森永卓郎が大予想~米中貿易戦争はまもなく終結する!

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「垣花正 あなたとハッピー!」(9月19日放送)で経済アナリストの森永卓郎が出演。アメリカが中国へ第3弾の制裁関税を表明し、米中の経済戦争が激しくなってきている。しかし森永卓郎はその米中の貿易戦争は間もなく終結すると言う。それはなぜなのか——。

森永卓郎 森永 トランプ アメリカ 中国 関税 25% 習近平

保守政治活動協議会で講演するトランプ(2014年)(ドナルド・トランプ – Wikipediaより)

アメリカが中国へ制裁関税第3弾、2,000億ドルへ

今朝の一般紙一面はみんな「アメリカが中国へ関税第3弾」と大騒ぎです。この米中貿易戦争は、トランプ大統領が仕掛けたのですけれども、アメリカ企業が中国に進出したときにその技術をパクって知的財産権を侵害している、けしからんから制裁をするというので始まったわけです。

そこで今年の7月に、第1弾としてアメリカが340億ドル相当の中国製品に関税をかけた。それに対抗して中国が同じ規模の報復関税、340億ドルをかけた。その翌月、8月の第2弾ではアメリカがまた160億ドルをかけたら中国も報復ということで、同じ160億ドル分の米国製品に関税をかけました。

金額を合わせて子供の喧嘩なのですけれども、トランプ大統領は「これで言うことを聞かなかったら第4弾だ」と言い出しています。でも、私はこの第3弾くらいのところで中国が折れるのではないかと思っていたのです。
なぜかというと、制裁関税、報復関税の規模なのですが、第1弾が340億ドルずつ、第2弾が160億ドルずつ、第3弾はアメリカが中国製品に課すのが2,000億ドル分です。

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習近平 – Wikipediaより

アメリカの関税2,000億ドルに対し、600億ドルしか課せられない中国

ところが中国はこれに対する報復額が600億ドルなのです。アメリカが2,000億ドルを課すと言っているのに、中国は600億ドル。今まで金額を合わせてきたのに合わせられなかった。なぜ合わせられなかったかと言うと、中国がアメリカから輸入している額が1,500億ドルしかないのです。全部にかけても500億ドル足りない。すでに500億ドルかけてしまっていますから、余地は後1,000憶しかないのです。だから少し残すために600億と出してきている。
要するにアメリカはバンバン中国製品を買っているのですが、中国はアメリカ製品をあまり買っていないのでネタ切れになってしまったということです。
だからこれはトランプの方が強いのですよ。いっぱい輸入しているから、かけられる製品もたくさんある。

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中国製品をたくさん輸入しているアメリカに対し、中国のアメリカからの輸入額は1,500億ドル

ただアメリカにも弱味はあるのです。何かと言うと、第1弾の制裁関税というのは自動車、航空、宇宙、原子炉、ロボットなど、つまりアメリカに産業基盤があって、中国製品を抑えれば自国で作ることができたという、トランプ大統領の製造業の復権という政策、まさにそのものだったのです。
第2弾は、半導体関連や鉄道車両、化学製品など。これは別に中国から買わなくても、例えば日本のメーカーなどから鉄道車両を買えば良いわけです。大した被害は無い。

ところが今度、第3弾については家具、食料品、皮製品といった、日本でもそうなのですけれど、安い家具や衣類はみんな中国製なのですよ。
こういうものに関税をかけると割高になってしまう。日本から家具を買うと、中国製より高くなってしまいます。

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習近平との米中首脳会談(2017年4月7日)(ドナルド・トランプ – Wikipediaより)

アメリカの弱点~トランプ支持層の多くが購入しているのは安い「メイド・イン・チャイナ」

アメリカでトランプを支持している人というのは、まさにメイド・イン・チャイナの安い服の恩恵にあずかっている人がたくさんいます。そうすると、そういう人たちの生活費が増えますから、「ふざけるな」ということになってしまします。今回の第3弾も、当初は25%の関税をかけると言っていたのが、今回の発表だと10%にして後で上げていくという発表になっています。

トランプ大統領も少し譲歩の姿勢を見せている。そろそろこの辺りが最後の落としどころだったのですが、24日まであと5日くらいしか無いので、第3弾が発動されてしまう可能性は少し高まってきたかなとは思うのですが。

トランプ大統領は不動産屋をやっているときから「ネゴシエーション&ディール」と言っていました。新聞の翻訳では、「交渉と取引」としていますが、私は「恫喝と強要」と訳しています。そういうビジネススタイルなのです。脅して、最後に「良し」と言って手を握るという。

基本的にはチキンレースを仕掛ける人なのです。だから私はもうそろそろ落としどころに行くのではないかと思っているのですが、中国も中国なのです。皆さんご存知の通りこれまで散々、もうパクリばかりだったのですから。そのためトランプは「そういうことはやるな」と中国に対してこんな戦争を仕掛けているのです。

垣花正 あなたとハッピー!
FM93AM1242 ニッポン放送 月-金 8:00-11:30

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