北海道のエネルギー事情~原発という選択肢も考えるべき

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ニッポン放送「飯田浩司の OK! Cozy up!」(9月18日放送)にジャーナリストの有本香が出演。苫東厚真発電所1号機の再稼働から北海道における特殊な電力環境について解説した。

苫東厚真火力発電所1号機今日にも再稼働へ

北海道電力は北海道胆振東部地震の後停止したままになっている苫東厚真発電所について、1号機の損傷が当初の見立てよりも大きくなかったことから、早ければ今日にも再稼働させる方針。

飯田)1号機というものは35万キロワットということで、全体から考えるとさほど大きくはないのですが、無いよりはあった方がより安定するということです。

有本)そうですね。これで1号機が再稼働すれば、とりあえずは電力需要を上回っていくということになるでしょう。しかし結論としては、泊原発の再稼働を早急にその方向に向けるべきではないでしょうかね。やはり北海道という特殊事情はあります。これが冬場なら大変なことになっているわけで、原発で人の命がということを随分仰って心配なさる人がいますけれども、寒い時期であれば、停電で人が死んでしまいますから。

飯田)薪ストーブでどうのという問題ではないですからね。

有本)私も出張で経験しましたけれど、10月に雪が降る世界ですからね。そういう点でも北海道の電力というのは命に直結するのですよ。いまの私たちの生活というのは、北海道でなくとも、電気が通らないから水が出ない、お湯が出ないというのはありますよね。

飯田)今回の地震はそれが問題になりましたね。マンションなどは水も汲み上げられないと。

原子力発電という選択肢を考えないのは現実的ではない

有本)汲み上げられないし、トイレの水も流せない。電気でいろいろなことが行われたり制御されたりしていますから。まさに電気イコールライフラインですね。そういう点もありますし、特に北海道はという部分もあります。安全性が確保されている原発を稼働させて、政府はすでに3年くらい前だとは思いますが、原子力発電は依然ベースロード電源の1つだと言って、選択肢に挙げているわけです。ですからその選択肢を考えないというのは現実的ではない。こういうことをなかなか言えない空気もあったけれど、先ほどのニュースと同じです。日本の外では音を立てるように歴史の一齣が動こうとしています。そのときに日本国内におけるエネルギーをどう回していくかは極めて大事な話で、南シナ海で何かあったなら、日本にエネルギーが入って来なくなる可能性だってあるわけです。

飯田)天然資源エネルギーをとっていますからね。

有本)そういう点でもエネルギーの選択肢というのを自ら狭めるようなことはするべきではない。それよりも原発の安全性を向上させていくためにどういうことができるのか、ということを政府も考えなければいけないし、それから北海道の知事も、北海道という地理的に特殊なところであるだけに、道内のエネルギー事情、そして原発をどうするかという問題についてもっと政治的に踏み込んでいかなければだめだと思います。目の前の反発だけを恐れていては問題は解決できませんから、こういうときこそ政治が腹を括ってもらわないといけないと思います。

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