北朝鮮の非核化~クリスマスまでがトランプ大統領の待つ限度

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ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」(8月8日放送)に国際政治アナリストの藤井厳喜が出演。ボルトン補佐官が語ったポンペオ国務長官再訪朝の示唆について解説した。

アメリカ、ボルトン補佐官が、国務長官の再訪朝に言及

ボルトン大統領補佐官は7日、FOXニュースのインタビューに答え、北朝鮮が非核化に必要な措置を取っていないとして、金正恩委員長との会談のため、ポンペオ国務長官が再訪朝する用意があると語った。

飯田)非核化について具体的な進展が見られていないなかで、ボルトン大統領補佐官がFOXニュースのインタビューに答えたということですが、この米朝のやり取りはどうなっているのですか?

藤井)大きな枠組みのなかでの、米露協調時代が始まっているのですよね。

飯田)はい。

藤井)あとはアメリカとしては恐らくまず、ロシアがポジティブな影響力を北朝鮮に向けて行使してくれることを期待しながら、ゆっくり見守っているということでしょう。

飯田)ゆっくり見守っている。

いまは北朝鮮の非核化への行動を見守っているところ

藤井)膠着状態ですから、核の実験もしていませんし、ミサイルの実験もやってないので、核武装が進展もしていません。後退もしてないと言いますか。しかし、非核化に向けた措置を取ってないのも事実。周辺的なことはいくつかやっていますけどね。ですから、これで恐らくトランプ大統領が北朝鮮に言っているメッセージというのは、米露は協調していくよと。経済的にもこっちが勝ち組になる。で、中国と付き合っていてもいいことないですよ。米露が協調するということは、中国を阻害しているわけです。7月6日からアメリカも対中国経済制裁を始めています。中国は非常に苦しくて、習近平に対する非難の声も上がってきたと言われているくらい、実際苦しいですよね。「だからチャイナとつるんでいてもお宅の国は将来ないですよ」、「我々の方に来た方がいいんじゃない」ということです。「ついては非核化もやらなきゃ駄目よ」と。
時間を与えて見ているという感じだと思います。

北朝鮮に残された猶予はクリスマスまでか

トランプ大統領の中国との交渉の仕方を見ていると、はじめは2017年4月ですか、自分の別荘のマー・ア・ラゴに習近平さんを呼んで、非常に丁重にやって100日計画を作った。ところが中国が100日計画全然やらねーじゃねーか、と。そこからは掌返したように、「ならば、我が方に覚悟はあるよ」という話になってきた。
2017年中はIS壊滅が第一の仕事でしたから。それがだいたい終わりましたよね、11月くらいに。今年になってから対中経済戦争が始まった。ちゃんとプログラム通りやっています。今度はフレンドだと習近平のこと呼びながらも、やっていることは厳しい。北朝鮮もこのままアクションとらないと、「若いのに優秀な指導者だ」とヨイショしてきたけど、掌返すことは十分にありうる。トランプ流のやり方でね。
ポンペオさんが出ているうちはいいけど、ボルトさんが出てくと怖いよ、と。いまの内にやっておいた方が良いんじゃないの、というメッセージですね。そういう段階じゃないですかね。中間選挙まで大きな動きはないかと思いますが。

飯田)アメリカの中間選挙。

藤井)11月上旬ですね。

飯田)そこまではこの様子見ムードみたいなもの。

藤井)ではないかなと思います。今年中に何らかの大きなアクションを北朝鮮がとらないと、トランプ政権も我慢できないよということになってくるんじゃないでしょうか。シンガポールの約束はどうなったんだと。

飯田)あれが会見6月12日でしたから、半年後、12月の半ばくらいですね。

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