自民党総裁選~安倍総理への「飽き」の気持ちがどう出るか

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ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」(9月7日放送)に外交評論家の宮家邦彦が出演。本日公示される自民党総裁選挙について解説した。

自民党総裁選~本日告示

北海道での地震を受け、自民党は昨日臨時の役員会と選挙管理委員会を開いた。今日告示、20日投開票の総裁選は予定通り行う一方で、災害対応を優先するため今日から3日間は、予定していた記者会見や討論会などの選挙戦活動を自粛することを決めている。総裁選は安倍総理大臣と石破茂元幹事長による一騎打ちとなる見通しで、両者は今日午前に立候補を届け出る。

飯田)今日予定されていた所見発表演説会や共同記者会見は、来週の10日月曜日に延期されるということです。地震の影響を受けてということですが。

宮家)当然ですよね。

飯田)どういう論点になっていくでしょうか?

宮家)もう終わったと言う人がいるのですよ。月に1度勉強会をやっていて、ときどき官邸の記者さんが来て下さるのですけれども、そのときはちょうど岸田さんが出ないというのを決めた日で、そうしたらいつも来られない人が来たのです。「どうしたの?」と聞いたら、「もう終わっちゃったから」と言って。
政治的にはそうなのかもしれないけれど、これは党員票があって割合も上がっていますから、民意という観点から考えた場合に、国会議員票はもうしょうがないとしてもね。

飯田)大部分が安倍さんに流れるということですね。

宮家)しかし、それ以外のところでまだいろいろな民意が出てくる。それはまだ意味があると思いますので、逆に言うと党員票がどのような形で出てくるか。政治評論家の人たちの話を聞いていると、半々まで取れば石破さんは相当善戦ということになるのではないかと。それから安倍さんは、最低でも6:4で勝ちたい。できれば7:3で勝ちたいというところでしょう。1強であることは間違いないけれども、それと同時に任期が長いということもあって飽きが見られることも事実です。どういう気持ちが出てくるのか、これは非常に関心が高いと思っています。

外交の評価は高い安倍首相

飯田)内政のことを考えると、その飽きというものはいろいろなところで言われますけれども、一方である人に聞いた話ですが、「外交の世界では長くもないんだよ」と言います。

宮家)まだ6年ですからね。メルケル首相は12年やっていますから。長さというのは極めて重要で、日本では5年6年と続くことはあまりない。下手をしたら毎年総理を代えていたわけですからね。いまの日本の評価、存在感、発言力、影響力、これは5年前や10年前と比べたら間違いなく高くなっています。日本の国益という観点で言えば、これが続くのは決して悪いことではないです。

飯田)それこそ第2次安倍政権発足直後のG7に行っても、1年目は何の発言権もないと聞いたのですよ。そこまで言うと言い過ぎですが。

宮家)要するに、新参者として扱われる。安倍さんの場合は2回目でしたが、あの頃は非常に安倍さんに対する誤解もあって、プロパガンダが近隣諸国で貼られたのですよ。アメリカも最初はそんなことを言っていたのですけれども、それが見直されたのが2014~2015年頃ですよね。ある程度の名声を確立するためには時間がかかります。

飯田)人となりのようなものも浸透するまでに時間がかかると。

宮家)言ったことがちゃんと実行される、約束が守られる、信頼できるかどうか。これには時間がかかりますから。間違いなく今回については高い評価へ変わっていったので、全体は国民が決めることですが、外交に関しては決して悪い状況ではないと思います。

飯田)それこそ投票する党員の方々というのは、非常に政治にも関心のある方が多いから、外交も内政も俯瞰で見て投票することになるだろうと思われます。

宮家)ただ一般論として見れば、古今東西外交が第1になることはないのです。

飯田)外交で票は取れないと言いますよね。

宮家)国内の選挙というのは自分の生活がどうなるか、それを考えるものですよ。

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