沖縄基地問題~「最低でも県外」に戻ってしまう難解をどう解決するか

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ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」(10月10日放送)に数量政策学者の高橋洋一が出演。沖縄の基地問題について解説した。

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8月に亡くなった翁長雄志前沖縄県知事をしのび、県民葬で献花を行う参列者=2018年10月9日、那覇市の県立武道館 写真提供:時事通信

翁長前沖縄県知事の県民葬に3,000人が参列

8月に亡くなった翁長雄志前沖縄県知事の県民葬が昨日那覇市で営まれた。翁長さんの後継として初当選した玉城デニー知事や菅義偉官房長官ら政府関係者など、およそ3,000人が参列。多くの県民とともに別れを惜しんだ。

玉城デニー知事)基地問題では辺野古に新基地を作らせないことを県政運営の柱に掲げ、埋め立て承認の取り消しなどあらゆる手法を駆使して自立と共生の沖縄を作り上げ、平和で豊かな、誇りある沖縄を託せるよう一丸となって努力し続けることを誓い申し上げ、式辞といたします。

菅官房長官)何としても変えていく、政府としてもできることはすべて行う。目に見える形で実現するという方針の下、基地負担の軽減に向けて1つ1つ確実に結果を出していく決意であります(安倍総理の追悼の言葉代読)。

飯田)沖縄県の普天間飛行場、この「返還」と、「基地負担の軽減」と、お二方が同じ単語を使うわけですけれども、その思いはなかなか一致はしない。

司法で決まっている以上、辺野古移転は変えられないという事実

高橋)辺野古問題はずっとやっていますよね。民主党のときに「最低でも県外」と言ったことと、同じような道にまた入って行くような感じがします。はっきり言うと司法で答えが出ているわけで、いくらあらゆる手段を使ってと言っても、行政ではなく、司法で裁かれて、移転は正当化されてしまっている。行政の人がどうやっても三権分立の下では無理だと言った話を、もう1度している。また「最低でも県外」という話に戻って来てしまうのではないかと思います。

飯田)そしてその間普天間は。

高橋)ずっと危険なまま。最悪で危険なまま放置されるという状況です。どこかで「最低でも県外」と言って換えられる場所があれば良いですが、無ければベストではないにしても、辺野古ということではないですかね。そちらの方が危険は少ないですよね。

高橋)アメリカ軍の東アジアにおけるプレゼンス、存在が抑止力になっているというところを考えると、そこに置かざるを得ないということがあるのでしょうか?

辺野古への移転が長引く間、普天間の危険は続く

高橋)そうですね、苦渋の選択としてそうなっているということです。それにずっと反対していても変化は無くて、もう行政でやれることは無いのです。それなのに「まだできるのではないか、できるのではないか」と言うことは果たして、普天間の危険を放置することと同じになるわけで、それが良いのかどうかということですよね。

飯田)このまま行くとまた袋小路に入ってしまうと。

高橋)入っても、司法で判断がされているので、実はもうやりようが無いのです。

中国の海洋進出等を考えると、現実的に沖縄に基地を置く以外選択肢がない

飯田)冷戦のときから、南シナ海や東シナ海を取り巻くプレイヤーが変わらずに来ている。台湾があるけれども、台湾には政治的にアメリカ軍の基地を置けない、そして中国が潜在的な脅威としてあって、朝鮮がある。この辺の力関係がドラスティックに変わらない限り残念ながら、沖縄に置く軍を変えることができないということでしょうか?

高橋)リアリズムで考えると、中国の海洋進出がより現実化しているので、沖縄の意味は軍事的に言えばより高まっているとしか言いようがないですね。

飯田)長期的に考えてアメリカ軍が引くタイミングは、そこがぽっかり真空区域として空くわけではないですよね。

高橋)それは中国の問題が出てきてしまいます。引くと言っても沖縄はどうするのかという話になるので、沖縄の人がそれを考えなくてはいけない。だから袋小路に陥らないよう、苦渋の選択をして辺野古と決めたわけですよね。その後それに不満があったという訴えが多いのですが、それは全部否定されて、司法的にはもう最高裁の判決まで出てしまったのですから。

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