尖閣諸島周辺にブイ設置~「抗議」と「交渉」を冷静に分けて中国と外交を

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ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」(10月4日放送)にジャーナリストの鈴木哲夫が出演。外交と安全保障をセットにした中国の交渉方法について解説した。

中国が尖閣諸島周辺にブイ設置

沖縄県尖閣諸島周辺の、日本の排他的経済水域内に中国がブイを設置したことが判明した。
菅官房長官は昨日午前の会見で、中国側に抗議したことを明らかにした。

飯田)中国が尖閣周辺にブイを1つ設置しました。東シナ海の、日中中間線の日本側でブイの存在が確認されたようです。菅長官は「外交ルートを通じて中国に抗議した」と述べました。

鈴木)法律上、やってはいけないことです。主権侵害ですね。中国は過去ずっと外交上の、いろいろな国際関係で、何か交渉が始まるという前に、必ずセットでやってきますよね。
つまり、「外交」と「安全保障」の2つの分野があるとすれば、経済や交渉などの話が出てくると、一方で必ず、軍事的なプレゼンスをセットして、交渉のなかで仕掛けてきます。今回もそれだと思います。

日米、日朝関係においても中国との外交は重要になってくる

飯田)「今月末くらいに総理は中国に行くかもしれない」と言われています。10月23日が日中平和友好条約から40年の節目ということもあります。

鈴木)これも早い段階から安倍さんは意思表示していました。日本にとっても、中国は安全保障ではなく、外交的なポイントになっています。米中貿易戦争が起きて、日本は仲介役か、もしくは中国と上手く関係を持つことによって、貸しを作り、利用することができる。
それから、北朝鮮と日本の関係を考えた場合、中国は影響力がありますから、何かに使えるかもしれない。そういう意味で、中国との外交は非常に重要になります。だからこそ、安倍総理は「中国とやる」と言っているわけです。
中国側も、「そういうことであれば」と、この辺で駆け引きをしてきた。だから、ブイについては「これはこれ」と毅然と抗議をするのです。これをセットでやろうとすると、外交上の話し合いもできなくなってしまいますから。政府としては分けての対応となるでしょう。

飯田)中国側は、むしろそれを渾然一体としてやろうとするわけですよね。

鈴木)常にそうです。日本側はある意味で真摯だから、「軍事的プレゼンスを日本がやって、それで外交交渉を行う」ということはしません。でも、向こうは仕掛けてくる。それに対して日本は「目には目を」ではなく、「抗議するべきところはする」です。

安倍政権は一貫したスタイルで中国に対応を続けてきた

鈴木)かつて安倍さんと1対1で話したときに、中国との関係について、「自分は政治家で思想家ではないから、是々非々なり、リアリズムを持って対応する」と言っていました。その意味では「抗議すべきはするし、使える部分は使う」で、外交をちゃんとやる。「二重にやっていく」と言っていました。安倍政権は中国に対しては一貫して対応していますよね。

飯田)第1次政権時代、戦略的互恵関係を打ち出しました。

鈴木)最初に安倍さんが外交に行ったのが中国で、みんな驚いたでしょう?

飯田)アメリカだと思っていましたからね。

鈴木)でも、それが戦略なのです。その意味では振り回されず、抗議する部分は抗議するし、外交で使えるべきは使う。冷静に使い分けることが大切だと思います。

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