サッカー日本代表・南野 フォルランから「なぜパスをよこさない?」と詰め寄られた際に放った言葉

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話題のアスリートの隠された物語を探る「スポーツアナザーストーリー」。本日は16日のウルグアイ戦で2ゴールを決め、サッカー日本代表の新司令塔に名乗りを挙げた、南野拓実にまつわるエピソードを取り上げる。

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ウルグアイに勝利し、長友と抱き合って喜ぶ南野=2018年10月16日 埼玉スタジアム 写真提供:共同通信社

サッカー日本代表は、16日に行われた国際親善試合で、FIFAランク5位の強豪・ウルグアイ代表と対戦。激しい点の取り合いの末、4—3で勝って、森保一監督は初陣から3連勝を飾りました。W杯ロシア大会で8強のウルグアイは、ほぼベストメンバーだっただけに、日本の着実な進化を示す1勝となりました。

この勝利に大きく貢献したのが、MF・南野拓実(23歳、ザルツブルク)です。前半10分、中島翔哉(ポルティモネンセ)からのパスを受けると、ペナルティーエリア内でシュート。ボールはGKの足に当たってからネットを揺らし、先制ゴール! これで南野は、代表で初ゴールを挙げてから3試合連続のゴールとなりました。Jリーグ発足後では、2015年の岡崎慎司以来3人目の快挙です。

その後、ウルグアイに2度追い付かれた日本ですが、「半端ないって」の大迫勇也(ブレーメン)と、東京五輪代表世代の20歳・堂安律(フローニンゲン)が相次いでゴールを決め、3—2とリード。

追加点の欲しい後半21分、堂安が放ったシュートのこぼれ球に素早く反応し、4点目を奪ったのが南野でした。その後も追いすがるウルグアイを、4—3で振り切った日本。南野の2ゴールが大きくものを言ったのです。試合後、南野は、

「チームの勝利に貢献できて、素直にうれしいです。きょう2ゴールできたことは自分にとって自信になる。アジア杯までのサバイバルのなかで、監督にアピールできたのはよかった」。

また先制ゴールについて、

「(中島)翔哉があそこで右足でボールを持ったときは狙っていた。ターンからシュートはイメージ通りスムーズにできた」

と、2016年リオ五輪でともに戦った中島とのコンビネーションを強調。さらに、

「(気持ちは)いつも通りでした。相手が強いのはわかっていたけど、だからって気負うことはないし」

と言ってのけたのです。

今回大活躍した南野・中島・堂安の若手トリオは、本田圭佑・香川真司・岡崎慎司の「ビッグ3」に代わって、日本代表の未来を担う「新ビッグ3」と呼ばれています。

とくに南野は、代表戦3戦4発の固め打ちで、一躍トップ下の香川を脅かす存在になりましたが、

「まだ早いし、次選ばれることに集中したいし。先のことはあんまりしゃべりたくない。また結果を残さないと代表はない」

と、あくまで謙虚。しかし、負けん気は誰よりも強いのです。

南野がセレッソ大阪に在籍していた2014年、W杯南アフリカ大会でMVPに輝いたフォルラン(元ウルグアイ代表)とチームメイトでした。パスを出さずに自らシュートを打つと「なぜパスをよこさない?」と詰め寄られることもありましたが、物怖じせず「うるさい!」とにらみ返したと言います。

「W杯を戦ったメンバーにすごいリスペクトがある。とはいえ、そのメンバーを脅かす存在になって行かないといけない」

という南野。新司令塔候補の、さらなる進化に期待です。

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