日本の医療体制の問題、文科省の風土から抜本的な対策を

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ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」(8月7日放送)にジャーナリストの有本香が出演。東京医科大学の一連の問題に関連して、日本の医師問題、文部科学省内部の問題について解説した。

東京医大の入試不正問題、内部調査の結果が今日にも公表か

東京医科大学による不正入試問題で、大学側は弁護士らによる内部調査の報告をまとめ、早ければ今日にも公表する見通し。

飯田)東京医科大学の支援事業に便宜を図る見返りに、息子の裏口入学をさせた疑いで逮捕された文科省の前科学技術・学術政策局長佐野太容疑者の事件が大きく報道されたのは、およそ1カ月前。そこからボロボロと出てきて、いまは減点操作に注目が集まっていると。

有本)問題が広がっていったのですが、いま騒がれているのは、入試の点数を操作して特に女子学生や何年も浪人している人の不利な入試になっていたと。私立大学ですから、どういう基準で学生を選抜するかはペーパー試験の結果で選ばなくていいことや、お医者さんとしての適性というのをどう見るかという問題もあるのでしょうけれども、入試の段階で女子という属性で門戸を狭くしてしまうのは、いまの時代ではなかなか理解されにくいのではないかというところもある。
ただし、現実論としては診療科にバランス良く人材が配置されていくような仕組みを作るために、入試の段階から……。この大学もそうですが、大学と病院は一体になっているし、地域における人材供給ということも考えると、自衛手段であるという論もありますよね。

日本の医療体制の問題、文科省の風土から抜本的な対策を
女性医師ではできないことも多いと現場の声

飯田)現場の方からメールを頂くのですけれども、50代の内科医の方「今後女性のお医者様がさらに増えてしまうと、地方の医療が成り立たなくなる心配があると思われます。私は東北地方の医学部を卒業し、30代の頃10年間僻地の病院で勤務しました。そこは全員男性医師で、家族を連れて、あるいは単身赴任というところだったのですが、少ない人数だったので夜勤も多かった。いまから考えると、考えられない過重労働でした。果たして女医さんたちがそういった勤務ができるのか、現実は非常に厳しいと思います。日曜日のテレビ番組でも西川史子さんがおっしゃっていましたが、僻地勤務や夜勤の少ない眼科・皮膚科の女医さんばかりが増えるような気がしてなりません。現実に私の出身大学も、眼科・皮膚科・糖尿病内科は既に女医だらけ。外科系はいまも昔も男性ばかりなんです」と。
3浪以上している受験生も、点数を割り引いていたという話も東京医科大学はありましたが、個人的な意見ですがと「こいつ技術的にも人格的にも凄いなと思える医者は、意外と学生時代の成績はあまり関係ないように思います」と内部の声を頂きました。

有本)特に医学部というのは、我々のような文系の人間と違って医者になることを目的に大学へ入るわけですからね。そこでのいろいろな制約や、求められるものは変わってくると思います。でもこの問題についてこれはこれで議論しなければならないですし、医療の人材確保はシステム上も政策上も変えていかなければならない部分があるかもしれません。文科の分野、あるいは厚生労働の分野、医師の待遇や働く環境というのを今後改善していくためにどうするのかですよね。そこが変わらないと、私たちもいままでのような医療を受けていくことができなくなるかもしれない問題でもあります。

飯田)体力的にとか男女の性差の部分で、どうしても力が要ることはできないとかそういったことがネックになってしまうのはありますよね。

有本)診療科によってはありますものね。

日本の医療体制の問題、文科省の風土から抜本的な対策を
医師の負担を減らす新たな取り組みも必要か

飯田)いま看護師さんとお医者さんの2つしかないのですが、真ん中の医療補助者みたいなものが……。

有本)それは随分言われていますよね。お医者さんのやる範囲が日本は非常に広いということも言われていますよね。様々な部分でこれは問題を投げ掛けてくると思いますから、いろいろなことの改善の余地があるのだと思います。それから情報公開という点においても、入試を枠で決めるというよりも、後から大学側が合格者の背景を公表していく必要もあるかもしれません。この問題の元々の問題、大学への支援事業に便宜を図る見返りに、官僚の政策局長が自分の息子の入学を出した問題がどこかへいってしまった。

元々の問題も、看過してはいけない

飯田)いま忘れられていますね。

有本)これに複数の野党議員が絡んでいる。野党議員の名前が出てきた段階で、話がうやむやになってしまったのですよね。これはまずいだろうと思うし、別の筋からも話を聞きましたけれども。タイミングが同じような時期に文部科学省の役人が物凄い接待を受けていたという事件もありましたよね。

飯田)別の局長が事情聴取とか。

有本)文部科学省そのものが、風土的にまずいことになっていたと思います。前文部科学次官である前川さんの天下り斡旋の問題から……やはり文部科学省の風土を抜本的に解決する必要があるでしょう。官僚組織の腐敗、それに政治家がどのように関与していたか。この全容解明というのが必要ですよね。そこを綺麗にしていくのと並行して、医療人材を今後安定的にかつバランス良く育てていく、そしてより良い環境で働いて頂く。そうすることによって女性の医師もより働きやすくなるかもしれない。結果的に私たちも良い医療を受けられるようになるということですよね。
問題は多岐にわたって、診療報酬の問題とかそういったところにもメスを入れなければいけないかもしれない。女子の点数が割り引かれていた。これは当時者にしてみれば、非常に腹立たしい問題なのだけれど、そこで女性差別だというところだけに話を単純化するのではなくて、多岐にわたると考えて、根本としては文部科学省の腐敗にメスを入れないと話が先に進まないと思います。

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