くるくる表情が変わる駒ヶ岳を眺めて!~「函館いかめし海鮮弁当」(1,180円・吉田屋)新函館北斗駅 【ライター望月の駅弁膝栗毛】

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函館本線・新函館北斗駅に入ってきたのは、臨時の特急「北斗91号」札幌行。
北海道新幹線開業に合わせて、函館~札幌間の特急列車も増便されました。
さらに開業直後&春休みの繁忙期ということで、キハ283系気動車も応援に・・・。
この車両、本来は札幌~釧路間の特急「スーパーおおぞら」で活躍しています。
今回は予備の車両をかき集めて、何とか臨時列車を仕立て上げたようです。

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新函館北斗駅は、道南のリゾート地・大沼周辺のほうがかなり近い場所です。
玄関口・大沼公園駅には、札幌行の特急「北斗」号も停まります。
その大沼公園駅の手前、進行左側に「小沼」越しの「駒ヶ岳」を望むことが出来ます。
新幹線から乗り継ぐと、まず目に飛び込んでくる北海道らしい景色がコレです!

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しかもこの「駒ヶ岳」、列車に揺られているだけで、いろんな角度から景色を楽しめます。
大沼を過ぎ、山登りに入ると、ハイパワーなディーゼル特急でもエンジンの唸りが大きくなります。
そんな時に見えてくるのが、間近に迫ってくる「駒ヶ岳」。
実は今も活動する活火山の一つなんですよね!

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山を下って森駅を過ぎたら進行右手、振り返るように見れば、噴火湾越しの「駒ヶ岳」!
これ全部、1本の列車に乗っているだけで、楽しめちゃうんです。
北海道新幹線に乗って函館に行くだけじゃもったいない!
大沼、森、八雲エリアに足を伸ばすだけで、美しい北海道の自然を満喫できます。

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今回は、噴火湾に面した森駅で下りて、普通列車に乗り換えます。
ホントは「はやぶさ5号」から1本前の「スーパー北斗11号」に乗り継ぐ予定でした。
しかし、初めて下りた駅で造りがよく分からず、しかも構内は大混雑!
12分も接続時間があったのに、乗継ぎに失敗してしまいました。
およそ30分後の臨時列車「北斗91号」の存在に救われたというのが真相です。

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本来なら森駅で名物「いかめし」・・・なんですが、接続時間が短く購入できず。
森駅の「いかめし」の売り場は、改札外のキヨスクなんです。
ザッと見たところでは、新函館北斗駅でも森駅の「いかめし」の販売はない様子・・・。
でも、北海道に来たんだから「いかめし」の1つは食べたいという人もいるはず!
そんな人にピッタリなのが「BENTO CAFE 41°GARDEN」の「函館いかめし海鮮弁当」です。

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うに、カニ、イクラ、鮭を従えて、センターには「イカ」!
イカの中にもち米を詰め込んだいわゆる「いかめし」とは異なります。
でも、イカが小さく食べやすいのが好印象。
海鮮食材のバリエーションがあるので、飽きが来ないんですよね。
コチラも3月26日に発売になったばかりです。

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さて、このエリアで大好きなのが、八雲町にある「温泉旅館 銀婚湯」!
森から乗り換えた普通列車で「落部(おとしべ)」駅まで来ると送迎があります。
実は銀婚湯、これまでもJR東日本のアクティブシニア向け商品「大人の休日倶楽部パス」の期間中はひそかに人気!
宿の方によると、チェックイン時間帯の1両編成の列車のお客さんがほとんど「銀婚湯」目当てだったこともあるとか。
その意味でも、北海道新幹線開業で乗り換えが減って、より行きやすくなった温泉なのです。

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大正天皇の銀婚式の日にお湯が湧いたことにちなんで名づけられた「銀婚湯」。
日帰り入浴もやっているので、クルマがあれば気軽に行くことは可能です。
でも、ココは泊まったほうがいい!
実は泊まらないと入れない、宿泊者専用の貸切露天風呂があるのです。
落部川に架かる、かなり揺れる吊り橋を渡っていきますと・・・?

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川沿いに湧き出したお湯が注がれる露天風呂が点在しています。
コチラは可愛らしい栗の形をした「どんぐりの湯」。
74.5℃、ph7.3、成分総計7606mg/kg、泉質はナトリウムー塩化物・炭酸水素塩泉。
川の流れの音と共に、自然に溶け込んでいくように体が癒されます。
「銀婚湯」には5本の源泉があって、単独もしくは混合しながら使用しています。

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そして「銀婚湯」随一の濃厚なお湯に入れるのが、川向2号泉を使った「トチニの湯」。
49.9℃、成分総計8622mg/kgの、ナトリウムー塩化物・炭酸水素塩泉が毎分12リットル湧出。
アブラっぽい匂いがする湯の香が「北海道の温泉に来たなぁ!」という気持ちにさせてくれます
加水なし、湧き出したお湯が絶妙な湯加減で、丸太をくりぬいた風呂に満たされ、溢れていく。
それだけで心まで満たされていく・・・望月大好きな「トチニの湯」です。

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北海道新幹線開業で、函館周辺が大きな注目を集めています。
でも、実はそこから足を伸ばすと、もっと素晴らしい北海道があります。
しかも函館市街から遠い「新函館北斗駅」のお陰で、逆に近いのです。
特急からローカル列車に乗り換えて、のんびり北海道を楽しんでみては!?

「駅弁」食べ歩き15年の放送作家が「1日1駅弁」ひたすら紹介!
「ライター望月の駅弁膝栗毛」
(取材・文:望月崇史)

連載情報

ライター望月の駅弁膝栗毛

「駅弁」食べ歩き15年の放送作家が「1日1駅弁」ひたすら紹介!

著者:望月崇史
昭和50(1975)年、静岡県生まれ。早稲田大学在学中から、放送作家に。ラジオ番組をきっかけに始めた全国の駅弁食べ歩きは15年以上、およそ5000個!放送の合間に、ひたすら鉄道に乗り、駅弁を食して温泉に入る生活を送る。ニッポン放送「ライター望月の駅弁膝栗毛」における1日1駅弁のウェブサイト連載をはじめ、「鉄道のある旅」をテーマとした記事の連載を行っている。日本旅のペンクラブ理事。
駅弁ブログ・ライター望月の駅弁いい気分 https://ameblo.jp/ekiben-e-kibun/

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