10時のグッとストーリー

南を甲子園に連れてって!『タッチ』主題歌の誕生を声優・日高のり子さんと振り返るストーリー

番組スタッフが取材した「聴いて思わずグッとくるGOODな話」を毎週お届けしている【10時のグッとストーリー】
きょうは作曲家・芹澤廣明さんが担当した『タッチ』主題歌の誕生にまつわるグッとストーリー。そして今回は特別に、声優・日高のり子さんの朗読つきでお届けしております。

『タッチ』シングルジャケット(表・裏)

1985年3月から、2年間にわたって放送された、あだち充さん原作のアニメ『タッチ』。双子の兄弟、タッちゃん・カッちゃんと、幼なじみの私・南が織りなす青春野球ストーリーですが、岩崎良美さんが歌った主題歌を書いたのが、作曲家の芹澤廣明さんです。
中森明菜さんの『少女A』や、チェッカーズ『涙のリクエスト』などのヒット曲だけでなく、数々のアニメソングも世に送り出した芹澤さん。あだち充さん原作のアニメ『ナイン』の音楽も担当していた縁で、『タッチ』の主題歌も担当することになりました。

「『アニメの主題歌だと考えないでほしい。普通にヒットする曲を書いてくれ』って言われたんです。……ああ、自分の好きにしていいんだな、って思いました(笑)」という芹澤さん。曲を書く前に『タッチ』の原作をすべて読み、完成前の絵コンテを見て「青春ものだし、元気なイメージでいこう」と決め、さっそく作曲に取りかかりました。

「僕は、作曲と編曲を同時にやっていくんです。どこでどの楽器がどんなふうに入るのか、頭の中でバンドの音が鳴るので、後はそれを譜面に起こしていくだけです」という芹澤さん。曲を書くスピードはもともと速く、『タッチ』も短時間で書き上げましたが、いちばん時間を使ったのが、ギターが印象的な4小節のイントロでした。
「あのギターは、次のコードを半拍分、先に弾くほうが、スピード感が出るなと思って、そこはけっこう考えましたね」……そのギターを弾いているのは矢島賢さん。『少女A』の印象的なイントロを演奏している、伝説のスタジオミュージシャンです。芹澤さんによると「いちばんフィーリングが合ったし、矢島さんしかいないと思った」そうです。

「イントロを作るときは、間奏とエンディングのことも同時に考えないとダメなんです。その3つには統一性が必要で、そこに“異物感”があると、ヒットしないんです」
この強烈なイントロをもとに、同じくインパクトのある間奏とエンディングを作り、曲が完成。ただしその時点では、誰が歌うのかは、まだ決まっていませんでした。
「この曲、息継ぎがほとんどないから、歌うのが相当難しいんですよ」という芹澤さん。岩崎良美さんに決まったとき、「いいんじゃない、ぴったり!」と思ったそうです。
アニメの放送開始と同時に、主題歌『タッチ』も反響を呼びヒット。岩崎良美さんの代表曲になっただけでなく、30年以上経った今もなお、高校野球の応援歌としてスタンドで演奏されるスタンダードナンバーになりました。芹澤さんは言います。

「毎年この時期になると、自分の書いた曲が流れてきて『不思議だなあ』と思うけれど、力のある人たちが集まったからこそ、いまだに聴き継がれているんだろうね。原作の持つ力強さとか、精神性が『タッチ』には詰まっていると思います」

(素敵なテーマ曲をありがとう、芹澤先生!……浅倉南こと、日高のり子でした!)
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『芹澤廣明 ANIME GOLDEN HITSTORY』
(歴代の『タッチ』主題歌も収録)
ポニーキャニオンより発売中(3,200円+税)
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八木亜希子 LOVE&MELODY
FM93AM1242ニッポン放送 土曜 8:00-10:50

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