陣内孝則にとって映画監督の仕事とは

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陣内孝則にとって映画監督の仕事とは
俳優の陣内孝則が、黒木瞳がパーソナリティの番組「あさナビ」(ニッポン放送)に出演。監督としても映画を撮っている陣内。自身にとっての映画監督について語った。

黒木)今週のゲストは俳優の陣内孝則さんです。陣内さんは役者だけではなく、音楽もですよね。先週発売になった『ANTHOLOGY OF J』もあるし、それから映画監督。
映画には私も出させて頂いたのですが、最初のきっかけは? 

陣内)企画自体は昔からあったのですが、実現したのは企画して7年後くらいでした。当時、芸能人でいろいろな人が監督業をなさっていた時代だったので「俺も1本作ってみたい」と思ってやったのが、最初の『ROCKERS』という映画でした。

黒木)じゃあ、アイスホッケーの前にもう作っていらしたのですね。

陣内)その6年後ですね、アイスホッケーの映画を作ったのは。やはり企画から立ち上げると時間がかかるでしょう。とてつもない労力がかかるので、なかなかね……。職業監督で、腕の良い監督さんだったら本を貰って、どう料理すれば良いのか考えてやれば良いのかもしれないけれど、僕らみたいに企画から立ち上げて何かをやろうとすると、どうしても時間がかかりますよね。余程大ヒットしたら別だろうけど。

黒木)私はたまたま監督をやったのですが、それでキャンペーンで対談をしたときに、「自分は監督として巨匠になろうとは思っていない。有名な方はたくさんいらっしゃる。だけど、映画が好きだから、監督だろうが役者だろうが、その世界に自分がいるのが心地良い」とおっしゃって、私も凄く腑に落ちたのですよ。私も好きだなと思って。

陣内)立場を変えるというか。恐らくおやりになって感じたと思うのですが、自分がイメージしたものが具現化していく快感といったらないでしょう。想像力の仕事はそういうところだと思うのですよね。人間は表現していく動物じゃないですか。その最たるものが映画監督じゃないかな、と僕は思いました。楽しかったし、ものができ上がっていくことに全て立ち会える。俳優って、駒じゃないですか。まずプロデューサーさんに選んで貰わなければいけないし、脚本家さんに良い役に書いていただかなければいけないし、演出家に演技を引き出して貰わなければいけない。非常に他力本願なところはあるけれど、監督って自分で作っていける、そういう快感はありますよね。

黒木)でも音楽をご自分で作っていらしたわけじゃないですか。そういった意味でのクリエイティブな仕事というのは、向いているのではないですか?

陣内)棲み分けなきゃいけないという壁はなかったですね。「やっちゃっていいんじゃない?」という感じで。そういうのもありじゃないかと思いました。

黒木)これからのご予定はあるのですか?

陣内)それはいまのところないです。面白いものと出会ったらやりたいと思いますが、「これは俺しか撮れない」と思うもの以外、やっても意味が無いと思うのですよね。普通の作品だったら職業監督の方が撮った方が良いものができると思うし。僕がたまたまアイスホッケーの映画をやったのは、息子がアイスホッケーをやっていて10数年付き合っていましたから、「これは面白いぞ」と思ってしまったので。『ROCKERS』はバンドマンの話なので、自分がバンドマンということでやりました。

黒木)3本目は?

陣内)3本目は短編集なのですよ。オムニバスです。喜安くんという俳優なのですが『桐島、部活やめるってよ』で脚本賞を獲った俳優でもある脚本家がいまして。彼とは何年も前から付き合っていて、舞台をやろうとしていたのですがその舞台ができなくなってしまって、申し訳ないから「映画やろうよ」と切り替えたのですよ。そしたら彼がまた賞を獲ったからやりましょうという話に周りもなって、それでたまたま撮ったのです。

陣内孝則にとって映画監督の仕事とは
陣内孝則にとって映画監督の仕事とは
陣内孝則/俳優

1958年8月12日生まれ。福岡県大川市出身。
1980年、ザ・ロッカーズのボーカリストとしてデビュー。
1982年、映画『爆裂都市BURST CITY』にて俳優デビュー。1987年には、映画『ちょうちん』でブルーリボン賞主演男優賞を受賞。
1987年に結婚。2人の息子さんの父親。
1989年『極道渡世の素敵な面々』、『疵』で、日本アカデミー賞・優秀主演男優賞を2年連続受賞。以後 テレビ、映画、舞台等で幅広く活躍。映画監督としても活動。監督作品は『ROCKERS』『スマイル 聖夜の軌跡』『幸福のアリバイ~Picture~』など。

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