海外と比べて日本のキャッシュレスが遅れているのはなぜか

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ニッポン放送「高橋洋一のOK! Cozy up!」(8月29日放送)に数量政策学者の高橋洋一が出演。キャッシュレス決済の普及について解説した。

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脱現金~キャッシュレス決済の取り組みが本格化

現金を使わないキャッシュレス決済の普及に向けて、政府や企業の取り組みが本格化している。7月には経済産業省の呼び掛けで、200を超える企業や団体が参加する「キャッシュレス推進協議会」が発足。経済産業省では普及に向けて、来年度予算の概算要求におよそ30億円を計上する方針。

新行)キャッシュレス決済ということですが、高橋さんはどうですか?

高橋)完全にキャッシュレスですね。最近、スマートウォッチを持って行っているのですが、あれはSuicaのために持っているだけで、時間のためじゃないのですよ。Suicaを取り出すのが面倒くさいからやっているだけなのです。東京では小銭を持っていないですね。いまも持っていないです。東京は全く必要ないですね。

新行)でも、地方に行くとたまに……。

高橋)タクシーのときだけたまにですが、でもお札しか持たない。小銭はずっと持っていないです。何年もそうですね。潔癖症でもなんでもないのですが、小銭が面倒くさいのですよ。よくお財布のなかにコインを入れて、出す人がいるでしょう。あれはやったことがないです。

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日本のキャッシュレスが遅い背景

新行)海外だとキャッシュレスはかなり進んでいますが、日本はまだまだ遅れている現状で。

高橋)びっくりしてしまいますよね。キャッシュディスペンサーというのは、海外にはあまりないですよね。

新行)なかなか見つけられないですよね。

高橋)もともと現金を持ち歩かないし、アメリカ人でもお財布のなかに2~30ドルしか持っていないのではないでしょうか。どうしても現金でないといけないところがあるからそれを使っているだけで、もともと小切手の社会ですから、あまり使わないですよね。

新行)日本がここまで遅れてきているというのは、何が原因なのでしょうか?

高橋)これは説明すると、日本人が現金が好きだとしか言いようがないのですよ。「なんでこんなに好きなの?」と皆が驚くくらい好きなのです。世界のなかでも突出して好きな国ですね。恐らく鶏と卵のような関係で、現金がけっこう使えるから、より現金に慣れてしまっているという。偽造がないので、現金を使うのかもしれませんね。他の国だと高額紙幣は偽造されるので、ほとんど使えないのですよ。日本は1万円札を平気で使えるでしょう。普通の国では考えられない。

新行)治安が良いから故というのもあるかもしれませんね。

高橋)それが逆に仇になってキャッシュレスにならないから、現金のハンドリングのコストがかかるというのはありますね。

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何かあったときのために、現金は持たないと不安

新行)それに関連したメールも頂いています。埼玉県秩父郡の「味噌ポテト」さんから頂きました。「日頃、PASMOやSuica、キャッシュカードなどで支払いの便利さは実感しているものの、システムダウンしたらどうしようもなくなってしまいます。政府はキャッシュレスを推し進めているようですが、ある程度現金も持たないと不安です」と頂いています。

高橋)システムダウンってどういうのがあるのでしょう、ほとんどないと思いますけれどね。いままで私には経験がないです。

新行)スキミングなどはあるのかもしれませんね。

高橋)スキミングは、接触面を接触しないようにすれば良いのです。現金でのトラブルもあるので、それから考えると現金じゃない方が安全でかつコストレスですよ。

新行)リスクを伴わないということですよね。でも、確かに日本の文化を考えると、「ご祝儀を包むときにピン札じゃなきゃ」とか「ポチ袋にお年玉を入れて」みたいな。

高橋)それはそれでやれば良いので、日常では使わないですね。困ったことはないですよ。

新行)確かにいまでは何でもありますからね。

高橋)だからいろいろ理由を探しても、やっぱり単なる慣習だとしか言えないですよね。他の国に比べて異様に高すぎて、それが結果的には現金取引に依存するが故に、社会の歪みを生んでいると思います。私は全部銀行取引だし、税務申告も簡単ですよ。いろいろ疑惑を抱かれても、全部銀行口座なので透明性がある。

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地方では特にキャッシュレスが遅い

新行)Twitterでも頂いています、「備前のラジオ小僧」さんより。「キャッシュレス社会と言えば、首都圏ではSuicaとPASMOがだいぶ普及していますが、地方の鉄道・バス事業者のなかには利用者の減少もあってICカードを導入していない事業者もありますよね」ということです。

高橋)地方に行ったときに現金がちょっと必要なのですよね。でもJRはどこでもできますし、基本的に地方も現金を扱わないことによって人件費を削減できるので、過疎の方でやった方が良いということですよね。

新行)それこそ進むと、人対人の窓口も減ってくるということでしょうか。

高橋)必要なところでフェイストゥフェイスをやってくれれば良いでしょう。別に切符を買うときにわざわざいらないですよね。

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