沖縄県知事選~沖縄の未来と日本の現実をつなぐ適切な人物はいないのか

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ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」(8月13日放送)にジャーナリストの末延吉正が出演。沖縄県知事選について解説した。

沖縄県知事選、今日にも投票日が決定

沖縄県選挙管理委員会は翁長雄志知事の死去に伴い、今日臨時の委員会を開いて、投開票日を決定する。公職選挙法に基づいて、今日13日から数えて50日以内に選挙が実施され、知事選は最も遅くて、9月30日となる。

飯田)亡くなられた日が8月8日ということで、5日以内にまず県側がこの選挙管理委員会に死亡の通知をする。そこから数えて50日以内に選挙をしなければならないという決まりがあります。勘定すると、期限としては10月1日となりますが、それに一番近い日曜日を考えると9月30日、あるいは9月23日、3連休の中日になるのではないかという話も出ています。この沖縄の県知事選は革新と保守に割れるなんてことがいままでは言われていましたけれども。

末延)翁長さんは沖縄の保守政治家一家のエリートです。自民党県連の幹事長だった。その人が基地反対で共産党までを含めたオール沖縄をまとめて、ここから展開していった。
沖縄の迷走は民主党の鳩山さんの「少なくとも県外」で期待値が上がって、何もできなかったことから始まって、保守のリーダーの翁長さんが訴えたことによって、政策を超えたアイデンティティーでまとめてきた。かつての沖縄はあれだけの犠牲を払ったし、特に集団自決の問題など、未だに新たな証言が出ます。
僕もいろいろな本読んでつらいなと思うんですよ。そういうものを含めて、なお外国の基地を新たにというところに不条理なものを感じざるを得ない。もちろん、外交の安全保障の現実政策は必要だと思うのですが、政府との間の不信感があって溝が埋まらない。そこが一番の問題です。具体的には翁長さんが、亡くなる前に知事の埋め立て承認撤回をすることを決めていました。
一方、基地のほうは土砂の投入がまもなく始まる。ここをどうするのか、言葉は悪いのですが、駆け引きになってくるし、同時にそれぞれの陣営、オール沖縄…こちらは実質的には経済界含めて割れてきていて、翁長さんのようにまとめられる人がいない。自民党は宜野湾市の市長を保守で自民公明でと言っています。その陣営がどう争うのか。

対立しない形での候補者の選定、話し合いはできないのか

末延)いままでの菅さんが翁長さんとやってきたような対決、対立ではなくて、地位協定の見直しなどいろいろなものを入れながら激闘ではない形の、罵り合いにならない形の現実的な候補者の選定、話し合いはできないものだろうか。このままいくと、差別感が固定化して政策の技術的な問題では片付けられないところまで行ってしまう。

飯田)元々、少女暴行の話があって、負担の軽減が必要だということがあった。それに沖縄国際大学にヘリが落ちた。これで普天間はとても危ない、なんとかしてどこかに移せないか、というところから話が始まった。

末延)アメリカ政府も驚いたと言っています。その後の事故が続いたときの、政府の対応はアメリカにもっと言ってもいいんじゃないかというところは感情としてはありますよね。基本的には日米安保というのは同盟関係で重要な公共財ですが、外国の軍隊がいて、それが犯罪につながるということは、暮らす人には耐えられないものが当然あるわけで、そこと現実的な安全保障の整合性をどこかで折り合えるのか。ずっとやっていますが、戦後73年、逆にこれを機会として、日本から話せないのかなと思います。

飯田)政府側は補助金を積むだとか、ひも付きではない資金、振興予算を3千億円くらいつけてという、ある意味札びらというところでやってしまったのが、この先、これで解決するのかというのがありますよね。

末延)翁長さんがあれだけ支持を集めたことを考えれば、やはり人物なんですよ。その人が持っている人間性、人ですよね。最初から対決ということではなくて、沖縄の未来、安全保障含めて日本の現実を話すために、誰か間に入れる人はいないのかと思います。行司役みたいなね。夢物語と言われるかもしれませんが。

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