南北首脳が共同宣言署名~文大統領が前のめりになるもう一つの理由

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ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」(9月20日放送)ジャーナリストの鈴木哲夫が出演。文在寅大統領側から見た南北首脳会談の意図を解説した。

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2人で軍事境界線を越えて北朝鮮側に入った際の握手の写真(2018年南北首脳会談 – Wikipediaより)

南北首脳会談で平壌共同宣言に署名~文大統領がトランプ大統領に直接説明

平壌訪問中の韓国の文在寅大統領と、北朝鮮の金正恩朝鮮労働党委員長は、昨日、首脳会談で共同宣言に署名した。文大統領は合意内容や詳しいやりとりについて、来週アメリカを訪問し、トランプ大統領に直接説明するとしている。

飯田)共同宣言には盛り込まれていない、金委員長からのメッセージも伝達されると見られています。ここから米朝協議が再び動き出すのかが焦点になっていますね。

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2017年7月7日(文在寅 – Wikipediaより)

文大統領の意図は低下している国内の支持率回復へのアピール

鈴木)少し見方を変えましょう。「北朝鮮サイドや核の問題」という真正面からの見方もありますが、韓国の文大統領サイドから見てみます。ソウルにいる私のジャーナリスト仲間に聞いたら、やはり文政権そのものの支持率はいま下がってきています。最盛期の半分くらいで、ざっくり言うと40%くらいまで下がっている。さらに、韓国は経済も含めていろいろあり、失業率が上がってきています。
それで、よくあることですが、内政が上手くいかないときは外交に活路を見出しますよね。「世界の檜舞台で活躍している」ということで、国内の批判で落ちている求心力を高める。その意味では、今回非常に派手ですよね。アピール合戦みたいな評価もありますが、それは当然です。文大統領としては、ここで内政向けにもポイントを稼ぎたいという意図もあるのだと思います。

飯田)出迎えでハグをしたり、一緒に車に乗ったりと良いシーンを意識しているところは感じられますね。

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本社のある飯田橋グラン・ブルーム(サムスン電子 – Wikipediaより)

日本は影響を受けずに冷静に日本の出口を構えていた方がいい

鈴木)それから、今回の訪問団を現地では「オール・コリア」と言っているらしいです。「オール」というのは、多くの財界人も一緒にいるでしょう? そのメンバーも文政権に近い財界の人たちだけでなく、前の朴槿恵さんのときの人たちも、連れて行っているわけです。

飯田)サムスンの事実上のトップだとか、その典型ですよね。

鈴木)オール・コリアというのを演出することで、内政、韓国内部の支持を、求心力を高めようとしているのが見えます。
結局、外交は国益と国益の話ですから、韓国は文大統領で、そういう背景がある。金正恩にしてみれば、上手く文大統領を使って、橋渡しをしてもらいアメリカと上手くやりたい。そういう意図がある。きれいな言い方だと「お互いにwin-win」ですが。
だから、1つポイントは、日本がこれに影響されないで、じっくり日本の出口を構えることです。安倍さんの側近の方に聞くと、「北朝鮮とのパイプに苦労している」とチラッと言っていましたが、日本は日本で拉致問題を抱えています。このフィーバーぶりに一緒に入って、積極的にコメントしたり、すぐに文大統領に「次は安倍総理を」などと言う必要はないと思います。冷静に日本の立場をどうするか、今回は構えていた方がいいと思います。

飯田浩司のOK! Cozy up!
FM93AM1242ニッポン放送 月-金 6:00-8:00

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