北海道地震~自然災害は「有事」である。そのために必要なこと

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ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」(9月20日放送)ジャーナリストの鈴木哲夫が出演。北海道地震などの自然災害を「有事」と考える持論を解説した。

苫東厚真発電所再稼働~ススキノにネオン戻る

北海道の電力需給の状況は昨日、苫東厚真火力発電所1号機が再稼働したことで、大きく改善した。13日ぶりに札幌市内の歓楽街ススキノに、あのニッカウヰスキー看板にもネオンが戻った。百貨店やスーパーも、地震前の営業体制に切り替える動きが広がりつつある。

飯田)北海道の電力事情の不安定さに、改めて気づかされましたね。

鈴木)基本的な部分を言うと、私は自然災害を「有事」と、つまり「戦争」と言っています。雨や風、今回のような地震。それらにより、第1次的に人命などが被害に遭う。しかし、それだけではないのです。その後にライフラインや、今回の大阪のように空港がダメになる。そして、それは経済活動へつながり、大打撃を与える。北海道の場合は農業にも電気が大きな影響を与えています。だから、自然災害は第1次的なものだけでなく、実はその先の経済なども含めて、とんでもない有事なのです。そういうことを日頃から考え、そうした都市作りをするべきです。例えばエネルギーも、経済活動も、空港の形まで含めて、自然災害というのは考えなければいけない。

自然災害に対しては国家プロジェクトとしての総合政策が必要

鈴木)北海道で言うと、稚内からずっと留萌の北西の部分が、実は日本でいちばん風力発電に適している場所だそうです。取材したとき、現地でそう仰っていました。風の具合などが、日本一だそうです。
ところが、その後のインフラが問題です。そこで発電した電力をどうつなぐかとか、本州に持っていく方法とか、その部分ができていないと言っていました。これを機会に、風力発電も含めた、いわゆるスマートシティを、自然災害に向けた1つのモデルとして、北海道はもう1度政策的に考えてみるのも1つの手だと思います。

飯田)受け入れの電力の線を太くするのか、あるいはもっと高性能な蓄電池を開発するなどして、安定供給をできるようにするとか。

鈴木)モデル地区にするということです。災害に対して、「電力だけ」とか、「電柱だけどうするか?」と個別に対症療法をするのではなく、自然という敵に対しての総合政策をする。これは国家プロジェクトだと思います。今回のことは、いいきっかけです。これを機に、前に進めて欲しいですね。

飯田)かつて、関東大震災復興のとき、後藤新平さんは「大風呂敷」と呼ばれるほどの大改革をやりました。ああいうことが、いま必要なのかもしれませんね。

鈴木)「大自然は限定的なものじゃない。もっと一気にやってしまうべきプロジェクト」という発想が必要なのです。その指揮を執るのは政治家です。

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