アメリカがイランに経済制裁発動~今後は経済力で中東に影響力を行使

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ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」(11月5日放送)にジャーナリストの須田慎一郎が出演。アメリカがイランに対して経済制裁を行う理由を解説した。

イラン 経済制裁 トランプ エルドアン 中間選挙 ロウハニ 大統領 トルコ 中東

テヘラン – Wikipediaより

アメリカはきょう5日から対イラン経済制裁を全面発動

トランプ政権はきょう、原油取引禁止を含めた対イラン経済制裁を全面的に発動する。歳入のおよそ6割を原油輸出で得ているイランは追いつめられるのが確実であり、トランプ大統領は、締め上げられたイランのロウハニ政権を、新しい枠組みの交渉に引きずり出す筋書きを描いていると思われる。

飯田)もともと8月には民間航空機などの貿易禁止は行っていましたが、原油はまだそこにかかっていなかった。それを11月5日から制裁発動ですね。

須田)現実問題としてアメリカは準輸出国になっていますから、特段大きな影響を受けないということで制裁に踏み切ったのだと思います。だから、イランと原油取引していたり、過去に実績があって今後取引が予想される国に対しては、8カ国限定ですが対象にしていないのでしょう。とはいえ、制裁を強めたのは間違いないと思います。

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ハサン・ロウハーニー – Wikipediaより

中東地域から米軍が撤退~影響力行使のために経済制裁に

須田)ポイントとしては、まず大前提としてイランの核開発疑惑に関してアメリカが強硬に出ているのですが、一方で中東の不安定要因というか対立構造のなかに、イランがビッグプレーヤーとして存在感をどんどん増していることに対する、アメリカ側の牽制が大きく含まれていると思います。これまでは米軍が実力的に、物理的に中東地域に出ていたのが一般的ですが、そこを退くということになりましたから。
すると、軍事力に頼らずにどうやって影響力を行使していくか。やはり基軸通貨(ドル)を持っていることがとても大きな意味合いを持ち、このような経済制裁が大きな効果をもたらします。アメリカはこれから、実力行使というよりも経済制裁に出ます。圧倒的経済力を持っている国力を背景に、プレッシャーをかけるスタイルを今後も行うと思います。

飯田)対中国や対北朝鮮も同じスタンスですからね。

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選挙集会で演説する米国のトランプ大統領=2018年10月22日、アメリカ・ヒューストン 写真提供:時事通信

中間選挙に向けてのアピールではなく国家戦略としてイランと対峙している

飯田)一方でイランの経済制裁について、「中間選挙に向けてのアピールだ」という指摘もありますが、どうですか?

須田)そうではありません。中間選挙が意識される以前から、イランのカードは、かなり有効なカードとして使ってきた経緯があります。だから、中間選挙を意識しているという点では、メキシコの国境地帯に押し寄せている、7,000人と言われている難民に関しては政治的に利用している形跡がありますが、イランは国家戦略として対峙していると考えていいと思います。

飯田)同盟国のイスラエルなども含めて「あまりちょっかいを出すな」というアピールもあるわけですね。

須田)イランに対するカウンター勢力として、サウジアラビアという存在があったのですが、ここに来てカショギ記者殺害などのさまざまな問題があり、サウジアラビアが動くに動けない状況になっているのも、アメリカが強硬姿勢を取り始めた1つの要因だと思います。

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ダボス会議(2009年)で席を立つエルドアン。左から3つ目の席に座るのはシモン・ペレス(レジェップ・タイイップ・エルドアン – Wikipediaより)

アメリカと融和ムードになりつつあるトルコ

飯田)イランに対して強硬姿勢ですが、正反対にトルコとは、お互いに制裁解除したり、少し近づく構えを見せつつありますよね。

須田)もともとトルコは親米で、アメリカと親密な関係を結んでいました。トルコの役割は、対イランだけでなく対ロシアです。ロシアのエネルギー戦略と完全にリンクしている側面があります。私はアメリカはトルコと決定的に対立姿勢はとれないと思っていました。しかし、エルドアン政権がかなり過激なことを始めたため、アメリカとしても一定の制裁を加えなければならなかったのでしょう。いずれ宥和する方向に向かうと思います。

飯田)最後に中間選挙について質問です。「下院も共和党が巻き返しそう」という話が出ていますね。

須田)かなり猛烈な勢いで盛り返しつつあるのが実態です。場合によっては上下院ともに、共和党が過半数を抑える可能性が高くなって来たと思います。これは日本国内の見方としては圧倒的少数派ですが、「高くなって来た」と言うより「過半数を抑える」と見ています。

飯田)「下院は民主党がとって、『ねじれ』になる」と報じられていますが、そうも言っていられない感じですか?

須田)アメリカの世論調査はあまり信憑性がおけないのです。隠れトランプ派がかなりいて、「心情的にはトランプ支持」という人が多い。これがどういう結果を出すのか見極めがつきません。だから、私はそこを多めに見たのです。

飯田)中間選挙は現地時間で11月6日に投開票です。水曜、木曜日にいろいろ結果が出ます。

飯田浩司のOK! Cozy up!
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