スポーツアナザーストーリー

広島・ジョンソン メジャー復帰の誘いを蹴って広島に残った理由

話題のアスリートの隠された物語を探る「スポーツアナザーストーリー」。本日は、28日の日本シリーズ第2戦で好投、チームを勝利に導いた、広島カープ、クリス・ジョンソン投手にまつわるエピソードを取り上げる。

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【プロ野球日本シリーズ広島対ソフトバンク第2戦】投球する広島のクリス・ジョンソン=2018年10月28日 マツダスタジアム 写真提供:産経新聞社

「本当にきょうは、“KJ”のおかげです!」

昨日28日、マツダスタジアムで行われた、日本シリーズ第2戦。お立ち台に上がった主砲・鈴木誠也が讃えたのが、その横にいたジョンソン(Kris Johnson)でした。

いつもは指名打者のデスパイネを、DH制が使えないためレフトで起用するなど、超攻撃的な打線を組んできたソフトバンク。その強力打線を、抜群のコントロールと、緩急を使った見事なピッチングで翻弄。7回を1失点に抑え、チームの勝利に貢献したのです。

「きょうもイシ(=石原)がいいリードをしてくれて、自分はただ、彼のミットに目がけてボールを投げるだけだった」

いつも石原とバッテリーを組むことが多いジョンソン。勝った際にはよく「石原のリードのおかげ」とコメントしていますが、この日はコントロールが冴えに冴え、ほとんど石原が構えたところにビシッと決めていました。7回こそ疲れが出て3安打を許しましたが、6回まではわずか1安打。石原が、敵の主砲・柳田を徹底したインコース攻めで封じることができたのも、要求したところへ正確に投げられる制球力があってこそで、石原から言えば「クリスのおかげ」なのです。

お立ち台では、鈴木の右肩に手を回して、仲のいいところを見せましたが、今シーズンで来日4年目。すっかりチームに溶け込んでいるのは、ジョンソン自身が「ニッポン大好き」だから。それもそのはず、父方の祖母が日本人で、つまり彼はクオーターなのです。子どもの頃におばあちゃんから、日本みやげの「サムライ人形」をもらったことも。

カープ入団が決まったとき、

「僕のなかには日本の血が入っている。その意識はある。いつか日本でプレーしたかったし、それが叶ったのはうれしい」

とコメント。「おばあちゃんの祖国で、末永く活躍したい」というのがジョンソンの夢で、それが勝利への原動力になっているのです。メジャー復帰の誘いを蹴って、カープとの契約延長を即決したのも、ジョンソンにとっては「当然のこと」でした。

そして来日1年目、慣れない異国での生活を支えたのが、愛妻・カーリン夫人です。当時はまだ婚約者でしたが、来日してジョンソンと一緒に生活。夫人も日本が大好きで、休日は揃って日本各地の名所を巡り、2ショットをSNSにアップして、カープファンの間で話題になったことも。それがジョンソンにとっては、いい気分転換になりました。

そんな内助の功もあって、1年目に14勝、2年目に15勝を挙げカープ初優勝に貢献、外国人では52年ぶりの沢村賞受賞、という好成績につながったのです。

そのカーリン夫人、5月にアメリカで第一子となる女の子を出産。パパになったジョンソンですが、今シーズンは来日3度目の2ケタ勝利(11勝)を挙げて、リーグ3連覇に貢献。もちろん、目指すは34年ぶりの日本一です。第6戦あたりで2度目の登板が予定されており、再びホークス打線を牛耳ってチームを頂点に導けるのか?「KJ」のピッチングに注目です。

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