横田空域1部解放へ~有事を想定してコンピューター制御にするべき

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ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」(11月5日放送)にジャーナリストの須田慎一郎が出演。首都圏上空にもかかわらず、アメリカが管制権を持つ「横田空域」について解説した。

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米軍横田基地(東京都福生市など)は3日、沖縄県以外に初めて配備された輸送機オスプレイを報道陣に公開した。同基地に1日から正式配備されているCV22オスプレイ5機は、米空軍第353特殊作戦群に所属。部隊長のバックリー・コズラウスキー少佐は「われわれは安全を最優先に任務が遂行できるよう高い技術を持っている」と強調した=2018年10月3日、東京・米軍横田基地 写真提供:時事通信

羽田着陸の新ルート~アメリカ軍横田基地が認める見通し

東京・埼玉・神奈川など1都8県の上空における一定の高度の空間は、アメリカ軍横田基地が管制権を持つ、いわゆる「横田空域」のため、羽田空港に離着陸する飛行機は、これまでは自由に飛べず不便を強いられてきたが、1部旅客機の管制を日本側が行うことで合意する見通しとなった。条件付ながら、羽田の国際線発着枠を広げる悲願が叶うことになる。

飯田)横田空域。1都8県の上空2,400~7,000メートルの空間ですね。アメリカ軍が地位協定にもとづいて管制を行っています。それで羽田は窮屈だった。

須田)言ってみれば、戦後の異物みたいなものです。GHQが日本を管理していたときの名残と考えてもいい。首都圏上空にかなりのスペースで横田空域があり、管制ができない。原則として「日本の民間機の上空通過が認められていない」という、外国のような状況になっていたわけです。
現在の羽田空港には4つ滑走路があり、国際線も元に戻って来ましたが、それではなかなか「スロット」と呼ばれる、離着陸数が増えていかない。滑走路を増やすだけでは限界に達していた。それでもニーズはどんどん高まっている状況。なおかつ、羽田は事実上24時間空港なのです。昼間の時間帯にこれ以上満席で飛ばせない状況で、さらに増やすためには横田空域の開放が必要でした。

ロサンゼルス上空のように横田空域もコンピューター制御にするべき

須田)この問題については、かつて石原慎太郎元知事が、管制権だけでなく「横田空域の返還」を求めたのですが、頑として聞く耳持たなかった状況がありました。ようやくその悲願が達成できるのです。
ただ、考えてみると、例えば前に取材に行ったアメリカ西海岸(ロサンゼルス上空)は、軍民共用の空域なのです。ロサンゼルス空港も軍民共用で、結果的に空域もそうなる。だから、共同管制をやっています。日常的には民間機が飛んでいるのですが、有事でスクランブルがかかると、民間機がサッと空域から退いて軍用機が優先して飛んでいくような管制が敷かれています。これは管制塔から音声でやり取りするのはリスクが高いため、ほとんどがコンピューター制御なのです。そのような仕組みを導入すれば、アメリカ国内ですらそれをやっているのだから、横田空域はもっと上手く活用できると思います。
横田空域の返還をやる場合は、またいろいろ手続きが難しい部分があります。日米合同委員会での了解が必要になって来る。それも考えると、現実性をすぐには欠く状況です。だとすれば、やはりアメリカ方式も考えてみるべきだと思います。

飯田)これだけ技術が進んでいる。70年前とはまるで違うわけですからね。

須田)「アメリカがやっていることが、なぜ日本でできないのか」というところを考える必要があります。日米安保という頸木(くびき)があるのだから、やはり横田空域の存在も認めていかなければいけないかもしれない。ただ、「管理・管制の点では軍民共用でもいいのでは?」という提案も必要になって来ると思います。

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