トランプ大統領が国連総会で演説~「アメリカ第一主義」の裏には米中貿易戦争

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ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」(9月26日放送)に数量政策学者の高橋洋一が出演。国連総会で行われたトランプ大統領の一般討論演説について解説した。

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25日、国連総会の一般討論で演説するトランプ米大統領=2018年9月25日 ニューヨーク(ロイター=共同) 写真提供:共同通信社

トランプ大統領の愛国主義~自国第一主義は当然のこと

アメリカのトランプ大統領が、ニューヨークで開催されている国連総会で一般討論演説を行った。トランプ大統領はグローバリズムの思想を拒絶し、愛国主義に基づいて行動すると、改めてアメリカ第一主義を打ち出している。

飯田)トランプ大統領は、日本時間では昨夜に一般討論演説を行っています。トランプ大統領がグローバリズムを拒絶したのだと、孤立主義だというメディアもあるわけですが、高橋さんはどうご覧になりました?

高橋)グローバリズムというか行き過ぎというか、多分全てが雇用の話なのでしょう。雇用の話に着目すると、実はグローバリズムはある意味で雇用を作るという面もあるため、全部を否定しているわけではなく、トランプさん一流の交渉術の話をしているのだと私には見えますけれどね。単に交渉をしたいからいろいろ言っているのだと思います。どの国も自分の国第一主義というのは当たり前ですしね。

飯田)基本的に他の国を優先するような、国益を損ねるような国は無いですよね。

高橋)無いです。グローバリズムというのはいろいろな側面があるので、やり方によっては自国中心主義とも言えるのです。言葉だけで全てを判断することはできなくて、トランプさん自身、実は自由主義論者ですよね。だから貿易全てを拒絶するということは無いです。「関税を高めるけれど、それぞれの利益のためにやっている」という感覚ですよね。利益があるかどうかで判断して、自分の国を中心にするのは当たり前だろうという、普通の論理です。

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習近平とドナルド・トランプ(2017年11月8日)(習近平 – Wikipediaより)

米中貿易戦争では日本には漁夫の利がある

飯田)メールもいただいています、東京練馬区の“かずと”さん49歳自営業の方。「トランプさんはこれまでにない存在だと思っていたら、グローバリズムを拒否、アメリカ優先と演説、ここまでズバッと言い切られると唖然とさせられます。トランプ大統領はこのまま突き進むのでしょうか。一方で何やら危険な気もするのですが大丈夫なのでしょうか?」と、心配する向きもありますが。

高橋)少し違うというだけで、従来から自国主義ではありますよ、どこの国でも。

飯田)ある意味建前でそれは言わなかったけれど、やっていたと。

高橋)やっていました。そういう意味では建前と本音が合わさってきたというだけなので、大きな変化ではないと思いますけれどね。

飯田)その自国第一主義で完全に閉じこもって、「もう貿易しません」ということではないですものね。

高橋)貿易しますよね。お互いWin-Winにやろうというところはあります。そのとき、アメリカのWinを更に大きくしたいという気持ちがあるのです。それは日本から考えて見ても、そう悪い話ではなくて、極端に言うと中国とアメリカが貿易戦争をしていると第3国は絶対に漁夫の利があるのですよ。おそらく今回の話でいちばん割を食うのは中国です、閉鎖的な国ですから。日本は第3国の漁夫の利がある可能性が極めて高いです。

飯田)それは中国がいままで入っていたところに日本が取って代わると。

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中国のGDPが下がる分、他の国はプラスになる

高橋)そうです。国際通貨基金IMFでも、米中の貿易戦争が激しくなると第3国がどうなるかというシミュレーションをしていますが、日本は大体プラスになっています。

飯田)そうなんですか。

高橋)だから大した話ではないのですよ。相対的な話なので、全部日本に来たら大変なのですけれど、トランプさんが他国でやっている限り日本は大体プラスなのです。

飯田)輸出がプラスになる。

高橋)なりますね。GDPがどうなるかは、皆シミュレーションしていますが、大体第3国は皆プラスです。中国だけ大変で。

飯田)中国がGDP0.9パーセントくらい下に…。

高橋)下がるのだけれど、他の国はややプラスになるのです。その分、中国が出張って行けない分野で他の国が出て行ける。こういうものは冷静に考えて、全てが自国にかぶっているわけではなく、各国についてもシミュレーションしながら影響度を考える。いわば各国は自国ファーストをやっているのです。

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習近平との米中首脳会談(2017年4月7日)(ドナルド・トランプ – Wikipediaより)

米中貿易戦争~最終的には「資本の自由」という議論になる

飯田)この米中の角の突合せですが、アメリカへ中国が輸出している額は膨大だけれども、アメリカから中国に輸出している部分は少ない。だから関税の掛け合いをしたら中国が負けるという話が出ていましたね。

高橋)最後はそうです。報復し合って、高い製品が入ってきて、アメリカ国内の消費者が我慢できるかという問題はありますが、割り切ってアメリカは中国製品ではなく、第3国の製品にしてしまえばそれまでなのですよ。こういったディールの場合、中国はやはり不利です。最終的に突きつけられるのは「資本の自由」という話になってくる。中国は資本の自由化はできません。為替の自由化や資本の自由化ができないので、最後にアメリカがそこへターゲットを持って行くと、中国は理論として負けます。答えが見えているのです。その間に中国は苦しくなって、日本や第3国が漁夫の利を得る、そのパターンなのです。

飯田)アメリカの狙いでは、貿易戦争で赤字を減らすというのは、レトリックで言っている。

高橋)本音はその裏側の資本取引に持って行きたいのでしょうね。少なくともディールしているときは、いろいろなロジックを考えて、貿易の黒字・赤字の話だけに留まらないと思います。

飯田浩司のOK! Cozy up!
FM93AM1242ニッポン放送 月-金 6:00-8:00

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