家族3人でゴルフコースに住み込みプロを目指しました。女子プロゴルフ・ささきしょうこ(20歳) スポーツ人間模様

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「大東建託・いい部屋ネットレディス最終日」優勝・ささきしょうこ、父・修治さん(左)
写真提供:産経新聞社

ゴルフファンならもうご存知でしょう、「大東建託・いい部屋ネットレディス」でツアー初勝利を飾ったささきしょうこは、驚くことにプロ2年目20歳の新鋭。
優勝を飾った7月31日はちょうど1年前、プロテストに合格したメモリアルデー。つまり、わずか1年の間に驚異的な進化を遂げたということです。

「ドラマにしても…」と感じるのは、ここまで歩んだささきのストーリーです。
幼少時、呼吸器系の持病で、通学もままならない8歳の冬のことでした。
青木功が世界ゴルフ殿堂入りを果たし、表彰式の模様がテレビで映し出されたのを見て「私も表彰状が欲しい。」と言ったそうです。
それからというもの、ゴルフというスポーツが、どんなものかを知らないまま、室内で腕立て伏せ、腹筋などの筋力トレーニングをスタート。
半年後にクラブを握ることを許され、メキメキと上達。以来、プロゴルファーになることだけを思い描きました。

まぁ、これだけなら、よくあるケースでしょう。でも、このささきの本気ぶりを目の当たりにした両親がすごかった。
お父さんの修治さんは大手警備会社に勤務するサラリーマンでした。
しかし、遠征などをサポートするため会社を退職し、さらにはプロになるためには資金がかかるのでマイホームまで売却してしまいます。
娘の練習環境を整えようと、兵庫県内のゴルフコースへ家族3人、住み込みで移りました。

「持っているお金で、娘のゴルフ資金はまかなえる。でも、人間ですから食事など、日常生活をしなくてはならない。それは、苦しかった。サラリーマン時代の知り合いなどに支援していただいた。やりくりの連続ですよ。」

と明かしている。

参考までに申し上げておきますと、最終プロテストを受験できるのは18歳以上。
そこに至るまでには、1次、2次と2度のテストが行われ、ふるいにかけられる。
最終テストでライセンスを手にできるのは、上位20位タイまでに入らなければなりません。
もちろん、受験料など先立つものが必要で、合格しても入会金が60万円也。
1年間でテストの費用が経費などを含め、ざっと200万円はかかるのが相場です。
一方で、そこまで来るのにアマチュアとして腕を磨く。大成すればいいが、のべ、うん千万という、先行投資が不可欠です。

自分の選んだ道とはいうものの

「高校時代、現実がわかってくると、ゴルフから逃げ出いと真剣に悩んだ。でも、恩返しという気持ちが弱気の気持ちを上回りました。私は欲しいものはない。優勝した、賞金や副賞などは父と母にそのまま渡して自由につかってもらいます。」

ささきは話していました。
もっとも、お父さんの修治さんもご立派で、自身の人生まで愛娘にささげたことを、

「たくさん稼いで返してもらおうなんて、そんな考えはない。ゴルファーとして大成しなくてもいい。まぁ、その時はその時、家族3人、生活は何とかなるでしょうから…」

と笑い飛ばしています。
では、どんな気持ちで初優勝を見守っていたのかと言うと、

「プレー中、私が視界に映ると、緊張してしまう。」

トーナメントに帯同はしているものの毎回17番ホールで1日中座って時をすごす。
でも、

「今回は木の陰に隠れ、見つからないよう、2度ぐらい、ナマのプレーを見に行った。」

そうです。

8月2日(火) 高嶋ひでたけのあさラジ!「スポーツ人間模様」