RCEP閣僚会合~目指すべきは中国をTPPに入れること

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ニッポン放送「宮家邦彦のOK! Cozy up!」(8月31日放送)に外交評論家の宮家邦彦が出演。30日に開幕したRCEP閣僚会合について解説した。

日本や中国など16カ国によるRCEP東アジア地域包括的経済連携の閣僚会合が、シンガポールで30日に開幕した。このRCEPは日本や中国に加えてインドやASEAN、東南アジア諸国連合の加盟国など16カ国が参加する大型の経済連携協定で、合意すれば世界のGDPの3割を占める巨大な貿易権が誕生する。会議は今日31日まで行われるが、アメリカのトランプ政権が保護主義的な政策を進める中、自由貿易を推進するために年内の大筋合意に向けて、各国がどこまで歩み寄れるかが焦点になりそうである。

RCEP閣僚会合がシンガポールで開幕

新行)RCEPの交渉自体は5年前に始まりましたが、現在は18分野の内、4つの分野に留まっていまして、主張がまだ折り合っていないということです。

宮家)RCEPとは何か、まずそこからですよね。僕もよくわからなかったのだけれど、TPPと比べたらわかりやすいと思います。TPPがメジャーリーグならば、RCEPは高校か大学野球くらい。レベルが低い。RCEPには中国が入ってくる、すると中国は自由貿易主義者でないから、いろいろな規制がある。中国が主導権を握ろうとしてRCEPをやっているので、レベルが低いに決まっているわけです。TPPはむしろ中国が入れないものを作ろうと、自由化をどんどん進める。そして、国内の国営企業の改革をするなど難しいことが沢山ある。だからこそメジャーリーグなんですね。
トランプがいる間はTPPはあまり動かないけれども、RCEPは中国をある程度自由化させないといけないのだから、お付き合いはちゃんとしなければいけません。しかし、本当にやらないといけないのはTPPですよ。中国にTPPに入ってこなければダメだと思わせる。大リーグレベルの自由化をしなければいけないわけだから、中国が入る為にはハードルが高い。それをちゃんとやらせないといけないという点においては、まだまだRCEPというのは序の口。これからどんどんやらなければいけないことです。

貿易を解放させ、中国に「TPPに入らなければならない」と思わせること

新行)RCEPは日本にとってはどのようなメリットが出てくるのでしょうか?

宮家)レベルが低いとはいえ数が多いですし、自由な貿易体制が拡大していくのだから、中国もそれなりの努力をするでしょう。メリットが無いとは言いません、むしろあります。しかし、我々が目指すべきはTPPに中国を入れることだと私は思います。

新行)RCEPで鍵になってくる国というのは、中国になってくるのですか?

宮家)まあそうですね。他にもインド、ASEAN等々がありますから、その意味ではこの東アジア地域、そしてインド太平洋地域の中で、アメリカはまだいませんが、それなりの動きが出てくるのは悪いことではないと思います。一生懸命やる価値はあるのですよ。ただ、中国のペースにはまって、レベルが低いまま合意してしまってはいけないと思っています。やはり目指すべきは、よりレベルの高い自由化、そして中国の経済を解放させること。それを目指すべきだと思っています。

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