しゃベルシネマ

42歳の非モテ男と18歳のフィリピーナが国際結婚したら…

【しゃベルシネマ by 八雲ふみね 第481回】

さぁ、開演のベルが鳴りました。
支配人の八雲ふみねです。
シネマアナリストの八雲ふみねが、観ると誰かにしゃベリたくなるような映画たちをご紹介する「しゃベルシネマ」。

今回は、9月14日に公開された『愛しのアイリーン』を掘り起こします。


史上初! 生けるレジェンド・新井英樹の傑作漫画を完全映画化!!


「宮本から君へ」「ザ・ワールド・イズ・マイン」などで知られる新井英樹の傑作漫画『愛しのアイリーン』が映画化となりました。手がけたのは、この原作のことを“もっとも影響を受けた作品”だと公言する吉田恵輔監督。映画監督デビューしたときから熱望していた吉田監督が10年越しに夢を実現した本作は、田舎町で暮らす40代男とフィリピン女性との国際結婚が巻き起こす騒動をビビッドに描いています。


42歳独身の宍戸岩男は職場の同僚にフラれたショックから、貯金をはたいてフィリピンへ嫁探しツアーに出かけることに。そこで岩男が半ば自暴自棄になって決めたのが、貧しい漁村で生まれ育った18歳のアイリーンだった。

嫁を連れ、久しぶりに帰省すると、父・源造が亡くなり、実家は葬儀の真っ只中。異国の少女アイリーンの姿に、ざわつく参列者たち。そして母・ツルは、これまで恋愛したことがない一人息子が、見ず知らずのフィリピーナを嫁にもらったことに激昂し…。


主人公の宍戸岩男を演じるのは、稀代のカメレオン俳優・安田顕。不器用だけど愛情深い、憎めない男を全身全霊で演じており、これが安田顕の新たな代表作と言っても過言ではないほどの素晴らしさ。彼を取り巻く共演陣には岩男の母・ツル役に木野花、ヤクザの塩崎役に伊勢谷友介をはじめ、河井青葉、福士誠治、品川徹、田中要次らが強烈な個性を放っています。

そんななかでも特筆すべきは、アイリーン役のナッツ・シトイ。ストーリーが進むにつれてどんどん可愛らしく見えてきて、吉田監督がフィリピンでのオーディションで彼女を見初めた…というのも納得の存在感を発揮しています。


お金で“買った、買われた”繋がりで始まった結婚生活を通じて、国際結婚や農村の後継者問題など社会問題も垣間見える本作。登場人物は皆、“幸せになりたい”人たち。しかし各々が思い描く“幸せのカタチ”は違っていて、それを相手に押し付けようとすると、時には“エゴ”のようなものが生まれてしまうことも。

それでも、どんなに不器用でも、まっすぐな想いを伝えようとする姿には、もどかしくも愛おしく、そして切ないものだということを痛感させられます。一筋縄じゃいかない愛のドラマを味わって下さい 。


愛しのアイリーン
2018年9月14日(金)からTOHOシネマズ シャンテほか全国ロードショー
監督・脚本:吉田恵輔
原作:新井英樹「愛しのアイリーン」(太田出版刊) 音楽:ウォン・ウィンツァン
主題歌:奇妙礼太郎「水面の輪舞曲」(WARNER MUSIC JAPAN/HIP LAND MUSIC CORPORATION)
出演:安田顕、ナッツ・シトイ、河井青葉、ディオンヌ・モンサント、福士誠治、品川徹、田中要次、伊勢谷友介、木野花 ほか
©2018「愛しのアイリーン」フィルムパートナーズ
公式サイト http://irene-movie.jp/

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