日インドが2プラス2新設~安倍総理がインドを大切にする理由

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ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」(10月30日放送)にジャーナリストの有本香が出演。日印首脳会談について解説した。

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山中湖を背に、インドのモディ首相(左)と談笑する安倍首相=2018年10月28日午後、山梨県山中湖村 写真提供:共同通信社

日本インド首脳会談

安倍総理大臣は昨日、インドのモディ首相と総理官邸で首脳会談を行った。中国の海洋進出を念頭に、自由で開かれたインド太平洋の実現に向け、両国の外務・防衛閣僚協議(2プラス2)の設置など、安全保障分野の協力を強化して行くことで合意した。

飯田)それ以外にも第三国におけるインフラ投資、AIなど最先端技術の共同研究。それから円借款も、高速鉄道などを行う。

有本)これこそがラブラブ。蜜月という感じですよね。でもこのモディ首相だけではなく、安倍外交におけるインドの重要性というのは極めて高い。第1次政権のときに、第1次安倍政権は1年で短命に終わりましたが、終わる直前に行ったのがインドです。
そこから続くのですが、このときの演説というのは名演説でした。消費税の話だとか外国人労働者の受け入れはまったく評価できませんが、安倍さんの外交はいろいろな意味で評価に値すると思っています。総理自体が第2次政権以降もインドには何回か行っています。去年の9月にモディさんの地元、アーメダバードに行って、10キロ近い沿道を人が埋めるなか、パレードまでしました。その返礼として、今回ご自分の別荘に招いたのです。外国の首脳を自分の別荘に招くのは初めてのことです。

飯田)そうでした。

岸信介からつながる安倍外交におけるインドの重要性

有本)インドが安倍外交のなかで1つのキーの国になっているのはなぜかと言うと、安倍総理のおじいさんにあたる岸信介さんが初めて外遊したのが、確かインドでした。敗戦国である日本の存在を認めた、最初の国の1つがインドでした。

飯田)ほお。

有本)さらに、東京裁判のときのパール判事ですね。日本無罪と言ったこのパール判事のご親族にも、第1次政権のときに会いに行っています。日本が戦後新たにもう1度スタートを切る上でも、インドは非常に重要な国だった。
もう1つは、第1次政権のときにインドに行った際、2つの海の交わりという、太平洋とインド洋はこれから2つの海が繋がって行くのだという演説をしている。これがその名演説なのですが、いまのアメリカ軍の言葉にも出てくる「インド太平洋」という言葉の元になっているのです。

飯田)太平洋軍がインド太平洋軍に変わりましたね。

インドとのこれまでの積み重ねが2プラス2に結び付いている

有本)2007年のときに向こうに行って、総理がインドの国会で演説をしています。そのときはマンモハン・シン首相でした。シンさんのスピーチライターだった側近の人が、「このときの安倍演説は本当に素晴らしかった」と言っていました。当時インドの海軍の人たちは、それをすごく言っていたのですって。つまりインド洋と太平洋というものを繋げて考えなきゃいけない、ということを言っていたのだけれど、インドの政治家でさえもそういう戦略的なイメージを持っていなかったのに、日本の首相の口からそんな言葉が出てきたことに非常に驚いたと。
その後、セキュリティダイヤモンドと言って、インドと日本とオーストラリアとアメリカ。この4つを繋いでセキュリティ、安全保障のプランを作ろうというものです。これは要するに対中国ですよね。そして第2次政権がスタートしてからの6年間は、中国に行かない6年間だった。そのなかでインドの首脳と非常に密に、首脳会談や首脳交流をして来ました。その結果が2プラス2に結びついていると、こういうことなのですね。

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