モンゴルとの外交~日本の狙いは対中、対北戦略へ向けての連携

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ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」(12月14日放送)に国際政治学者の高橋和夫が出演。日本の外交におけるモンゴルの存在について解説した。

ウランバートル モンゴル オフナー・フレルスフ モンゴル所掌 来日 安倍 会談

モンゴルのフレルスフ首相(左)との会談前に握手する安倍晋三首相=2018年12月13日午後、首相官邸 写真提供:時事通信

モンゴルの「オフナー・フレルスフ」首相が来日

オフナー・フレルスフ氏は、現モンゴル首相。現在50歳の男性で、ウランバートル市出身。このフレルスフ首相がいま来日しており、昨日、安倍総理と総理官邸で初めて会談した。このなかで、両首脳はモンゴルが今年で北朝鮮と国交樹立70年を迎える伝統的な友好国であることも踏まえて、拉致問題の早期解決に向けて引き続き緊密に連携して行くことで一致した。

飯田)横田めぐみさんのお嬢さんとされる人と、横田早紀江さん、滋さん夫妻が会ったのもウランバートルだったはずです。伝統的に、ここはかなり密接な関係なのですか?

高橋)旧共産圏ですよね。ある意味ソ連の衛星国だったので、ソ連が力を入れて作った北朝鮮という国と非常に親密なところがありますよね。
日本のモンゴル外交は、もちろん北朝鮮の拉致問題もあるのですが、伝統的には中国という大きくなって来る国と付き合って行くなかで、中国の周りの国とお友達になって行こうというものの1つです。中央アジアにも日本は大変な経済援助をしていますし、モンゴルも日本の対中外交の一環という布石だと思います。

飯田)海の方からというのはよく言われていることですが、陸の方からもシルクロードを通って、ということですね。

高橋)まさか「対中包囲網外交」とは呼べないので、「シルクロード外交」という柔らかな表現を使っているのですが、意図はそうですよね。

ウランバートル モンゴル オフナー・フレルスフ モンゴル所掌 来日 安倍 会談

ウランバートル市街(ウランバートル – Wikipediaより)

日本とは違う他国からのモンゴルに対するイメージ

飯田)日本人からすると、モンゴル人は「力士」というイメージがあるからなんとなく強そうだし、気は優しくて力持ちのイメージなのですが、世界のイメージとしてはどうなのですか?

高橋)世界から見ると、実はモンゴルが強かった時代に征服された国が多いので、モンゴル人のイメージはあまり明るいものではないのです。例えばイランなどは、パーティーで食べる物が無くなったりするじゃないですか。そうすると、「モンゴルの襲撃みたいだな」と言うのですよね。日本人は元寇を博多湾で食い止めたので、モンゴルに対してネガティブなイメージは印象が無いのです。しかし、征服された国々は全然違いますよね。

飯田)あれって12~13世紀くらいですよね。モンゴル人の大進出、チンギス・ハーンの時代ですね。

高橋)モンゴル人に皆殺しにされた村や町はたくさん残っていますし、イランなどでひげの薄い人がいたら「お前の祖先はモンゴルの血が混じっているだろう」と褒め言葉ではない言い方をします。あまり良いイメージは持っていないのですが、日本人はモンゴル大好きなので、それは悪いことではないと思います。九州場所でモンゴル人のお相撲さんが頑張っているのを見ると、「結局博多湾に上陸しちゃったなあ」なんて思って見ています。

飯田)確かに海の目の前だし。世界史を勉強すると凄い叛徒(はんと)だったことは分かりますけれど、いまだに根強く残っているのですね。

高橋)第二次大戦でドイツがポーランドを制圧したときに、けっこう残虐だったというので、イギリスのチャーチル首相が「モンゴルのヨーロッパ侵入以来の残虐さだ」と表現していて、それにヨーロッパの人々はピンと来るので、あまりポジティブなイメージではないのですよね。

飯田浩司のOK! Cozy up!
FM93AM1242ニッポン放送 月-金 6:00-8:00

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