米朝韓対話が実現しなかった2つの理由

By -  公開:  更新:

ニッポン放送「飯田浩司のOK!Cozy up!」(8月6日放送)にジャーナリストの須田慎一郎が出演。ASEANのなかで予定されていた米朝韓対話が行われなかったことについて解説した。

幻の米朝韓対話~アメリカが疑う韓国

韓国の文在寅大統領が仲介に入って実現を目指した、アメリカと北朝鮮、韓国の米朝韓対話。または南北米対話とも呼ばれる3ヵ国の外相会談。ASEANの外相会合のなかで行われるかと言われていたが、不発に終わった。

飯田)読売新聞が今日、詳しく2面で書いていますが、文政権が北朝鮮とアメリカの双方に働きかけを行って、仲介役を買って出ていますが、特にアメリカから不信感が強まっているということです。

須田)文政権が北朝鮮に対して、どういった約束を行ったのか。変な密約でも結んでないだろうな、というようなところをアメリカが疑ってかかっています。南北首脳会談が開かれた当初、南北の経済協力が早期に進むのではないかと言われていたことが2つありました。それは開城工業団地の再開と金剛山観光開発です。特に北朝鮮が期待していたのは開城工業団地です。北朝鮮にとっては、外交獲得の手段として手っ取り早いですから。韓国の業者は工業団地が閉鎖して以降、生産設備を残したまま、韓国に戻ってきています。ところが、外界不足に悩む北朝鮮は生産設備の機械を売っぱらってしまったのです。

飯田)売っぱらっちゃったんですか。

北朝鮮が売り払ってしまった開城工業団地の設備を韓国が提供の約束

須田)ええ。だからその器の中がすっからかんになっている状況のなかで、密約の1つが、「工業団地に機械をまた元に戻しますよ。買って北朝鮮に提供しますよ」ということがあったのではないかと聞いています。

飯田)それは制裁違反になってしまいますよね。

須田)そうですね。もちろん再開そのものも定着する恐れもありますが、機械の提供、生産設備の提供というと完全に抵触することになります。ここにきて北朝鮮が要求しているのは「国連制裁の例外事項として認めろ」みたいな言い方をしてきています。「これは韓国が、文政権が認めた話じゃないか」と。北朝鮮は経済的に逼迫した状況にあって、なかなか経済状況が元に戻っていかないものですから。

韓国の北朝鮮への瀬取り行為は累計22回

そしてもう1つ、アメリカが北朝鮮に対して不信感を抱いているのが、なぜ北朝鮮のエネルギー需要はそれほどに逼迫していないのかということです。最近、報道もされていますが、相当な数の瀬取り、洋上での違法な荷物の受け渡しであるとか、原油の受け渡しが行われているのではないかということです。アメリカサイドがリークする形でアメリカのメディアが報道したのですが、制裁が起こった今日に至るまで、韓国においては22回。その瀬取り行為、違法行為が行われている。これにアメリカがカンカンに怒っています。
具体的な証拠を突き付ける形で、アメリカは韓国に対してクレームを入れています。船籍としては第三国なのですが、明らかに韓国サイドが北朝鮮サイドに原油を中心とする物資の提供を行っている。日づけも特定して、全て累計すると22回というような形で突き付けています。これに対してきちんとした説明が、韓国からは何もなされていないのです。

飯田浩司のOK! Cozy up!
FM93AM1242ニッポン放送 月-金 6:00-8:00

番組情報

飯田浩司のOK! Cozy up!

FM93/AM1242ニッポン放送 月-金 6:00-8:00

番組HP

忙しい現代人の朝に最適な情報をお送りするニュース情報番組。多彩なコメンテーターと朝から熱いディスカッション!ニュースに対するあなたのご意見(リスナーズオピニオン)をお待ちしています。

Page top