復帰した巨人・原監督に不可欠な亀井の役割 

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話題のアスリートの隠された物語を探る「スポーツアナザーストーリー」。本日は、3日の契約更改で自己最高額を勝ち取った、巨人・亀井善行選手のエピソードを取り上げる。

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【プロ野球巨人】契約更改を済ませ会見する巨人・亀井善行=2018年12月3日 東京・大手町 写真提供:産経新聞社

「キャンプ、開幕と2軍スタートで、終わってみれば規定打席にいけた。こんなふうにいけるとは予想していなかった。後半はバテてしまったけど、前半は貢献できたかなと思う」

プロ野球選手の契約更改が進むなか、3日に、1,800万円アップの年俸7,000万円でサインしたのが巨人のベテラン・亀井です。

プロ14年目・36歳の今シーズンは、123試合に出場し、2009年以来9年ぶり2度目の規定打席に到達。ホームランは13本と、これも9年前の25本以来、久々の2ケタに乗せました。前半戦は持ち前の勝負強いバッティングで存在感を示し、おととしと並ぶ自己最高額を勝ち取ったのです。

今シーズンは、開幕2軍からのスタートだった亀井。しかし、すぐにお呼びが掛かります。陽岱鋼の離脱で4月5日に1軍昇格。長野ら外野陣の調子が奮わなかったこともあって、亀井がスタメン起用されるケースも増えました。

4月29日のヤクルト戦では、7回、同点の場面で勝ち越しの2点タイムリー二塁打を放ち、7連勝に貢献。チームを上昇ムードに乗せたことも。

「脇役として、与えられたところで仕事をしないといけない」

他球団から移籍してきたスター選手が顔を並べる巨人ですが、彼らが主役になれるのも、亀井のようにサブに徹するプレーヤーがいるからこそ。開幕早々、外野に欠員ができたとき、高橋由伸前監督が亀井を呼んだのは、「ここぞという場面でチームを救ってくれる」と全幅の信頼を置いていたからなのです。

一方、亀井も、高橋前監督のことを尊敬。入団時に、高橋前監督の「24」の次の番号をください、と自ら希望して背番号「25」をつけたほどです(その後「35」→「9」に変更)。

その高橋前監督も、1度も優勝を経験しないまま、今年限りで退任。亀井も「監督を男にできなかった」という無念さを感じているはず。

復帰した原監督は、亀井にとってプロ2年目の2006年、開幕スタメンに抜擢してくれた恩師でもあります。09年にはシーズン途中から、3番・小笠原、4番・ラミレスの後の5番を任され、リーグ3連覇に貢献。みごと期待に応えてみせました。

また守っては、外野手では12球団屈指と言われる強肩は健在で、今シーズンも補殺7(外野からの送球でランナーを刺した数)を記録。広島からFAで丸が加入したため、外野の競争はますます激しくなることが予想されますが、更改後の会見で、亀井は来季への抱負について、こんなふうに語りました。

「37歳になる年なので、自分のことをしっかりやって、コツコツ仕事ができるように。若い人をしっかりサポートしていきたいと思います」

5年ぶりのV奪回に燃える原監督にとって、亀井は欠かせないパーツの1つ。生え抜き代表として、来季どんな活躍を見せてくれるのか、15年目の亀井に注目です。

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