スポーツアナザーストーリー

巨人・菅野 リリーフ登板でチームメイトに向けた熱い気持ち

話題のアスリートの隠された物語を探る「スポーツアナザーストーリー」。本日は9日に5年ぶりのリリーフ登板を果たした巨人のエース・菅野智之にまつわるエピソードを取り上げる。

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【プロ野球阪神対巨人】9回から登板する巨人・菅野智之=2018年10月9日 甲子園球場 写真提供:産経新聞社

9日、甲子園球場で行われた、阪神−巨人戦。巨人のレギュラーシーズン最終戦でもあり、勝てば今季3位と、クライマックスシリーズ(CS)出場が決まる重要なゲームでした。もし負けると、DeNAが10日の阪神戦に勝った場合、4位に転落。CS出場もなくなり、すでに退任を表明している高橋由伸監督の「ラストゲーム」になってしまう可能性があったからです。「絶対に勝って、自力でCS出場を決める」……それがジャイアンツナインの合言葉でした。

試合は、阪神も意地を見せ、7回に4-4と同点に追い付かれるシーンもありましたが、7回・8回に、若き主砲・岡本和真が2打席連続ホームランを放ったのが効いて、9−4で巨人が勝利。2年ぶりのCS進出を決め、高橋監督もポストシーズンで“延長戦”の采配をふるえることになりました。

そしてこの試合を締めくくったのが、エース・菅野でした。119球を投げ、今季8度目の完封勝利を挙げてから中4日でしたが、負けられない最終戦、状況によってはリリーフ登板もということで、この日はブルペンに待機していたのです。

最終回は5点リードしていたため、無理して投げる状況ではありませんでしたが、あえてマウンドに立った菅野。ルーキーイヤーの2011年以来、実に5年ぶり、自身2度目の救援登板でしたが、前回はCSに向けた調整のため。これが実質、プロ初のリリーフでした。

「行く準備は、前回登板を終えたときからしていた」

という菅野。打者3人に12球を投げ、うち6球が150キロ超えという気合満点のピッチングを披露。最後のバッター・原口を152キロのストレートでセカンドフライに打ち取ると、右拳を強く握り、今季202イニング目をみごと3者凡退で締めくくってみせました。

考えてみれば、今季開幕戦のマウンドに立っていたのは菅野で、最終戦で最後にマウンドにいたのも菅野。このリリーフ登板は、チームメイトに「これからは総力戦で行くぞ!」とハッパをかける意味もあったのです。

昨年の秋、高橋監督から「来年の開幕戦は菅野で行く」と、異例の早さで開幕投手に指名された菅野。それはチームの顔として、ジャイアンツを引っ張って行ってほしいという指揮官の願いも込められていたのです。菅野もその思いに応え、シーズン中、若手に自ら声を掛けたり、チーム一丸のムード作りに務めて来ました。

残念ながら、4年ぶりのペナント奪回はなりませんでしたが、最終戦の勝利で、CS突破→日本一への可能性は残りました。そして勝ち続ける限り、高橋監督のラストゲームは先に延びることになります。菅野が、今オフに開催される日米野球への出場辞退を申し入れたのも、これからの戦いに全力投球したいという思いがあるからこそ。

「優勝を逃した瞬間から、CSに出る、とみんな同じ方向を向いてやって来たつもりです。そこに自分を頼ってもらえることはうれしいですし、しっかり形で恩返しできればなと思います」。

ポストシーズン、チームを引っ張るエース菅野の、獅子奮迅の活躍に注目です。

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