アメリカ国防権限法に中国が強烈な不満

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ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」(8月15日放送)にジャーナリストの高橋洋一が出演。国防権限法を解説した。

アメリカで今年度の国防予算の大枠を定める国防権限法が成立

アメリカの今年度の国防予算の大枠や国防方針などを定める国防権限法が成立した。国防予算の総額はおよそ7,170億ドル、日本円にしておよそ79兆円。また、国防権限法では、政府機関で中国の製品の使用を禁止する条項などが盛り込まれ、中国側は強烈な不満を表明している。

飯田)今まではテロとの戦いということを言っていましたが、専門家などのコメントを見ると、いよいよ米中を意識しているのではないかという分析がなされています。

高橋)そうですね。中国の包囲網というか、中国に対してやはり厳しくなってきましたね。北朝鮮の話がある時は、アメリカは中国を立てていたわけですが、北朝鮮とのパイプが直接できたので、もう中国に頼らなくてもいいという風に割り切っていますね。

 

そういう意味では、体制の違う中国に対して違和感があって、中国からアメリカへの対米投資はどんどんできて、企業も随分あるわけでしょう。HuaweiとかZTEのような企業があるんですけど、そういう企業を経由しながら、実は知的財産、技術をとっているというのがアメリカの認識です。

 

そういう認識がある以上は中国に対して敵対的になって、同じように相互主義を求めて、アメリカも中国への投資をさせろという話になる筈です。

 

それで最後はアメリカが中国に投資をさせろということになると、資本の自由化、為替の自由化になりますから、中国としては容認できないのでどこかでとどめたいんですけれど、いま貿易戦争ですごいことをしていると、そんな感じですよね。

 

この国防予算のときに中国機器を使うなと言ったのは、そこから技術が漏れているというアメリカの認識があって、これはそこそこ証拠もある。これを根拠にしている話なので、日本と違っていて、予算権限を与えるときに色々なことを要求するんです、アメリカ政府は。議会が、政府に要求するんです。

 

アメリカの中の話だから分かりにくいんですけど、アメリカの議会と政府は違いますから。色んな議会が政府に要求するので、権限を与えるんだけど、こういう風に政府はしろという話をするんですよ。そういうところで、政府と議会が一体になっている中国なんかは困惑するんです。

飯田)議院内閣制ではなく、大統領制だから、予算の権限は議会の方にあって。

高橋)そう。予算を作るのは議会、予算の法律を作るのは議会なんですよ。日本だと政府が提案して、はっきり言って国会はね、そのまま認めちゃうんですけど。そうではなくて、予算自体を議会が作るので、色々なことを言うんですよ。この国防権限法もその中の一環ですね。

飯田)突発的に戦争をしないように、歯止めの部分でもあるわけですが。

高橋)もちろん。だから急に、いまトランプさんは韓国から引き気味なので、そこは引いてはいけないというのも一緒に、実は議会が歯止めをかけるんですよね。

飯田)そうやってチェック機能と言うものを作っていると。

高橋)ええ。

中国に対する警戒

飯田)中国に対する警戒という意味では、それこそ上院議員の、民主党の方ですけれど、政策補佐官の方が中国からのスパイだと認定されたような話も出てきて、かなり多方面にわたってガチンコになってきていますよね。

高橋)やはり技術を取られているので、その結果取られた技術で中国がのしてきているという認識なんじゃないですかね。これは日本にもやられた経験があって似ているんですけど、かつてのね。それでガチンコで、アメリカと貿易戦争で戦うと、取引量を考えると大体不利になるんですよ。さっきのトルコと似ているんですけれど。

飯田)同じだけ関税をかけようとしても、そんなにかけられないと。アメリカから輸入していないということですね。

高橋)はい。やっぱり基軸通貨を持っている、ドルとか持ってるでしょう。だから先読みをしたりして、変な話もあるんですけど、政治的にはけっこう中国にプレッシャーかけてて、これは日本にとっては悪くないと思っていますけどね。

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