弘前駅「にぎりまんま」(800円)~五能線で行く絶景! 海辺の露天風呂「黄金崎不老ふ死温泉」

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【ライター望月の駅弁膝栗毛】

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キハ48形・快速「五能線クルージングトレイン」、五能線・深浦~広戸間

五能線随一の景勝地・行合崎海岸を行く「リゾートしらかみ」・・・じゃなくて、この日運行されていたのは、キハ48形の「五能線クルージングトレイン」。
「リゾートしらかみ」用の車両が、定期検査などで使用できない時に運行される列車です。
実はこの2両編成、平成22(2010)年にハイブリッド式のHB-E300系に置き換えられるまで、「リゾートしらかみ」の青池編成として活躍していた車両の一部。
現在は主に秋田・青森エリアの臨時列車として活躍しています。

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キハ48形・普通列車、五能線・広戸~深浦間

五能線は、東能代~川部間を乗り通すと、およそ150km。
全車指定の「リゾートしらかみ」は快速ですので指定席券(520円)を購入すれば、夏休みなどは「青春18きっぷ」でも乗車できる有難い列車です。
ただ、五能線で途中下車を楽しんだり、ローカル線の風情を味わうなら普通列車もお薦め。
しかも、数年後には新型車両が投入されることも発表されていますので、国鉄時代のようなタラコ色のキハの旅をのんびりと楽しむなら今のうちです!

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黄金崎不老ふ死温泉

五能線沿線で泊まるなら、何といっても、青森県深浦町の「黄金崎不老ふ死温泉」。
夕どきの「リゾートしらかみ」は、この不老ふ死温泉目当てのお客さんが多めです。
最寄り駅のウェスパ椿山では、多くの乗客が下車し、宿の送迎バスに乗り換えていきます。
部屋から一望の日本海、ボリュームたっぷりの郷土料理、週末は津軽三味線の生演奏も。
でもでも、ココで最も楽しみたいのは!

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海辺の露天風呂(画像提供:黄金崎不老ふ死温泉)

日本海が目の前に広がる「海辺の露天風呂」です!!
湯船に浸かりながら、潮騒をBGMに眺める、水平線に沈む夕日は最高の一言。
赤い夕陽と赤いお湯が一体になる一瞬は、何度体験しても胸の高まりを抑えられません。
16時以降は宿泊者専用となりますが、夕方は混雑しますので、早めに場所を確保した上で、のぼせないように湯端で休憩を繰り返しながら、日の入りを待つのがお薦めです。

ちなみに、「黄金崎不老ふ死温泉」の源泉は53.9℃、ph6.38、成分総計24.71g/kg、泉質は含鉄―ナトリウム・マグネシウムー塩化物強塩泉というよく温まるお湯。(本館の分析表より)
泉質に“含鉄”と入っている点も、鉄道旅との相性バッチリですよね!

HB-E300系 快速 リゾートしらかみ 橅編成 五能線 陸奥沢辺~ウェスパ椿山間 にぎりまんま
ウェスパ椿山10:38発の快速「リゾートしらかみ1号」青森行は、不老ふ死温泉のお迎え列車といったところで、空席が目立っていた車内も、ウェスパ椿山で概ね席が埋まります。
秋田へ抜ける場合、「リゾートしらかみ2号」は11時台と遅めなので、ウェスパ椿山9:35発の快速列車で東能代へ出て、特急「つがる2号」に乗り継ぐと昼前に秋田まで到達できます。
ま、五能線に急ぐ旅は似合わないので、旅程に合わせてのんびりと巡るのがイイですね。

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にぎりまんま

温泉旅と駅弁を組み合わせる時、気になるのは胃袋の余力。
宿の美味しいご飯に胃袋のスペースを取っておきたい気持ち・・・よく分かります。
その意味でも、温泉へ行く時は、軽めの駅弁をチョイスするのも1つのテクニックです。
例えば、去年(2017年)から販売されている「にぎりまんま」(800円)もその1つ。
五所川原の「つがる惣菜」が製造、弘前駅限定で販売しています。

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にぎりまんま

【おしながき】
・菊入りおにぎり(青森県産食用菊使用)
・しそ昆布おにぎり(青森県産米使用)
・高級卵・もっこり卵の玉子焼き
・嶽きみの包み蒸し
・煮物(青森県産ほたて、人参、こんにゃく)
・きゅうり辛子漬け

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にぎりまんま

「にぎりまんま」とは、まさにおにぎり弁当。
でも、ただのおにぎりではなく、地元産の食用菊が入ったり、玉子焼きも地元のブランド卵を使うなど、青森ならではの「おにぎり弁当」に仕上げられています。
特に今の時期、旬を迎えているのが、岩木山麓・嶽温泉周辺で採れるとうもろこし「嶽きみ」。
これを塩っ気のあるベーコンと組み合わせ、より甘みを感じられる包み蒸しにしています。
軽めの駅弁でも、しっかり手の込んだものを味わえるのが嬉しいですね!

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701系電車、奥羽本線・北常盤~川部間

「つがる惣菜」によると、この駅弁は弘前駅の「津軽弁」売り場の方から、岩木山の登山者がよく津軽弁を買っていくという情報を得て、山でも食べやすいお弁当として「おにぎり」駅弁が開発されたということです。
岩木山から津軽平野を眺めていただくもよし、津軽平野から岩木山を眺めていただくもよし。
せっかくおにぎりをいただくなら、青森の人の温もりが感じられる味を楽しんでみませんか?

連載情報

ライター望月の駅弁膝栗毛

「駅弁」食べ歩き15年の放送作家が「1日1駅弁」ひたすら紹介!

著者:望月崇史
昭和50(1975)年、静岡県生まれ。早稲田大学在学中から、放送作家に。ラジオ番組をきっかけに始めた全国の駅弁食べ歩きは15年以上、およそ5000個!放送の合間に、ひたすら鉄道に乗り、駅弁を食して温泉に入る生活を送る。ニッポン放送「ライター望月の駅弁膝栗毛」における1日1駅弁のウェブサイト連載をはじめ、「鉄道のある旅」をテーマとした記事の連載を行っている。日本旅のペンクラブ理事。
駅弁ブログ・ライター望月の駅弁いい気分 https://ameblo.jp/ekiben-e-kibun/

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