ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」（12月18日放送）にジャーナリストの長谷川幸洋が出演。ゴーン容疑者の後任の会長選出を見送った日産自動車の今後について解説した。

日産自動車、後任の会長の選出を見送り

西川日産社長兼CEO）私がですね、いつまでに決めてくれとかあまり急かすつもりはありません。仮に、それが3月末まで決まらなくてもいいかな、という風には思っております。

昨日の夜行われた、日産自動車西川廣人社長兼CEOの会見の模様。昨日、日産自動車は取締役会で、当初目指していたカルロス・ゴーン容疑者の後任となる会長の選出を見送った。

飯田）西川社長が言及していたのは、日産のなかに作るガバナンス改善特別委員会、その結論が3月末まで後ろに倒れても構わない。そこで会長の人事や、社内全体のガバナンスのあり方そのものを見直すということを、社外から人を呼んでやるのだと昨日発表したようです。

長谷川）ルノー側は、臨時株主総会を早く開けと言っているようです。私は、ガバナンスのことも含めて、筋論から言えば株主総会かなと思います。一連の今回の騒動で、株主が意見を言う場がいままで設定されていないのですよ。ゴーンさんがいろいろなひどいことをやっていたということが今朝も報道されていますが。

飯田）確定報酬は覚書だったということですね。

三菱自動車岡崎製作所と隣接する研究開発拠点を初めて視察するカルロス・ゴーン会長＝2017年5月19日 愛知県岡崎市　写真提供：時事通信

日産は株主総会を開いて一連の騒動の説明をするべき

長谷川）そういうものが出て来るわけですけれども、そういうことを許して来た取締役会がある。それは西川社長兼CEOの責任でもあるわけです。そこのところはどうなっているのだということは、株主がいちばん聞きたい。だからその議論をするには、株主総会を開くというのが私はいちばんいいと思います。

飯田）この問題が発覚した当初から長谷川さんは言及されていましたが、司法取引があったから、刑事責任はないことになっているのですよね。

長谷川）ないことになっていますが、司法取引の話と、株主から見た刑事に対する責任問題は別ですから。そこはゴーン氏の独走を許した現経営陣の責任も含めて議論をはっきりさせないと、次の体制をどうするかという話には進まないと思いますね。

飯田）ゴーン氏が座っていたCEO、会長というポストに権限が集中していたことも含めて、社外取締役の数が少ないとか、その辺のある意味ガバナンスの異様さみたいなものをどこまで是正できるかというところですよね。

長谷川）単に日産がルノーの株を買い増しすればいいという話ではない。それについても株主はどのように考えるかですよね。

飯田）株主の方は、利益の最大化を考えたら、ルノーと一緒になっていた方がいいと考える人だっているかもしれない。

長谷川）そもそも、日産が倒れかけたときに手を差し伸べてくれたのはルノーだったわけでしょう。それがいま逆流しているような感じですけれど、そこも含めて、株主が言いたいことを言える場を時間無制限でやったらいいと思います。

飯田）この日産に関してのメールをいただいています。千葉県船橋市の46歳、ラジオネーム“けいちゃん”さん。「日産の新会長を決める前に、ルノーとの今後の関係について決めるのが先だと思います」と。長谷川さん、個人的なご意見でいいのですが、日産とルノーの関係性というものは、今後どうなって行くべきなのでしょうか？

長谷川）私は確かに、かつて助けてくれたのはルノー側だけれど、企業は生き物ですから絶えず力関係も変わります。現在の日産とルノーの力関係を反映したようなバランスのある株主構成にしないと、結局連合しても、効果が発揮されないのではないでしょうか。喧嘩状態で上手くいくわけがない。現状の技術力と資本力、あるいは販売力に見合ったかたちにするのが良いと思います。

飯田）日産の社内からすると、「俺たちが稼いでいるのにルノーに持って行かれて」という不満がかなりあったようです。一方でルノーは15％をフランス政府が持っている。

長谷川）そこがややこしいですよね。

飯田）フランスでは政治が絡んで来てしまう。

長谷川）15％も持つなんて、日本だと考えにくいですよね。

飯田浩司のOK! Cozy up！
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