『過保護のカホコ』の脚本家・遊川和彦が語るドラマの醍醐味

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『過保護のカホコ』の脚本家・遊川和彦が語るドラマの醍醐味
脚本家の遊川和彦が、黒木瞳がパーソナリティの番組「あさナビ」(ニッポン放送)に出演。今後の仕事とドラマの醍醐味について語った。

黒木)今週のゲストは脚本家の遊川和彦さんです。
遊川先生は去年、映画『恋妻家宮本』の初監督を務められましたし、これからもやられるということなのですけれども。

遊川)来年やるつもりです。今度はオリジナルで映画も。連ドラの後、映画をやります。

黒木)書きながら監督をすると。そんな方はいままでいらっしゃいましたか?

遊川)宮藤官九郎さんとかはやっていましたよ。この年になって忙しいのは幸せなことだと思います。

黒木)ストレスが溜まったらお好きな歌を歌いに行くのですね。

遊川)人間は外へ出さないといけないものがあるのですよね。インするものがあればアウトするものが必要なので、意識的に貯めないようにはしています。こう見えても実は穏やかな人間で、あまり怒ったりしないのですけれど。

黒木)全然怒らないじゃないですか。

遊川)怒らないですよね。 

黒木)でも、怖いというイメージもあります。寡黙になる瞬間があるでしょう。偉い人が黙っていると、周りは怒られるのではないかと思うのですよね。

遊川)役者さんを見て思いましたよ。いま真剣に悩んでいるな、とか考えているな、というときに役者も怖い顔をしています。

黒木)役者もね。

遊川)わけのわからないことを言われたとか、悩んでいるときとか、人間は怖い顔になるのです。みんな同じなんだなと思って少し気が楽になりました。

黒木)私も『カホコ』を撮っているときに、上手くいったかなと思ったら遊川さんがサブから降りていらしたので、手を握って「先生大丈夫だった?」と言ったら「手を放せ、手を放せ」って。

遊川)そんなこと言いました? この前の『カホコ』スペシャルで、黒木さんが「黙れ黙れ、うるさいうるさい」と言って最後、何て言うのかと思ったら、何も言わないで去っていくじゃないですか。あれも本当は難しいのだけれど、本番を見たときは笑いました。あれは素晴らしかったです。

黒木)笑いました? よかった。

遊川)やっぱり何か言うのだろうなと思ったら、こういうところに人間らしさというか、意地と弱さを見せまいという部分が出ていて。

黒木)そういう風にやってくださいというオファーがあり、そういう感情なんだと明確におっしゃるから、ピンポイントでその気持ちになればいいだけなので。

遊川)上手くいけば楽しいし、上手くいかなかったらお互いに悔しいと思うじゃないですか。それがこの仕事の醍醐味だと思います。だからそういうものをこれからも黒木さんとやっていけたらなと。

黒木)今後も無理難題、すごく難しい役が来るのだろうな、なんて思っています。

『過保護のカホコ』の脚本家・遊川和彦が語るドラマの醍醐味
遊川和彦/脚本家

東京都生まれ、小学校1年から広島県大竹市育ち。
広島大学政経学部を卒業後に上京。テレビ制作会社のディレクターなどを経て、1987年に脚本家デビュー。
以後、テレビドラマの脚本家として、25年以上にわたり話題作を次々と発表。
2003年には スペシャルドラマ『さとうきび畑の唄』で文化庁芸術祭大賞を受賞。
2005年には 涙そうそうプロジェクト『広島 昭和20年8月6日』で日本民間放送連盟賞番組部門・最優秀作品を受賞。また2005年には『女王の教室』で、第24回向田邦子賞を受賞した。
2011年には、最終回の視聴率が40%を超えた『家政婦のミタ』を発表。この作品で、2012年東京ドラマアウォード脚本賞を受賞。
2012年下半期に放送のNHK連続テレビ小説『純と愛』の脚本を担当。
脚本家としては珍しく、撮影や編集の現場に足を運び、チームの一員としてスタッフ全員で高みを目指すことをスタンスとしている。

【そのほかの主な作品】
『オヨビでない奴!』『金太十番勝負!』『ママハハ・ブギ』『予備校ブギ』
『学校へ行こう!』『ADブギ』『十年愛』『もしも願いが叶うなら』『禁断の果実』
『人生は上々だ』『真昼の月』『智子と知子』『GTO』『魔女の条件』『オヤジぃ。』
『お前の諭吉が泣いている』『恋がしたい恋がしたい恋がしたい』『おとうさん』
『幸福の王子』『夫婦。』『誰よりもママを愛す』『演歌の女王』『学校じゃ教えられない!』
『曲げられない女』『リバウンド』『〇〇妻』『過保護のカホコ』

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