しゃベルシネマ

アマチュアからプロになった棋士をご存知ですか?

【しゃベルシネマ by 八雲ふみね 第475回】

さぁ、開演のベルが鳴りました。
支配人の八雲ふみねです。
シネマアナリストの八雲ふみねが、観ると誰かにしゃベリたくなるような映画たちをご紹介する「しゃベルシネマ」。

今回は、9月7日公開の『泣き虫しょったんの奇跡』を掘り起こします。


日本将棋界を揺るがした、奇跡の実話


子どもから高齢者まで様々な年齢層の人が楽しめる、将棋。将棋の駒の組み合わせは無限にあると言われ、その無限の手の中で、どうすれば勝てるかを常に考えて勝利を目指すゲームであり、将棋の独特の世界観に魅了されているファンも多いことでしょう。


近年は、空前の将棋ブームが到来中。高校生棋士の藤井聡太七段が史上最年少・勝率歴代1位タイで通算100局目を迎えたことも記憶に新しいですが、将棋界の棋士は天才集団であると同時に、個性的なキャラクターの持ち主が多いと言われています。

誰もが知るところでは、元プロ棋士で、現在はバラエティ番組などで引っ張りだこ、“ひふみん”の愛称で知られる加藤一二三氏。私がお会いしただけでも、圧倒的人気と知名度を兼ね備えた羽生善治竜王に、クラシック音楽や「宇宙戦艦ヤマト」を愛する佐藤天彦名人。

そして最近、これまたスゴイ経歴を持つプロ棋士にお目にかかりました。映画『泣き虫しょったんの奇跡』の原作者であり現役棋士の、瀬川晶司五段です。


日本将棋連盟のプロ棋士養成機関・奨励会には、満26歳の誕生日までのリーグ戦に四段になれなかった場合は退会という、鉄の掟があります。その掟に従い、一度はプロ棋士の夢を閉ざされた瀬川氏は、アマチュア将棋界で再起奮闘。プロ編入を果たしたという史上初の偉業を成し遂げた人物。

『泣き虫しょったんの奇跡』は瀬川晶司棋士の自伝をもとに、“しょったん”こと瀬川氏の、幼き頃の将棋との出会いからプロ棋士への道を断たれるという大きな挫折、そして、「それでもプロ棋士になりたい」と再起に賭ける姿を描いた人間ドラマです。


本作では主演の松田龍平が瀬川氏の心の機微を丁寧に表現。ひたすら努力を続けた苦労人…という描き方ではなく、自分の弱さやだらしなさにも気づいている人間臭さが浮き彫りになった作風だけに、共感を覚える人も多いことでしょう。将棋を知る人にも知らない人にも、“あきらめない”という大切なメッセージが届く感動作です。


泣き虫しょったんの奇跡
2018年9月7日からTOHOシネマズ シャンテほか全国ロードショー
監督・脚本:豊田利晃
原作:瀬川晶司 「泣き虫しょったんの奇跡」(講談社文庫刊)
音楽:照井利幸
出演:松田龍平、野田洋次郎、永山絢斗、染谷将太、渋川清彦、駒木根隆介、新井浩文、早乙女太一、妻夫木聡、上白石萌音、石橋静河、板尾創路、藤原竜也、大西信満、奥野瑛太、遠藤雄弥、山本亨、桂三度、三浦誠己、渡辺哲、松たか子、美保純、イッセー尾形、小林薫、國村隼 ほか
©2018「泣き虫しょったんの奇跡」製作委員会 ©瀬川晶司/講談社
公式サイト http://shottan-movie.jp/

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