伊方3号機再稼働~住民側が最高裁へ控訴しない理由

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ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」(9月26日放送)に数量政策学者の高橋洋一が出演。広島高裁が下した愛媛県伊方原発3号機再稼働の判決について解説した。

阿蘇山の火砕流が愛媛まで来るということは現実的には考えられない

運転の差し止めが命じられていた愛媛県伊方原発3号機について、広島高裁が再稼働を認める決定をした。四国電力は10月27日にも3号機を再稼働させる方針だ。

飯田)これについては去年12月、阿蘇山の噴火による火砕流が原発まで到達する可能性があるなどとして、広島高裁は今月末までの運転差し止めの仮処分を決定しており、当事者の四国電力は当然異議を申し立て、仮処分取り消しを求めていたという件ですけれども。それに対し、住民側はリスク評価が不十分であると訴えていましたが、そうではないと高裁側が認めたということです。

高橋)住民というのは四国の住民ですかね。そこまで火砕流が行くと、その住民の方々もいなくなるようなレベルですよね。

飯田)伊方原発と熊本の阿蘇山は130キロ離れています。

高橋)その距離になってしまうと、九州が無くなるというレベルですよ。

飯田)半径130キロにわたって火砕流が流れるとなると。

高橋)ええ。四国と九州が地続きになってしまうレベルです。

飯田)確かに、あの日向灘の所に押し寄せるわけですよね。

高橋)調べれば過去10万年に10回、1万年に1回という頻度で日本でもありました。しかしそれを心配すると全て退去命令という話になってしまう。それは少し変でしょう。そうなると九州には住めなくなってしまいます。

確率は限りなく0に近い

飯田)九州にも川内原発がありますよね。

高橋)阿蘇山が噴火すれば、確か3つくらいの原発は全部埋まってしまいます。

飯田)玄海原発などもありますものね。

高橋)そう。九州が無くなるという規模の話ですからね。長い歴史のなかでは1万年レベルでありますよ。でも原発の耐用年数は40年くらいでしょう。1万年規模の話を40年に引き戻してみると、確率はほぼ0に近いです。

飯田)0.000いくつの確率ですよね。

高橋)滅多にあり得ない話で言えば、隕石で人が死ぬこともあります。これは100年に1回くらいあるけれど、それよりも確率が低い。そんなことまで心配せずに皆外を歩くでしょうということを、この判決は言っているのです。
いつかは起きるかもしれませんが、確率が0.00001ほどの話は無視するということしか言いようがないです。

飯田)これはもう確率論的に。

高橋)はい。計算すると、この確率を心配する人は、実はどこも歩けないという話になってしまいます。でも皆さん歩いている。

飯田)そうですね、外を歩いていますね。

住民側は最高裁へ控訴しない意向

飯田)今回は高裁でこの判決が出た。これを不服とする場合は、日本の裁判システムだと最高裁に持っていくのが普通です。

高橋)最高裁に持って行けばいいのではないですか。

飯田)各紙、特に読売が詳しく書いていますが、最高裁まで持って行ってしまうと、同じ判決が出た場合、他で同じような裁判をしている地裁や高裁で刑訴中のものが全部ダメという判例が出てしまうので、このまま上告しない見込みということが書いてあって、あれ? と思ったのですが。

高橋)電力会社の方が上告したらどうなるのですかね。これでは不十分だからと言って(笑)。

飯田)そちらもできるわけですよね、やろうと思えば。今すぐ再稼働させてくださいと。

高橋)そもそも仮処分でこういうことができるのはおかしいと、司法の問題を指摘している人もいますよね。

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