います。

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ファーウェイのショップ=2018年12月9日、中国・深圳(共同) 写真提供:共同通信社

通信機器と通信会社は、いまや安全保障と密接に関わる

飯田)こうなって来ると、次の一手をどうするか。しかもソフトバンクは子会社のスプリントというアメリカの携帯各社を持っていて、ここがTモバイルと合併するということが一部政府機関から承認が出たみたいな報道もあったりして、これはアメリカにシフトして行くのでしょうか?

手嶋)このスプリントというものは大変重要で、孫・トランプ会談の主要な隠れたテーマはその点にあります。以前のオバマ政権は、孫さんが場合によってスプリントを売却したりすることは、中国の影響力が強まるかもしれないのでいけないと言っていました。通信機器メーカーとメガキャリアという通信会社は安全保障そのものなのです。恐らく、孫さんとしてはスプリントを直ちに売却するかは別にして、売却のフリーハンドは得たいと思っていたのですけれど、トランプ政権とならば、ということで5兆円の協力を背景にしながら話し合いを進めていました。その大きな戦略にも狂いが生じていると。ファーウェイなどのインターネットを通じたビジネスが、最終的には国家の安全保障にリンクしているということですね。

飯田)情報を扱うというところ、これがどんどんと重要性を増して行って、いまや一企業の意思決定で左右するようなものではなくなって来ているということですね。

手嶋)日本も、単に政府系の調達でファーウェイ機器を使わないという程度で、トランプ政権が「はい、よろしいですよ」と言うかどうかということになると、甘いと言わざるを得ません。

飯田浩司のOK! Cozy up!
FM93AM1242ニッポン放送 月-金 6:00-8:00

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