しゃベルシネマ

ウィンブルドン選手権、“世紀の戦い”に潜んだ“真実”

【しゃベルシネマ by 八雲ふみね 第471回】

さぁ、開演のベルが鳴りました。
支配人の八雲ふみねです。
シネマアナリストの八雲ふみねが、観ると誰かにしゃベリたくなるような映画たちをご紹介する「しゃベルシネマ」。

今回は、8月31日公開の『ボルグ/マッケンロー 氷の男と炎の男』を掘り起こします。


歴史的名勝負を完全映像化した実録スポーツムービー


イギリス・ロンドンのウィンブルドンで開催されるテニスの四大国際大会(グランド・スラム)のひとつ、ウィンブルドン選手権。今年は7月2日から15日まで開催され、男子シングルスではノバク・ジョコビッチがケビン・アンダーソンを破り、優勝を果たしました。

これまで2011年、2014年、2015年とウィンブルドンを制し、今回で4度目の優勝となった元世界1位のジョコビッチ選手が「ウィンブルドンはテニスにとって神聖な場所」と語るように、テニスプレイヤーなら誰もが憧れ、目標とする場所なのではないでしょうか。

そんなウィンブルドン選手権において“伝説の名勝負”と言えば、1980年の決勝、ビョルン・ボルグとジョン・マッケンローによる一戦を思い出す人も多いことでしょう。


1976年に20歳の若さでウィンブルドン初優勝、その彫刻のように美しいビジュアルと冷静沈着なプレイで“アイス・マン(氷の男)”と呼ばれ、テニスに興味がなかった人々でさえも虜にしたビョルン・ボルグ。

そして、エレガントなテニス界のプリンスによるウィンブルドン5連覇を阻止するべく現れたのが、類い稀な才能を持ちながらも、納得のいかない判定には狂犬のごとく審判に噛みつき暴言を吐く“悪童”ことジョン・マッケンロー。

映画『ボルグ/マッケンロー 氷の男と炎の男』では、彼らが人生のすべてを注ぎ込んだ3時間55分の名勝負の裏にあった、知られざる真実が描かれています。


ボルグを演じるのは、スウェーデン出身で注目を集める俳優のひとり、スベリル・グドナソン。そしてマッケンローには、『トランスフォーマー』シリーズで人気を博したシャイア・ラブーフ。厳しい肉体改造とプロアスリート並みのトレーニングを積み、それぞれのキャラクターに挑みました。

メガホンを取ったヤヌス・メッツ監督は、当時、リアルタイムでボルグとマッケンローの伝説の試合をテレビ観戦していたとのこと。二人の闘いから伝わってくる、神聖な空気感に感銘を受けたことを鮮烈に記憶しており、本作の監督を喜んで引き受けたとか。

緊迫感あふれる2人の宿命の対決シーンを完全に再現し、さらに決勝の場で顔を合わせるまで、各々がどんな人生を歩んできたかを辿る実録ドラマとして完成させました。


一見すると、性格もプレースタイルもまるで真逆のプレイヤーだと見受ける2人ですが、この映画を観ると、実は“似た者同士”だったのではないかと推察することが出来ます。頂点に立つ者にしか分からないプレッシャー、不安、そして孤独。鬼気迫る闘いの裏に迫る“真実”の姿が、38年の時空を超えて新たな感動へと導いてくれます。


ボルグ/マッケンロー 氷の男と炎の男
2018年8月31日(金)からTOHOシネマズ日比谷ほか全国順次公開
監督:ヤヌス・メッツ
出演:シャイア・ラブーフ、スベリル・グドナソン、ステラン・スカルスガルド、ツヴァ・ノヴォトニー ほか
©AB Svensk Filmindustri 2017
公式サイト http://gaga.ne.jp/borg-mcenroe/

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