自民党総裁選~石破氏に肩入れする民放各局

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ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」(9月18日放送)にジャーナリストの有本香が出演。昨日行われた民法テレビ5局で行われた安倍、石破両氏の論戦について解説した。

安倍、石破両氏テレビで論戦

自民党総裁選に立候補した安倍総理大臣と石破茂元幹事長は昨日、民放テレビ局5局の報道番組に相次いで出演した。日本テレビのニュース番組では総裁選後の人事や森友、加計学園問題などをテーマに論戦を繰り広げた。

飯田)各局出ていました。どこでも森友、加計学園問題、ここに大きく時間を取っていましたね。

有本)そうですね。総裁選後の人事や森加計ですね。民放各社も政局と称される問題にしか興味がないのですかね。自民党総裁選というのは、事実上日本の総理を決める選挙ですよね。我々は党員ではないから投票資格はないわけですが、今回その自民党も公職選挙法が適応される選挙ではないけれども、適応されているようにやるということではないですか。

飯田)準ずるかたちでね。

有本)そうであるならば、テレビ局ももう少し両候補者に対して平等に接するべきだと感じましたね。特に地上波民放各局は放送法の縛りがあり、現職だということはありますが、仕立てが、どう見ても石破さんに肩入れし過ぎだなと思いました。
もう1つは、冒頭に申し上げた、政局にしか興味はないのかと思いました。例えば、北朝鮮対応、中国の軍事拡張に対してどう対応するのか、それと憲法改正の問題なども、触れていないわけではないにせよ、ここをやるべきだし、そして経済財政計画ですね。これに関して石破さんの言っていることは本当にふわっとしていますよ。私はいくつかのメディアに石破さんに対する批判を書きました。今回の総裁選に入ってこの2、3カ月の間に私が最もがっかりしたのは、石破さんは元々政策通と言われてきたわけですよ。けれど3ヶ月前に出た石破さんの政策至上主義という著書、読みましたけれども、政策至上主義とタイトルは打ってあるものの政策がない。今回の一連の議論も昨日の駆け足で出たもの以外、日本記者クラブでの討論会、ネット放送でも討論会はありましたけれど、それを見ていても、どういう政策を打つのですかと言ったときに、組織を立ち上げるだとか国民会議をするだとか出ていましたが、それは策ではないですよ。

飯田)会議の中で何をするかとか、その暁に何をするかとか。

民放各局は石破氏に肩入れしすぎ

有本)全くそこに踏み込まない。これではちょっと厳しいと思わざるを得ないですよね。どうも民放各局では、そのあたりはフォーカスしないで、どちらかというと石破さんに追い風の流れを作っていましたよね。チャレンジャーがいるのはいいことなので、石破さんを応援しないという意味ではなくてね。その人を盛り立てながら、現総裁に対していまのあり方を正す場にするというのは意義があると思います。約6年の安倍政権のなかでいろいろ物足りないと感じていたり、それは違うのではないかと思っているところは支持者や自民党員のなかにも沢山あると思うんです。そういう政策面での議論が深まるようなかたちに仕立てられていなかったというのが非常に残念ですね。

飯田)政策の細かいところになりますけれど、例えば移民の話だとか、本来はもっと議論しなくてはいけないけれど、なんとなくするするっと出てきたものはいくつかありますものね。

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もっと論戦するべき

有本)国会でも議論を得ないまま出てきている話があって、介護職の人材の問題、学校に入るのが、外国人は増えているけれど日本人は減っているという事でしょう。介護ならば仕事があると言って一種のブームになっていたときとは違い、いまはある程度仕事を選べるような状況になってきたから、日本の体力のある若い層は介護分野に行きませんよね。それなら外国人だという話になったわけですが、外国の方に資格を取ってもらえばいいと言うものの、現場でのコミュニケーションの齟齬があるだろうと予想されるなかで一体どういうサービスにしていくのか、だとか。
仮に外国人を労働者として迎えるのならば、どんな対応が必要なのか。総裁選の告示前に、あるネット番組で安倍総理に独占インタビューをしましたが、外国人労働者には滞在の期限を5年設けると、移民地を作って管理をするんだと仰っているけれども、5年という月日は長いです。その間に結婚や子供ができたら、ということがありますよね。家族を帯同させないからいいと言うけれども、その年月、その人たちの自由を縛ることはできないのだから、それはどうするのでしょうか。移民地に何百人か人を配置しても、実際に人々が住んでいろいろな行政サービスを受ける窓口は自治体になります。言葉や生活面のサポートを、十分にできるだけの体制が整っているところがどれだけあるのか、そういうことなんですよね。

飯田)それに追加で財政出動をさせないといけないので、それだけ余裕のある財政はどれほどあるかという話にもなりますものね。

有本)そうなんですよ。財政的余裕もないし人材も居ない。いまは企業城下町と言われるところに外国人が多いから、そういう自治体は対応を取ってきたという歴史があります。けれど、介護となると全国的に広いのです。農業もそうです。そうなったときに、それぞれの自治体が企業城下町となっている自治体と同じような対応はできませんよ。これを甘く考えるべきではないと思う。しかし、そこにはほとんど触れられていない。こんな論戦では全く物足りないですよね。

飯田)その辺りを地方が担うことになると、地方創生との絡みで総裁選の主なテーマにも本来は挙がっていなければいけない。

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